#コスト
TEXT:山本晋也
EV乗りだけが知ってる日々の生活での「お得感」! エンジン車じゃ味わえない幸せ3つ

EVに乗って得したこと 筆者は2010年代からEVに乗っている。途中、住居の関係でエンジン車をメインで利用していた時期もあったが、いまは自宅や職場に普通充電設備が整っていることもあり、日常使いはEVが担っている。そんな筆者が「EVに乗り換えてトクした意外なこと」をお伝えしよう。 クルマ好きであれば「EVでオトクになる」と聞いて、新車購入時に数十万円の補助金が給付されることを想像するかもしれない。また、自動車税の割引や、車検時に収める自動車重量税の免税といった税制優遇もご存じだろう。しかし、ここで紹介するのは、そうした誰もが知っているランニングコストを抑えられるという話ではなく、筆者の実体験に基づいた、想定外にオトクと感じた3つのエピソードだ。 まずは「買い物の交通費が実質無料になる」というテーマからお伝えしたい。 郊外型の大型ショッピングモールは、クルマでの来客を前提に広大な無料駐車場を備えていることが多い。駐車料金がかからなければ、交通費は無料と感じてしまうが、よくよく考えてみると、自宅からショッピングモールに行くまでの燃料代はユーザーの負担となっている。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれないが、EVオーナーになるとその認識が変わるのだ。 なぜなら、一部のショッピングモールなどには無料の普通充電サービスが備わっていることがあるから。とはいえ、たいていは3kW級の普通充電なので、1時間つないでいても3kWh相当の充電しかできないが、実際に利用すると十分に役立つ充電量であると感じる。 たとえば、筆者の乗っているフィアット500eの場合、渋滞などにハマらないときの街乗り電費は10km/kWhを超えてくるし、冷暖房を使わない時期であれば8km/kWh前後の電費で走行できる。 3kWhの電力量というのは24~30km走行分に相当する。あくまで筆者の生活圏の話になるが、これだけ充電できれば自宅とショッピングモールを往復するときに消費した電力をカバーできる。つまり無料で買い物に行けることになる。 ただ、30km程度であれば燃費のよいハイブリッドカーだと、1リットルくらいのガソリンで走れる距離といえるため、金銭的には大したことがないと感じるかもしれない。それでも、「買い物の交通費がタダになる」という感覚は、そのショッピングモールを利用するインセンティブになる。だからお店は無料充電設備を用意するのだろうし、無料充電につられているのはお店側の術中にハマっているのかもしれないが……。

TAG: #EV #カーライフ #コスト
TEXT:渡辺陽一郎
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた

同じメーカーの似た車種でコストに違いは出るか 電気自動車は果たしてトクなのか? 走行に要するコストを含めて、維持費をノーマルエンジン車と比べてみたい。 電気自動車は日産サクラを取り上げる。サクラは2025年上半期(1〜6月)に、国内で販売された電気自動車の30%以上を占めた人気車だ。 ノーマルエンジンの比較相手は、本稿執筆時点でルークスのフルモデルチェンジが予定されているとのことで、同じ日産のデイズとする。プラットフォームはサクラと共通だ。サクラ(X)の価格は259万9300円と高いが、国から交付される補助金額の57万4000円を差し引くと、実質価格は202万5300円に下がる。これに近い価格のデイズには、ハイウェイスター(Gターボプロパイロットエディション)があり192万9400円だ。 購入時に納める環境性能割や自動車重量税は、サクラでは課税されない。軽自動車では、軽自動車税も購入の翌年度に支払うから、購入時には納めないことになる。 デイズハイウェイスター(Gターボプロパイロットエディション)は、環境性能割と自動車重量税を合計すると4万1400円になる。サクラと違ってこの金額を購入時に納める。自賠責保険料は、両車とも3年分で2万4010円だから等しい。 電気代/燃料代はどうか。サクラは駆動用電池の総電力量が20kWhで、WLTCモードにより180kmを走行できる。たとえば東京電力のスタンダードプランの場合、1kWh当たり電力料金は35円前後だから、満充電の20kWhに要する電気料金は約700円だ。この金額で180kmを走れるから、1km当たりの電気代は約3.9円になる。 デイズハイウェイスター(Gターボプロパイロットエディション)は、WLTCモード燃費が21.5km/Lだ。レギュラーガソリン価格が1リットル当たり170円とすれば、1km当たりの走行コストは7.9円になる。 1年間に1万kmを走ると、サクラの電気代は約3万9000円、デイズのガソリン代は約7万9000円だ。サクラの走行コストは、デイズの約半額に収まる。サクラの充電に夜間電力を使ったりすれば、走行コストをさらに抑えられる。 数年間使ったあとに、売却する時の金額はどうか。これは残価設定ローンの5年後の残価(残存価値)をベースに考えたい。サクラ(X)で5年間の残価設定ローンを組んだ場合、5年後の残価は85万7000円だ。デイズハイウェイスター(Gターボプロパイロットエディション)は75万2000円だから、サクラXが少し高い。 残価設定ローンの残価は、車種によっては、販売促進を目的に高く設定する。従って残価設定ローンの残価がそのまま数年後の売却額に相当するとは限らないが、少なくともサクラは、デイズに比べて大幅に不利にはならないだろう。 ただし先に述べたとおり、サクラは電気自動車だから補助金が交付される。今後、補助金額の57万4000円が交付されない状態になると、損得勘定も大きく変わる。電気自動車は徐々に価格を下げる必要があるわけだ。

TAG: #EV #ガソリン車 #コスト
TEXT:渡辺陽一郎
ガソリン代高騰のいま「コストでEV」を選ぶのはアリ! EVはどこまで安く乗れるのか計算してみた

EVは走行コストに優れる 電気料金にはさまざまなプランがある。電気自動車の保有に有利な夜間(午後9時から翌日の午前9時までなど)の電力料金を割安にしたプランもあるが、東京電力の従量電灯BやCなどの一般的な価格は、1kWh当たり約30円といった設定だ。 日産リーフの場合、駆動用リチウムイオン電池の容量には、40kWhと60kWhがある。40kWh仕様の場合、満充電にすると電気代は約1200円だ。40kWhで走行できる距離は、WLTCモードで322kmになる。そうなると1km走行当たりのコストは3.7円だ。 ちなみにハイブリッドのトヨタ・プリウスGやZは、WLTCモード燃費が28.6km/Lになる。レギュラーガソリン価格が1リッター当たり170円とすれば、1km当たりの走行コストは5.9円だ。 トヨタ・ヤリスハイブリッドXは、WLTCモード燃費が36km/L。レギュラーガソリン価格が1リッター当たり170円なら、1km当たりの走行コストは4.7円に収まる。 ヤリスハイブリッドの走行コストは、リーフの3.7円に近いが、それでも安くはならない。ヤリスハイブリッドの走行コストがリーフを下まわるには、レギュラーガソリン価格が以前のように1リッター当たり130円程度まで値下げされることが条件だ。 このように、電気自動車の走行コストは、燃費効率の優れたハイブリッドと比べても安い。ガソリン価格が高騰する昨今では、ハイブリッドに対してさらに差を付けている。

TAG: #コスト #充電 #充電器

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