EVがキャンピングカーのベース車両に選ばれることは少ない 環境に優しいカーボンニュートラルの実現に向け、バッテリーとモーターで100%走るElectric Vehicle(エレクトリック ビークル)モデルが続々と登場しています。事実、国内外の自動車メーカーもEVカーに注力しており、今後、EVキャンピングカーの市場は広がっていくと予想されています。 が、その一方で、二酸化炭素を排出しないEVは、自然を愛するキャンピングカーとは相性バッチリなはずなのに、キャンピングカーのベース車両としていまひとつ、EVに注目が集まらないのはなぜでしょうか? そこで今回は、EVのメリット、注目が集まらない要因となるデメリット、そして将来性について検証してみたいと思います。 EVキャンピングカーのメリット EVキャンピングカーのメリットとして、以下のような点が挙げられます。 ・二酸化炭素排出量が少ない。これは、とくに山や川などの自然のなかで楽しむキャンピングカーには最適だといえます。 ・大容量のバッテリーを搭載しているので、停車中でもクーラーを使用できるなど、従来のキャンピングカーよりも多くの電化製品を使用できる。 ・最近、高騰するガソリンを使用しないので燃料費を抑えやすい。 ・災害時、停電などにより電気が使えなくなった場合に非常電源として活用できる。 EVキャンピングカーのデメリット 車中泊やキャンピングカーの人気が高まるなかで、EVが、そのベース車両としてあまり注目されていない理由はいくつか考えられます。 1)航続距離の問題 キャンピングカーとして使用する場合、クルマ旅の長距離移動が前提となるため、航続距離の短いEVは不安要素になります。 とくにキャンプ地や山間部でエンコした場合、生死にも関わる問題です。とくに、そのようなところでは充電インフラが整っていないことも多く、充電スポット探しがストレスになる可能性があります。現在手に入るEVキャンピングカーの航続距離は270kmと決して満足できる値ではなく、東名高速では東京から浜松くらいまでしか行けません。 2)充電時間の長さ EVの充電には時間がかかります。ガソリン車なら短時間で給油できるのに対し、EVは急速充電でも30分~1時間、普通充電なら数時間以上かかることが一般的です。旅先で充電のたびに約1時間のロスは、クルマ旅スケジュールに悪影響を与えます。 3)車両価格 EVはガソリン車に比べて車両価格が高くなる傾向があります。 とくにキャンピングカーのベース車として考えた場合、製作費用が上乗せされ、トータルコストがさらに膨らむ恐れがあります。たとえば、ガソリン車の軽自動車では、EV軽自動車の価格は約1.5倍になります。
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