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常識を覆す「EQE SUV」のパッケージングとデザインは要注目![メルセデス・ベンツEQE SUV試乗記]


TEXT:西川 淳 PHOTO:小河原 認、メルセデス・ベンツ日本
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上級の存在感と空力をバランスさせる上手さ

年々大きくなるばかりのクルマを小さくすることは、しかしながらとても難しい。BEVだからこそ、という側面はあっただろうが、それでも居住性はもちろんのことデザインやエアロダイナミクスを考えてもそうそう小さくはできないはず。しかもEQE SUVのようにホイールベースを拡大して室内スペースとラゲッジルームを確保しつつ、となればデザイナーの仕事は相当厳しくなるはずだ。

そのことを知って改めてEQE SUVのデザインを見てみれば、非常にバランス良くまとめられていると感心するほかない。サイズが小さくなったことによるネガティブな雰囲気がまるでなく、実際に横で並べて見比べでもしない限りEQS SUVと同様の存在感を放っている。メルセデスはうまいのだ。これまでも上級モデルのイメージを上手に下のクラスへと応用することに長けていた。手慣れている。

特筆すべきは空力スペックだ。CD値はなんと0.25で、「テスラ・モデルX」には僅かに届かないものの数字そのものは「Eクラスクーペ」級である。エアロダイナミクスへのこだわりはハンパなく、シルエットはもちろんのこと、ドアハンドルやミラーの位置、アルミホイールやランニングボードのデザイン、床下のフラット化と各種スポイラーの設置など、涙ぐましいまでの空力向上策が随所に施されている。

インテリアは高級EQシリーズにおける定番イメージでまとめられた。MBUXハイパースクリーンを上級グレードに標準装備するのもこれまで通り。ラゲッジルームの容量は5名乗車時で520リットル。後席シートバック(40:20:40の可倒式)をフォールドして最大1675リットルだ。

Vol.2へ続く

 

メルセデス・ベンツ EQE 350 4MATIC SUV ローンチエディション

全長:4,880mm
全幅:2,030mm
全高:1,670mm
ホイールベース:3,030mm
車両重量:2,630kg
前後重量配分:前1,310kg、後1,320kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:208Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:528km(WLTCモード)
最高出力:215kW(292ps)
最大トルク:765Nm
フロントモーター最高出力:71kW(96ps)/2,682-16,031rpm
フロントモーター最大トルク:251Nm/0-2,682rpm
リヤモーター最高出力:144kW(196ps)/2,662-15,913rpm
リヤモーター最大トルク:514Nm/0-2,662rpm
バッテリー総電力量:89kWh
モーター数:前1基、後1基
トランスミッション:電動パワートレイン eATS
駆動方式:AWD
フロントサスペンション:4リンク式エアサスペンション
リアサスペンション:マルチリンク式エアサスペンション
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後265/40R21
最小回転半径:4.8m
荷室容量:520〜1,675L
車両本体価格:13,697,000円
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