ニュース
share:

電動化の「発端」となるコンセプトカー プジョーが「インセプション・コンセプト」を発表


TEXT:岩尾 信哉
TAG:

去る1月初旬に米国ラスベガスで開催された「CES2023」に、ステランティス・グループ傘下のプジョーは、電動化技術の将来像を映し出すモデルとして「インセプション・コンセプト(以下、インセプション)」を発表した。ふんだんに先端技術を与えられたこのコンセプトカーは、将来の全モデル電動化を目指すプジョーにとって、「足がかり」としての役割を果たすことになる。

電動化の始まりを示す「INCEPTION」

ネーミングの「INCEPTION」とは「発端」「始まり」を意味する。2023年から新たに始まるプジョーの電動化戦略の「先駆け」といえる、最新技術のショーケースと表現できる。

BEV(バッテリー電気自動車)であるインセプションは、ポルシェ・タイカンなどの高性能EVに採用が進みつつある800Vの高電圧システムと100kWhのバッテリーによって、800kmの航続距離を実現するとされる。前後に備える2基のモーターによる4WDシステムを採用、500kW(680ps)の総合出力から0―100km/h加速は3秒を切るという。

さらに注目すべきは、インセプションに採用された「STLAプラットフォーム」だ。今後ステランティスの14ブランドが共通して利用するBEV用プラットフォームのお披露目となった。

「BEV-by-design」と表現される新設計の電動化プラットフォームは、4種類のサイズ(スモール、ミドル、ラージ、フレーム)の4種類を設定。「STLAフレーム」はフレーム構造のシャシーを意味する。

インセプションに与えられた最新テクノロジーは多岐に亘る。エクステリアから見ていくと、5mの全長と1.34mの低く抑えられた全高を与えられたスタイリングは、いかにも未来的だ。LEDによる表示機能を備えるグリルや前後ヒンジで開閉する「観音開き」のドア構造を採る4シーター・レイアウトは、いかにもコンセプトカー然とした風情を備えている。

インセプションはレベル4(特定区域での車両側のみで走行可能)の自律自動運転を想定している。このため、周囲とのコミュニケーションを図る技術が与えられた。フロントグリルの3D光学表示機能をはじめとして、ボディのサイドバネルにバッテリーの充電量やメッセージなどの表示機能をもつ「テックバー」などを備える。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
「BEVですか?」→「マルチパスウェイです」を徹底するトヨタ! EVにこだわらない姿勢で今後も世界で支持される予感がビンビンに伝わってきた【ジャパンモビリティショー2025】
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
more
コラム
EV時代はブレーキも多様化! 回生に加えて電動キャリパーやMR流体など新技術が続々検討されていた
期待度MAXの国産新型BEV2台! トヨタbZ4Xと日産リーフを比べてみた
EVシフトは先進国よりも新興国で進んでいた! 政府のあと押しによる驚くべき普及率!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
見どころはスーパーワンプロトタイプだけじゃない! 全メーカー中でもっともモビリティショーしていたホンダは陸・海・空に加えて宇宙にも進出か【ジャパンモビリティショー2025】
スーパーオートバックスかしわ沼南に90台のEVとオーナーが集合してゆる〜く懇親! 「EV MEET 2025 AUTUMN」を開催
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択