#ホイール
TEXT:曽宮 岳大
純正ホイールに変化。MINI(ミニ)が電気自動車に採用したホイールはエコなだけでなく、スタイリッシュで空力にも配慮

自動車に使われる素材に変化が見られつつある。最近では、環境保護の観点から本革不使用をうたうメーカーが出てきたり、リサイクル素材の使用を強化するなど、エコな素材の利用を模索する取り組みが加速している。そうしたなか、BMWグループはMINI(ミニ)の限定の電気自動車「ミニ・クーパーSEコンバーチブル」に、リサイクルアルミで作られたホイールを採用。強度や品質を確保しつつ、CO2排出量を大幅に低減し、さらに空力面にも配慮した革新的なホイールを完成させた。 CO2排出量を最大75%削減 「ミニ・クーパーSEコンバーチブル」に純正採用されるアルミホイールは、リサイクル素材のみで作られている。アルミホイールへの完全リサイクル素材の採用は、量販モデルでは同ブランド初という。なお同ホイールは、アルミホイールメーカー、ロナール(Ronal)とBMWのコラボレーションにより実現したもの。参考までにロナールは現在、アフターマーケット用ホイールとして有名なSPEEDLINE(スピードライン)の供給元でもある。 BMWグループによれば、再生アルミニウムを使用することで、原材料の消費を抑えられるだけでなく、製造工程においてエネルギー消費の大きい電解工程を省けるため、CO2排出量を大幅に抑えられるという。具体的にはアルミニウム1kgあたりのCO2排出量は0.16kg で済み、従来品に比べると工場でのCO2排出量を最大75%削減できるとのこと。 ディスク面に空力デザインを採用 完成したアルミホイールは、デザインも特徴的。4本あるスポークのうちの1本がセンターキャップと繋がった非対称デザインを採用となっており、ミニらしいユニークかつ目を惹くディスク形状となっている。 さらに細かに見ていくと、スポーク間の空間を半分ほど覆うインレイが設けられている点に注目したい。これはホイール内への空気の巻き込みを防ぐことで、空力を向上させるもの。通常のホイールではブレーキの冷却のため、スポーク間の空間を確保したものが一般的だが、ミニ・クーパーSEコンバーチブルはEVゆえ、通常のブレーキ以外に回生ブレーキで制動力を生み出すことができるゆえ、このような特殊なデザインを採用しやすいのかもしれない。

TAG: #MINI #ホイール
TEXT:田中 誠司
BBSが電気自動車をターゲットとした鍛造ホイール専用・新素材合金「フォルテガ」を発表

BBSジャパンは「東京オートサロン2023」で、EVへの装着を前提としたアルミニウム合金系の新素材「フォルテガ」(FORTEGA)を使用する鍛造ホイールのコンセプトモデルを発表した。ポルシェ・タイカンに装着されて登場した新素材の特徴は、高性能EVの要求水準をクリアしつつ軽量化が可能な「強靭さ」だ。 ホイールの軽量化で電力消費大幅低減! BBSといえば、高圧でプレスを施して強い金属組織を作り出す鍛造ホイールが世界的に著名であり、2022年からはF1世界選手権において同社製のマグネシウム合金鍛造ホイールが全チームに独占供給されていることでも知られる。 大容量のバッテリーを搭載したEVは、同じ外寸のガソリン車に比べて20〜30%車体が重くなるケースが珍しくない。さらにEVの中でも高性能なモデルでは、モーターの最大トルクが内燃機関車では到達できないほど高いケースもある。当然、ホイールにかかる荷重も大きくなる。 さらにBBSジャパンの調査では、ホイールの軽量化によって車両の燃費や電力消費を抑えることも可能だという。同社があるBEVで実験したところ、1本当たり16kgの純正ホイールを装着した場合に比べ、1本あたり9kgのBBSホイールを履かせた場合のほうが航続距離が8%も伸びるという結果を得たという。タイヤ+ホイールの慣性重量が減ることで、走行抵抗が低減して加速に伴うエネルギー消費が少なく済み、回生ブレーキの効率も高まるのが原因だろう。 これらの背景から、BBSジャパンでは従来のアルミニウム合金や超超ジュラルミン(アルミニウムを主に亜鉛、マグネシウム、銅を配合)よりさらに強度の高いアルミニウム系合金素材を新開発。「強い合金」という意味合いから「フォルテガ」と名付けた。 フォルテガは特に強度を高めた配合の合金で、詳細までは明らかにされなかったが添加物としてケイ素を多く含むのが特徴だ。主成分であるアルミニウムの間に添加物をうまく散在させることで強度を高めており、従来のアルミ鍛造ホイールと同じ剛性を保ったままで10%の軽量化を図ることが可能になる。開発には約10年をかけたそうで、既存のたとえば航空向け高性能素材を転用するのではなく、BBSジャパンが自動車用ホイールのために独自の配合を編み出した。

TAG: #BBS #ホイール #東京オートサロン2023

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
ハワイでお得にヒョンデ車に乗れる! 「Hyundai Mobility Passport」を開始
初夏の北軽井沢でアウディ最新モデルを堪能! 「あさま空山望」とのコラボキャンペーンは5月20日まで募集中
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
more
コラム
やっぱり日本でEVは需要薄か!? 国産で好調なのは軽EVだけという現実
数字だけ高スペックでも実際の充電は遅い! EVの進化についていけない急速充電器の現状
テスラ・モデルYに600km走れるRWD登場も日本導入はナシの予想! 日本は「ジュニパー」の登場に期待
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択