最高出力1,940ps・0-100km/h加速1.8秒・価格約3億1500万円と脅威の数字の羅列 日本初公開となった個体は鬼神的数値と相反する美しい佇まい 【THE 視点】ハイパーカーの輸入・販売を手掛けるビンゴは9月13日、クロアチアのEVメーカー「リマック オートモビリ」の市販モデル「ネヴェーラ」の日本導入を発表した。実車は15日まで「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」<東京都江東区新木場>にて展示した。 このデイリーEVヘッドラインでも伝えてきたハイパーEVが、筆者の想像より早く日本に上陸した[詳細はこちら<click>]。注目の高性能スポーツEVだけに、いち早く現車を確認すべく会場に向かった。 「ネヴェーラ」のスペックは驚異的である。4つのホイールにそれぞれモーターを搭載した4モーターのAWDで、最高出力1,427kW(1,940ps)・最大トルク2,360Nm(240.7kgm)を発生し、最高速は412km/h、0-100km/h加速は1.81秒を誇る。ちなみに展示車のナンバープレートは、そのパワーにちなんだ「1400KW」が刻印されていた。 最大容量120kWhバッテリーを搭載し、航続距離は490km(WLTP)。ボディサイズは4,750×1,986×1,208mmでホイールベースは2,745mm、車両重量は2,300kg。生産台数は150台で、価格は200万ユーロ(約3億1,500万円)からとなっている。日本でのデリバリーは2024年第三四半期以降になるとのこと。 日本初上陸となったマシンは、地中海に面したクロアチアらしさを感じる個体だった。0-100km/h加速はマッスルカーも裸足で逃げ出すような鬼神的な数字を叩き出しながらも、ボディと内装はその数値と相反するように美しい。 筆者の勝手な印象だが、クロアチアの「アドリア海の真珠」と称される港町「ドゥブロヴニク」を彷彿とさせるカラーを纏っている。外装はアドリアブルー(勝手に令名)をまとい、内装はレンガ作りの建物を彷彿とさせるベージュの内装。“クロアチアの誇り”と言わんばかりの佇まいである。 コクピットに座ることができたが、車内にある3つのディスプレイは、ボディカラーと同じアドリアブルーに発色され、とてもエレガントにも感じた。 この個体は、関東にも台風が上陸した9月8日に日本に空輸され、それからデパートでの内覧会を経て13日〜15日まで一般公開された。一種の「デモカー」のような個体だという。 海外の試乗会ですでに約3万km走行し、展示後は「モビリティリゾートもてぎ」で、購入希望者向けの試乗会を行ったようだ。日本で既に数台のオーダーが入っているという。来年後半には、公道でも見られるかもしれない。 なお、「ネヴェーラ」の詳細は別項を立ててリポートしたい。また、本媒体のスタッフが、「もてぎ」の試乗会で、実際にに同乗することができたようだ。そちらのレポートもお待ちいただきたい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アイシン、EV関連事業に5,000億円を投資 ……9月14日に開催した「中長期事業戦略説明会」で、今後3年間で5,000億円を投資しEVなどへの対応を加速すると発表した。2027年に第3世代の「eアクスル」を投入するという。 ★★ジャガー、エンジン車の受注を今年末で終了 ……「F-タイプ」「XE」「XF」「XFスポーツブレイク」の生産を2024年モデルをもって終了する。「F-タイプ」は11月21日(火)、他3車種は12月19日(火)をもって受注も終了するとのこと。2025年以降はピュアEVのみを扱うブランドとなる。 ★★ルノー、商用車「トラフィック」のEVを発表 ……新型商用EV「トラフィック・バン・E-テック・エレクトリック」を本国で発表した。最高出力90kW(122ps)・最大トルク245Nm(25.9kgm)で、航続距離は297km(WLTP値)。最高速度を90km/hに抑えたロングレンジ(322km)モデルも用意するという。 ★★AESC、バッテリーのマザー工場を茨城県茨城町に竣工 ……年間6GWhの生産能力を持つ工場で、従来品に比べてエネルギー密度を1.3倍、充電速度を35%短縮した次世代バッテリーの生産を2024年3月から開始するという。 ★スズキとパナソニックが電動車を共同開発 ……スズキとパナソニック サイクルテックが、電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新型電動モビリティの共同開発に合意した。スズキが企画・実験と担当し、パナソニックが試作車の製作・駆動ユニットの提供を行なうという。 ★ホンダ、「モトコンポ」が復活 ……折りたたみのユニークなスクーター「モトコンポ」の後継となる新型EVスクーター「モトコンパクト」をアメリカで発表した。価格は1,000ドル(約14万8,000円)未満だという。 ★ZF、EVバス向けのモジュラー型ドライブユニットを発表 ……最高出力380kW(517ps)で3速のギアボックスを内蔵したユニット。急坂に対応し航続距離の延伸も期待できる。ユニット自体も小型なため、フルフラットの車内設計がしやすくなる。 ★ポルシェ、「タイカン」がEVの最大高度変化の新記録を樹立 ……「タイカン4・クロスツーリスモ」が、中国にある海抜マイナス218.845mのアイディン湖から、標高5,355.134mチベット・ホントゥダバン山の登山に成功し、ギネス記録を打ち立てたという。 ★エネチェンジ、病院へのEV用充電器の導入を推進 ……医療品物流のアルフレッサと協業し、同社の持つ医療機関ネットワークにEV用充電器の設置を進めるという。 ★新電元、商用EV向け急速充電器を改良 ……最高出力50kWの「SDQCシリーズ」を13年ぶりに改良。「SDQC2F50」として11月より発売する。課金決済をしないスタンドアロンタイプで、長時間の使用が可能。 ★プラゴ、EV充電ステーション事業推進のために新たに資金調達 ……日本政策金融公庫・新宿支店/三井住友銀行/りそな銀行・池袋支店から新たに協調融資を受けた。累計の調達額は13億1,700万円となった。 ★東京ガス、相模大野のマンションにEV用充電器を大量導入 ……野村不動産管理の新築分譲マンション「プラウドタワー相模大野クロス」<神奈川県相模原市南区>に、東京ガスのEV充電サービス「イーブイレスト」の導入が決定した。物件の平置き駐車場の全207区画に設置される。 ★京都のアパートメントホテルがEV用充電器を導入 ……全16室の高級アパートメントホテル「ホテルマステイ神宮道」<京都市東山区>に、テラモーターズのEV用充電設備「テラチャージ」を3基導入した。最高出力3kWの普通充電タイプとなる。 ★神戸市で自動運転小型EVバス「ミカ」の一般試乗会を開催 …神戸市の須磨海岸で9月23日(土)〜29日(金)まで開催する。走行区間は須磨海岸内管理用通路(JR須磨駅〜願いの椰子の木)で、運賃は無料。小型EVバス「ミカ」はエストニア製の車両で定員は8名。自動運転レベル4に対応している。 ★日産、「アリア」の駆動システムがアメリカで受賞 ……電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」が、アメリカの自動車媒体ワーズ社の「10ベストエンジン&推進システム」に選出されたという。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.19]