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爆速充電と超豪華な内装を引っ提げたミニバン「MEGA」が爆誕! 驚きの中身とひしめくライバルとの比較


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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中国でのミニバンEVバトルに勝てるのかに注目

EV性能だけではなく、裕福で先進的な考えを有するファミリー層を満足させるために、内外装の質感や装備内容を徹底的に充実させてきているという点も重要です。

まず初めに、車両中央に15.7インチ、助手席側にも15.7インチのディスプレイを配置しながら、さらに2列目には、17インチの3Kスクリーンを搭載することで、2列目の乗員のエンタメ性能を向上。

音響システムについても21スピーカーを搭載して、そのシステム出力が2160Wと、ドイツ御三家のフラグシップに匹敵する音響性能を実現しています。

2列目については、フルフラット可能なマッサージ機能付きのキャプテンシートを採用、220Vコンセントを搭載し、冷蔵庫も装備しています。

3列目シートについても、電動でのリクライニング調整が可能でシートヒーターまで搭載するなど、圧倒的に充実した装備を実現していることが見て取れます。

また、ミニバンで指摘される衝突安全性能についても、車両全体に9つのエアバッグを搭載しながら、さらにリヤからの衝突に対しても、保護性能を確保しているとアピールされています。

その上、ガラスルーフを含めたすべての窓ガラスに対して遮音ガラスを採用することによって、時速120kmにおける車内の静粛性は、1列目から3列目のどこであったとしても、メルセデス・ベンツSクラスも凌ぐ静粛性を実現しています。

そして、Li Auto独自開発のADAS機能であるAD MAXについては、ADAS用プロセッサーであるNvidia Drive Orin-Xを2ふたつ搭載することで、その演算能力は毎秒508兆回に到達。よって、高速道路上だけでなく、市街地における自動運転にも対応させることに成功し、すでに一部都市においてスタートしている状況です。

MEGAの値段設定については55万9800元、日本円にしておよそ1182万円からのスタートと、Li AutoがすでにラインアップしているフラグシップSUVであるL9よりもさらに高価な一方、そのL9が月間で1万台以上コンスタントに販売されていることを踏まえれば、Li Autoのプレミアムセグメントにおけるブランド力が相当に高いことが見てとれます。このMEGAについても、かなりの販売台数を実現することに期待可能です。

ただし、MEGAについては元々2023年末に正式発売がスタートする予定であったものの、急遽販売を3月に延期していたという背景が存在します。その理由というのが、競合関係にあたるXpeng X9とAITO M9が、想定以上の完成度、並びに想定以上のコスト競争力を有していたからといわれています。

実際に、X9の最上級AWDグレードについては41万9800元であり、日本円で約300万円も安価。AITO M9についても、MEGAよりも安価な値段設定を実現することができていることから、2023年後半の段階では、MEGAの成功はまず間違いないとされていた一方、この2024年3月の最新状況で、一体MEGAがどれほどの販売台数を実現することができるのかについて、中国EVウォッチャーのなかでも、かなり意見がわかれている状況です。

ひと足早く納車がスタートしているX9については、月間2000〜3000台程度の販売台数を実現していることから、MEGAについては、まず月間2000台程度という販売台数を実現することができるのかが、その成功を占う分水嶺的な数値となりそうです。

また、競合のAITO M9については、すでに5万台の確定注文を獲得しているという最新アナウンスがあり、日本円で1000万円を超えるEVが、これほどまでの販売台数を実現していることで、中国国内におけるファーウェイの圧倒的ブランド力を見て取れます。

このM9のスマッシュヒットの影響によって、後発であるMEGAの売れ行きにどの程度影響してくるのかについても注目されます。

いずれにしても、初のバッテリーEVであるMEGAの正式発売をスタートしたLi Autoに関しては、この2024年中にもさらに複数のバッテリーEVを市場に投入して、これまでのレンジエクステンダーEV一辺倒の戦略から、バッテリーEVとレンジエクステンダーEVの二刀流戦略へと移行を加速します。

果たして、これまでレンジエクステンダーEVの発売では大成功を収めてきていたLi Autoが、バッテリーEVという土俵においても、同じような成功を収めることができるのか、まずはMEGAの販売台数とともに、Li Autoの販売動向にも要注目です。

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