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BMW電動化戦略の尖兵
Mパフォーマンスパッケージでは、「Mスポーツブースト」と「Mローンチコントロール」も採用。105.7kWhのバッテリー性能とともに、瞬間的な加速性能も実現。
全長5,390mm、車重2,760kgの車体を、静止から時速100キロまでわずか3.7秒で加速させるという性能ぶりだ。もはやかぎりなくスポーツカーに近い。
「Mスポーツブースト」はステアリングホイールの左側のレバーを使う。アクセルを踏み込んでいて(本来は開度も定まっているはず)、それを使うと、トルクが上乗せされる。
従来の最大トルクは1,015Nmだが、Mスポーツブーストを使うあいだは1,100Nmのトルクが得られる。サーキットで走るとき(その勇気があれば)追い抜きで効果を発揮するだろう。
このさきM7というモデルが発表されるかどうか定かでないが、少なくともBMWとチューニングを手がけるMとでは、BEVにおいてこの先どういうモデルを作れば市場に受け入れられるか、ある種の実験をしているのかもしれない。
なにしろ、これまでの50とか60でも充分すぎるほど速い。となると、走行距離を伸ばしたり充電時間を短くすることなどは別として、より強烈な加速性と、ドライビングアシストによる操縦性のさらなる改良が残された分野なのだろうか。
M70の場合、走行距離を伸ばすために「マックスレンジ」なる機能も搭載している。作動させると、パワーを15から20パーセント抑制する。当然トップスピードも落ちる。そのぶん、長い距離を走れるのだ。
充電のための車両の受け入れは、急速充電器を使うばあい、最大195kW。家庭用のAC充電器だと22kWと、本国の資料には記されている。
i7は、このように、BMWの電動化戦略の尖兵として、かなり気合いを入れて開発されたモデルなのだ。
BMW i7 M70 xDrive