「ゴーカート感覚」を堅持
BEVを含む新型3ドアMINIに関して、ボディサイズなどの詳細なスペックは現時点で明らかにされていない。だが、先に概要が発表された新型カントリーマンが前輪駆動を基本とすることから、従来と同じく前輪駆動を採用するはずだ。四輪駆動を設定するかどうはカントリーマンとの兼ね合いとともに、都市部でのユーザーにとっての電費への配慮などを考慮すれば、設定されるかどうかは微妙といえるだろう。
数少ない公表されたスペックを辿れば、パワーはクーパーEでは135kW(184ps)、クーパーSEでは160kW(217ps)とされている。街中でも味わえるスポーティさを実現しつつ、ギアチェンジのないレスポンスの良さ、そして60年以上続く伝統の「ゴーカート感覚」を備えるとしている。
フロア下に搭載されるリチウムイオン・バッテリーの容量はクーパーEが40.7kWh、クーパーSEは54.2kWhとなり、一充填航続距離は300~400kmとされている。
床面にリチウムイオン・バッテリーを設置することが、MINIにとって有利に働くことは間違いなく、ロードホールディングの向上や低重心化はMINI伝統のキャラクターを形成することに寄与するはず。3ドアゆえのコンパクトさも、「ゴーカート感覚」のハンドリングをアピールするMINIにとって重要といえる。
従来から指摘されてきた、3ドア仕様の数少ない弱点ともいえたキャビンの容量については、リリースでは「4座に充分な」空間を備えつつ、有効な荷室容量を確保するとしている。新型のBEVでは駆動用バッテリーがフロアに組み込まれるので、BEV化の影響は抑えられるということだろう。
ともあれ、エンジン車を含む新型3ドアMINIのラインナップ全体の正式発表が待たれる。2023年11月に「クーパー・エレクトリック」は、「カントリーマン」とともに前述のように独ライプツィヒ工場において生産開始を予定。さらに「ペースマン」の後継車種ともいえるコンセプトカーとして登場した「エースマン」が2024年に加わることで、次期MINIのラインナップが完成するとのことだが、まずは新型の発表を日本市場へのEV導入を願いつつ待つことにしよう。