インテリアは上質かつモダンな雰囲気
素材にもこだわり、インテリアの一部には、ポルトローナ・フラウ製のヌバックを採用。クロムなめしを行わないイタリアの特定のサプライヤーから納入されたものを採用するなど、環境に配慮したものとなっている。
パワートレインには、バッテリーEV方式を採用する。公称値では1充電あたりの航続距離は700km以上、電費は100kmあたり10kWh以下(=10km/kWh以上)とされる。現在、平均的なEVの電費は6km/kWh前後であることを踏まえると、高い水準が追求されていることがうかがえる。ピューラHPEは向こう10年を見据えたコンセプトカーであることから挑戦的な数値が掲げられているということだろう。
なおピューラHPEの発表と同時に、ランチアの電動化戦略についても明らかにされたのでご報告していこう。ランチアは2024年に新型「イプシロン」の発売を予定しており、こちらはハイブリッドとEVの両方が設定されるとのこと(EVのみでなく、ハイブリッドも設定されるようだ)。なお2026年以降に発売するモデルはEVのみとなり、2028年の新型「デルタ」を登場以降はEVのみしか販売しないことを明らかにしている。このほか2026年に全長4.6m前後のフラッグシップを投入予定とされていたが、こちらについては依然として具体的なことは明らかになっていない。
今回発表されたピューラHPEは、ブランドの進む方向を示したもので、市販化が前提のモデルとは異なるが、ここで見られたデザインや世界観は今後登場するモデルにも受け継がれることになる。まずは来年登場予定の次期「イプシロン」に期待したい。
1 2