#音
TEXT:大内明彦
EVで加速したときの「ヒューン」って音はなに? 静粛性がウリなだけに気になるノイズの正体とは

EVのインバーターが独特な音を発する EV(モーターのみの走行時におけるHV)の走行音は、ガソリン/ディーゼルといった内燃機関車に比べるとかなり小さい。キャビン内も、当然、静粛になるのだが、機関から発生する音量レベルが下がることで、今度は別の音(ノイズ)が耳につくようになる。 もっとも気になるのは「ヒューン」という電気モーター周辺から発生する音(ノイズ?)だろう。同じ音でも、聞く人によってノイズ(騒音)か否かは違ってくるが、ノイズとは感じなくても、たとえば音楽(カーオーディオ)のような快適さ、心地よさとは受け止めていないだろう。要は、気になるかならないか、耳につくかつかないかで、極論すれば聞こえなくても影響のない音、といういい方もできるだろう。 EV(電気モーター車両)固有の「ヒューン」というノイズだが、これはインバーターが発する励磁音(れいじおん)と呼ばれるものだ。余談だが、磁励音という表現もあるが、この表現は技術用語として正しくなく、励磁音という表記が正解となる。この励磁音というのは、コイルの鉄芯などの磁性体が、流れた電流の大きさに応じて周辺に発生する磁界が共鳴し、その結果、わずかに膨張、収縮することにより、空気や冷却液を振動させて発生する音のことを指している。 さて、EVのおさらいだが、まず現在使われているモーターの大半が交流(AC)モーターであることを覚えておこう。モーターライズのプラモデルなどで使うモーターは、乾電池(直流)で動く直流(DC)モーターだが、大きな力を発生させるような場合(たとえば電車、EVなど)には、直流モーターより小型・軽量で大きな出力を発生する交流モーターが使われることになる。 しかし、EVの場合、動力電源となるバッテリーが直流であることから、交流モーターをまわすため、直流を交流に変換するインバーターが必要となる。インバーターは、スイッチング作用によって電流のON/OFFを高速で繰り返すが、周波数が低いと人間が聞きやすい帯域の音になり、自然と耳に届くことになる。

TAG: #ノイズ #音
TEXT:まるも亜希子
静かなのがEVのウリじゃなかったの? 疑似エンジン音を響かせるEV2台に乗った結果は……

擬似エンジン音を聴くことができるEVが登場! 純粋なガソリンエンジンの音は、疾走感やエモーショナルな高揚感、自分とクルマとの一体感などを高めてくれるものとして、大きな役割を果たしてくれました。古くから「名機」と愛されたエンジンには、やはりその音が好きだというファンも多かったように思います。 R32こと日産スカイラインGT-Rに搭載されたRB26DETT。究極の自然吸気エンジンとの呼び声高い、ホンダS2000に搭載されたF20C型直列4気筒DOHC・VTEC。世界初の量産ロータリーエンジンの独特な音色が響く、マツダRX-7に搭載の13B-REW型などなど。人それぞれお気に入りの音があることでしょう。 しかし、電動化車両、とくに100%ピュアEVともなると、「静かさ」を魅力のひとつとして強調しているモデルがほとんど。エンジンの音がなくなったことで、風切り音やロードノイズ、モーターの音などが目立つようになり、それさえも室内から排除しようとあの手この手で防音対策が取られています。 そうした音のない世界で「走っている」という実感やリニア感を感じるには、加速Gや減速Gがもっとも大きな要素となっているのではないでしょうか。モーターで無段階にスルスルと加速していくなかでも、自分のペダル操作でそれらのGを作り出し、「自分はいま、このクルマと一緒に走っているんだ」と思い込むことができる環境を作ろうとしているのかもしれません。 そんななか、近ごろではEVなのに擬似エンジン音を聴くことができるモデルが登場しています。しかも、メーカーが率先して音にこだわり、魅力のひとつとして打ち出しているのです。代表的なモデルでは、アバルト500eやヒョンデIONIQ 5 N。 まずアバルト500eは、何も知らずにシステムをONにするとギョッとしてしまうくらい、地響きかと思うようなド派手な音が轟きます。深夜の住宅街や地下駐車場なんかだったら、きっと周囲の目が気になることでしょう。

TAG: #エンジン音 #音

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
レアメタルの資源不足を解決する手段! いま注目を集める「ナトリウムイオン電池」とは?
フェラーリよりもランボよりもポルシェよりも速い! たった13分で1万台が売れた中華SUV「Zeekr 9X」がヤバすぎる
そういえば日産が全固体電池は追浜で作るって発表したけど……追浜工場閉鎖で夢の電池はどうなる?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
電動化時代でもAMGは超弩級マシンでブランドを牽引! ジャパンモビリティショー2025でメルセデス・ベンツが「コンセプトAMG GT XX」をアジア初披露
STIコンセプトとブランド第2弾となるふたつのEVを初披露! ジャパンモビリティショー2025のSUBARUブースは「Performance」と「Adventure」魅力を提案
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択