試乗
share:

後輪駆動の「EX30」はボルボ史上もっとも運転が楽しいクルマかも! [ボルボEX30試乗記]


TEXT:生方 聡 PHOTO:Volvo,生方 聡
TAG:

シングルモーターでも十分すぎる速さ

準備が整ったところで、さっそく走り出すことにしよう。ブレーキを踏みながらモードセレクターを捻ってDを選ぶ。ブレーキから足を離し、アクセルペダルを軽く踏むとEX30は滑らかに動きはじめた。交通量が多く、車線が狭いバルセロナの道を運転するのは緊張を伴うが、比較的コンパクトなボディのEX30は取り回しが良く、これなら日本の道でも運転がしやすいに違いない。

シングルモーターといっても200kWの最高出力を誇るだけに、軽くアクセルペダルを踏むだけでも加速には余裕がある。それでいて、アクセル操作に対して敏感すぎることはないぶん、扱いやすいのがうれしいところだ。走り出したあとも、右足の動きに素早く、かつ、力強く反応するモーターのおかげで、街中はもちろんのこと、ハイウェイでも、思いどおりの加速が得られるのがいい。アクセルペダルを思い切り踏み込めば、リアの2輪がしっかりと大トルクを受け止め、気持ちの良い加速が楽しめるのも、このクルマの魅力である。

しかもこのシングルモーター仕様、ハンドリング性能も抜群だ。パワーステアリングの設定は「軽め」「普通」「重め」の3段階から重めを選んでも軽く感じるのがやや気になるものの、コーナリング時の身のこなしは実に軽快。ステアリングを操作するとすっとノーズが入っていき、きれいにコーナーを駆け抜けられるのには感心するばかりだ。これまでドライブしたボルボのなかでは、もっとも運転が楽しいモデルではないかと思う。しなやかな動きを見せるサスペンションのおかげもあって乗り心地は実に快適であり、高速走行時のフラット感も上々。走行時のノイズもよく抑えられている。シングルモーター仕様のEX30は、パワーと走り、そして乗り心地が実にバランスよくまとめられた一台といえる。

Volvo EX30 Ultra Single Motor Extended Range

全長:4,235mm
全幅:1,835mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,650mm
車両重量:1,790kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:143Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:560km
リアモーター最高出力:200kW(272ps)/6,500-8,000rpm
リアモーター最大トルク:343Nm(35.0kgm)/5,315
バッテリー総電力量:69kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:マクファーソンストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:245/45R19
最小回転半径:5.4m
荷室容量:318L
車体本体価格:5,590,000円
※数値は国土交通省申請値

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す
EVに関心があっても導入に踏み切れないタクシー事業者多数! 広島でbz4Xを導入した事業者の陰に「電脳交通」の存在あり
買っていきなりレースを走るだと!? ヒョンデ「アイオニック5 N」の記念すべき納車第1号オーナーの声
more
コラム
BYDシールで1000km走って「充電性能の安定性」に衝撃! リアルワールドでも「コスパ最強」が証明された
日本で発売直後なのに中国では年次改良で新型登場! BYDの新型SEALの実力がヤバい
日産の第一四半期の営業利益は前年同月比でなんと99%減少……って大丈夫か? 円安解消も含めてアメリカ&中国市場で苦戦を強いられている!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
とにかくこの形に惚れたんです! 日本中から約140台もの日産アリアが集結した「日産アリア全国オーナーズミーティング2024」に潜入した
走る以外の楽しみがEVにはある! ラーメン屋台まで登場した「EVサマーキャンプ2024」を見るとEVが欲しくなる!!
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択