#パワートレイン
TEXT:TET 編集部
次期ポルシェ・カイエンはフル電動モデルに! 内燃エンジン&ハイブリッドもポルシェは諦めない

フル電動モデルの実走行テストを開始 2024年7月26日、ポルシェはカイエンについて、今後3種類のパワートレインをラインアップすることを発表した。 第4世代のカイエンはフル電動モデルとなる。プロトタイプによる実走行テストはすでに始まっており、発売日までに厳しい条件のもと、数百万キロの走行を行う予定だ。 ポルシェAGのCEO オリバー・ブルーメは、「2025年頃には、第4世代のエレクトリックSUVがこのセグメントのスタンダードになるでしょう」と語っている。 ポルシェはエレクトロモビリティに積極的に取り組んでおり、オリバー・ブルーメによると、「私たちの製品戦略では、顧客の需要や世界の各地域におけるエレクトロモビリティの普及に応じて、2030年には新車の80%以上をフル電動化することが可能となる」という。 ベストセラーモデルであるカイエンの第4世代の導入は、完全な新規開発モデルとして、ポルシェにおけるエレクトロモビリティの拡大に大きく寄与することが目的だ。 カイエンのフル電動モデルは、800Vアーキテクチャを採用したプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)をベースに開発が進められている。 ポルシェAGの研究開発担当役員であるミヒャエル・シュタイナーは、「PPEアーキテクチャの柔軟性により、高電圧システム、パワートレイン、シャシーの各分野における最新技術を統合することができます。私達は、電動化の可能性を活用し、カイエンをさまざまな面、例えば走行性能の面で、まったく新たなレベルに引き上げます」と述べている。 開発目標には、ポルシェの特徴である走行特性に加え、大容量で安定した充電、高効率、そして高いレベルの快適性と日常的な使いやすさが掲げられている。 また、2030年代には、内燃エンジンモデルとハイブリッドモデルをラインアップする予定だという。これらは第3世代のカイエンに改良が施され、第4世代のフル電動化モデルと並行して販売されることになる。 現行カイエンについても今後、多額の技術投資によって開発が進められる予定だ。その中心はV8エンジンの効率向上で、将来の法規制にも対応できるよう技術的対策が施される。

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TEXT:田中 誠司
空飛ぶ絨毯のような加速フィールに驚く[ソルテラ試乗記:その1]

「スバル・ソルテラ」は「トヨタbZ4X」の兄弟モデルである。後者と違いサブスクリプションモデルを利用せず普通に購入できたり、リアシートヒーターがなぜかこちらだけ標準装備だったりはするものの、基本的にはbZ4Xと同一のモデルである。すでに生方 聡さんのbZ4Xの記事が掲載されているので、普段はまだICE(内燃機関)モデルを愛用している筆者なりの見解についてここでは書き記していきたい。 上品なインテリア、無骨なエクステリア 広報車両を受け取ったのは恵比寿のスバル本社ビル地下でのことだった。地下深くから螺旋状の細いスロープを登るにあたり、幅が結構広くて大きな車だという印象を受けた。Aピラーが前方に配置されていてかなり視界から遠いために、距離感が測りにくいのだと思う。コンパクトカーに乗り慣れた人だと戸惑うかもしれない。 インテリアにはダッシュボードの一部にファブリックをあしらっていたり、ダッシュボード中央の大ぶりなモニターがオーソドックスにスクエアな形状だったりする。それ自体は問題ないのだが、特別に高級感を感じさせるわけではないことから、約700万円のクルマとしては平凡すぎるという評価を受けるケースもある。 表面的なデザインの印象や、前述した取り回しの問題はさておき、横幅方向には非常にゆとりがある。運転席と助手席が完全に隔てられているので、パートナーとの関係がうまく保てるのだろうか、と要らぬ心配もしてしまうけれども。 そのようにどちらかというと上品さを強調したインテリアと異なり、エクステリア・デザインはがっしりした印象だ。フェンダーに使った樹脂パネルが多少傷ついても構いやしないといった、ラギッドな印象を与える。Aピラーの下やリアドアのあたりに深いキャラクターラインがあって、その仕上げも高品質だ。素直にカッコいいと言われるデザインであるだろう。 静かで十分に速いパワートレイン 電動パワーユニットから発せられるサウンドは、どんな速度から踏んでいったとしても、昨今の電気自動車の中でもとりわけ穏やかであるように思う。トヨタとスバルの共同開発であるソルテラにおいて、パワートレインはハイブリッド車の分野で実績のあるトヨタが主に担ったと聞いているが、「モーターはとにかく静かであることこそが、ICEと差別化できるセリングポイントなのだ」と、両社は現時点における経験上信じているのではないだろうか。 そのように静かなパワーユニットによって、滑り出しの加速は空飛ぶ絨毯のように軽い。車重とパワーユニットの最高出力から期待されるよりずっと逞しく加速する。ちょっと信号で出遅れたかなと思って深く右足を踏み込めば、優に隣のクルマを追い越してしまい、市街地における制限速度をうっかり超えそうになってしまうほどだ。この常用域におけるスピード感の希薄さはこれでいいのかな、と少し疑問にさえ思う。 加速に伴うノイズがきわめて少ない車内には、大径のタイヤ&ホイールが跳ねる音がたまに聞こえてくることもあるが、日本車ならではの組付け品質の高さもあり基本的にはとても静かで、ハーマンカードンの秀逸なオーディオ・システムに集中して耳を傾けることができる。 市街地における乗り心地については、硬めに作ったほうがいろいろな意味で安全と捉えたのか、基本的にボディの剛性感は高いものの、4輪に入力があるたびにボディがそっくり正直に揺すられる感覚はある。約700万円のクルマであれば、もう少し鷹揚に動いてくれたほうが高級車らしい雰囲気を感じやすい。フードが備わらないメーターは、不思議だけれど昼間でも夜でも一切見にくいとは思わせなかった。 スバル・ソルテラ ET-HS 全長:4,690mm 全幅:1,860mm 全高:1,650mm ホイールベース:2,850mm 車両重量:1,930kg 前後重量配分:前1,110kg、後940kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:148Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:487km 最高出力:160kW(218ps) 最大トルク:338Nm(34.5kgm) バッテリー総電力量:71.40kWh モーター数:前1基、後1基 トランスミッション:1速固定 駆動方式:AWD フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:ダブルウィッシュボーン式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:235/50R20 最小回転半径:5.6m 荷室容量:441L 車体本体価格:6,820,000円    

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TEXT:生方 聡
EQBはIQ高め!? [メルセデス・ベンツEQB試乗記:その3]

2基のモーターにより、215kWのシステム最高出力を発揮する「EQB 350 4MATIC」の走りは? 4MATICがもたらすスムーズな加速 EQBを発進させるまでの手順はエンジン車と同じ。すなわち、ブレーキを踏みながらステアリングコラム左側にあるスタートボタンを押し、そのあと、ステアリングコラム右側から伸びるシフトセレクターで「D」または「R」を選べばいい。準備が整ったところでブレーキペダルから足を離すと、クルマはゆっくりと動き始める。 資料を見ると、EQB 350 4MATICでは、「リアの電気モーターをメインとして、フロントの電気モーターを高負荷時等にサポートとして使う」とある。ダッシュボード中央のメディアディスプレイでエナジーフロー表示を選択すると、前後モーターの動きがわかるので、それを観察しながら走り出すことにした。 軽くアクセルペダルを踏む状況では、EQB 350 4MATICはリアモーターだけでスムーズでストレスのない加速を見せる。街中を穏やかに走るぶんには、リアモーターだけでカバーできてしまうほどだ。そこからさらにアクセルペダルを踏んでいくと、フロントモーターのサポートが加わり、より素早い加速が楽しめる。 高速道路の合流や追い越しといった場面でアクセルペダルをさらに踏み込むと、勢いよくスピードを上げていくのが爽快だ。そんな状況でも、EQBがスムーズさと静かさに加えて、4輪で大トルクを受け止めて安定した加速を続けるのは、4WDを採用するEQB 350 4MATICならではの強みだ。

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