#自動運転
TEXT:TET 編集部
世界初の自動運転EVバスが2台定常運行! マクニカが常陸太田市に新たな路線バスを投入

マクニカ「evefleet」とNavya「EVO」が地域交通の未来を創造する 茨城県常陸太田市で、マクニカが提供する特定環境下でレベル4に対応した自動運転EVバス「Navya EVO」が、世界初となる2台定常運行が2025年2月18日からスタートしている。 常陸太田市ではこれまでにも、同市の中心市街地「東部地区」における多様な移動ニーズへの対応、環境に配慮した交通システムの構築、次世代技術との融合による魅力ある街づくりの一環として、マクニカなど関係各社と連携し、自動運転EVバスの実証実験(2023年2月)や、Navya社製自動運転EVバス「EVO」の自動運転レベル2での定常運行(2024年2月から1年間)を行なってきた実績がある。   「じょっピー」の愛称で親しまれる自動運転EVバスの定常運転開始から1年が経過し、市民から要望の多かった常陸太田駅と鯨ヶ丘方面に新しいバス停を追加。さらに2台目の自動運転EVバスを追加し、2台を公道で定常運行させる世界初の取り組みを行うことで、走行ルートと距離を拡大し、市民の交通利便性を向上させる。 なお、2台のバスの位置情報や車内の混雑具合、バス停周辺の店舗情報などは「常陸太田デジタルマップ」で一元的に可視化され、常陸太田市の行政情報アプリ「じょうづるさんナビ」を通して市民に提供される。 それらの情報や運行管理には、マクニカの「everfleet」という遠隔運行管理システムが活用されており、リアルタイムで車両データや走行状況がモニタリングされている。これにより、安全性と効率的な運行が確保され、将来的には自動運転レベル4の運行(現状ではレベル2での運行)を目指す。 また、この取り組みは持続可能な街づくりの構築に貢献するため、他の自治体への自動運転EVバス導入にもつながることをマクニカは期待している。 常陸太田市での運行は1日6便、南まわりと北まわりでそれぞれ3便ずつが運行され、乗車は予約なしで無料で利用することができる。 使用される自動運転EVバス「EVO」のボディサイズは、全長4780mm、全幅2100mm、全高2670mmとコンパクトで、最大速度は18km/h(運行時は平均速度15km/h程度)、乗客人数は最大9名となっている。1回の充電で約100km走ることができ、緊急時にはオペレーターが手動で介入できる仕組みを採用している。 マクニカの「evefleet」とNavyaの「EVO」の組み合わせにより、安全を確保しながら自動運転バスの運用を高度に効率化し、運行にかかる人員を削減しつつ増便につなげられる可能性がある。市民の足を確保したいものの、バス運転手不足が叫ばれる現代社会において、自動運転バスの複数台同時運行実現は救いの一手であり、今後のさらなる開発に期待したい。

TAG: #EVバス #マクニカ #交通インフラ #自動運転
TEXT:高橋 優
BYDが全車に「神の眼」を搭載! 高度な自動運転システムを積んでも「値上げゼロ」でさらなる普及を狙う!!

すべてのモデルに「God’s Eye」を標準搭載 中国BYDが自動運転に関する最新テクノロジーを発表しました。最安モデルのシーガルを含めて、一切の値上げをせずに自動運転システムを搭載することで、新たな値下げ戦争の火蓋が切って落とされたという最新動向を解説します。 まず、BYDは「God’s Eye」と名付けられた独自の自動運転システムを一部モデルに搭載し、高速道路から市街地におけるハイエンドADASを展開中でした。ところがBYDは今回、優れたテクノロジーは誰もが利用できるべきだと主張して、発売するすべてのモデルに対してGod’s Eyeシステムを搭載する方針を表明。その発表会が開催された2月10日の即日中に、2025年モデルとして、God’s Eyeシステムを標準搭載するモデルチェンジを実施しました。 とくに驚くべき点が、すべてのモデルでGod’s Eyeシステムを標準装備してきているという点です。要するにGod’s Eyeシステムぶんだけ実質的な値下げが行われたといえます。 God’s Eyeシステムについて、現在日本国内で発売されているAtto 3、ドルフィン、シールに搭載されているのはDiPilotと名付けられたレベル2のADAS。つまり、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープです。他方でGod’s Eyeシステムは、いわゆるレベル2+といわれており、3つのグレードに分類されています。 まず、God’s Eye Cについて、3眼カメラを含む12のカメラ、5つのレーダー、12の超音波センサーを含めた、合計29ものADAS用センサーとともに、プロセスノード6ナノの、演算能力84TOPSを実現するNvidia Drive Orin N、もしくは128TOPSを実現するHorizon RoboticsのJourney 6 MというADAS用プロセッサーで構成。これまでのDiPilotにおけるレベル2 ADASに加えて、高速道路や自動車専用道路上における追い越しや分岐、カラーコーンなどの障害物への回避挙動にも対応。これは一般的にHighway Navigation On Autopilot(ハイウェイNOA)と呼ばれています。 また、God’s Eye Cでは、ハイウェイNOAに加えて、そのADAS用カメラを使用してセントリーモードも実装。さらに、高度駐車機能として、たとえば駐車位置を指定したらドライバーはクルマを降りて自動で駐車してくれる機能も実装されています。 次に、これまではDiPilot 300といわれていたGod’s Eye Bについて、12のカメラ、5つのレーダー、12の超音波センサーに加えて、ひとつもしくはふたつのLiDARを搭載。さらに、Nvidia Drive Orin Xプロセッサーをひとつ搭載することで演算能力は254TOPSを実現します。よって、God’s Eye CのADAS性能に加えて、市街地における信号対応や右左折、ラウンドアバウトや横断歩道などにおける歩行者対応などという、City Navigation On Autopilot(シティNOA)に対応しています。おもにDenzaブランドの全モデルと、BYDブランドのSeal、Sea Lion 7、Han、およびTangという上級モデルに採用されます。 そして、DiPilot 600と名付けられていたGod’s Eye Aについて、God’s Eye Bと比較してさらにLiDARを追加して合計3つ搭載。さらにNvidia Drive Orin Xプロセッサーをふたつ搭載することで演算能力は508TOPSに到達。ハイエンドブランドのYangwangの全モデルで採用されています。

TAG: #ADAS #自動運転
TEXT:TET 編集部
ヒョンデとウェイモが複数年のパートナーシップを締結 自動運転タクシー「ウェイモ ワン」の普及に大きく前進

自動運転タクシーのベースは「IONIQ 5」 スマートモビリティ・ソリューション・カンパニーへの転換を加速させている「Hyundai(ヒョンデ)」と、自動運転技術のパイオニアである「Waymo(ウェイモ)」が、複数年にわたる戦略的パートナーシップの締結を発表した。 ウェイモは2009年にGoogleのSelf-Driving Car Projectとしてスタートして以来、「もっとも信頼されるドライバーになること」をミッションとして自動運転技術を開発し、提供している企業だ。これまで米国の13以上の州において、公道で数千マイル、シミュレーションでは数百億マイルの自律走行を行い、技術の蓄積を図ってきている。 今回のパートナーシップにより、ウェイモが開発した第6世代の完全自動運転技術「Waymo Driver(ウェイモ・ドライバー)」を、ヒョンデのSUVタイプの電気自動車 「IONIQ (アイオニック)5」に統合する。そして、完成した車両はウェイモが世界で初めて実現させた完全自動運転による配車サービス、すなわち自動運転タクシーの「Waymo One(ウェイモ ワン)」として順次運用される予定だという。 ウェイモの自動運転タクシー用「アイオニック 5」は、ジョージア州に新たに建設されたHyundai Motor Group Metaplant America(HMGMA)のEV製造施設で組み立てられた後、ウェイモの自動運転技術が統合される。この「アイオニック 5」は、ウェイモの冗長ハードウェアや電動ドアなど、自動運転に対応するため一部改良が施された車両になるという。 両社は「ウェイモ ワン」の規模拡大をサポートするため、ウェイモの技術を搭載した「アイオニック 5」を複数年にわたって大量に生産することを計画している。初回の路上テストは2025年後半までに開始する計画で、その後の数年で自動運転タクシー「ウェイモ ワン」として利用できるようになることが目標だ。

TAG: #ウェイモ #ヒョンデ #ロボタクシー #自動運転
TEXT:TET 編集部
「HANEDA INNOVATION CITY」で自動運転EV「MiCa」の通年運行を開始

「ARMA」に続く2車種目の導入 2023年12月25日、羽田みらい開発とソフトバンクの子会社であるBOLDLYは、羽田空港(東京国際空港)に隣接した大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」で自動運転EV「MiCa(ミカ)」1台の通年運行を開始。これにより、「ARMA」と合わせて2車種の自動運転EVがHICityで運行することになった。 「MiCa」は1日計12便、HICity内の1周約1.2kmのルートを運行し、HICityで働く人や来訪者の移動手段として活用される。ルート上には、HICityの玄関口となる天空橋駅付近にアクセスしやすいバス停「ZONE B」を新設し、計3カ所のバス停を設置。 「MiCa」は、自動運転レベル4での走行を見据えて障害物回避機能を搭載しており、ルート上に駐車車両などの障害物があった場合には、一定の範囲内で障害物を自動で避けて走行することができる。 なお、BOLDLYは国内唯一の「MiCa」の販売代理店として「MiCa」を販売するほか、運行などに関する企画立案、車両の走行設定、BOLDLYが開発・提供する運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を用いた運行体制の構築などを行った。 羽田みらい開発とBOLDLYは、2020年9月18日にHICity内において、自動運転車両を遠隔地で管理・監視できるBOLDLYの運行管理システム「Dispatcher」を活用して、国内で初めて自動運転バス「ARMA」の通年運行を実現。これまでに1万2000便以上を運行し、自動運転バスの乗車人数として国内最多となる6万3000人以上の乗車実績がある。 羽田みらい開発とBOLDLYはHICity内で「MiCa」の通年運行を開始することで、乗客へ新たな移動サービスを提供するとともに、羽田空港を含むルートでの自動運転レベル4の運行を目指す。

TAG: #MiCa #自動運転
トロント・ピアソン空港でテストしたEVのAWV(photo=アメリカン・ホンダモーター)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
“農道のフェラーリ”が空港内を疾走⁉︎……米ホンダ、EVの自立作業車を現場でテスト[2023.10.25]

農道のフェラーリこと「アクティ」を自動運転作業車に流用 小型の地上作業車のEV化で航空業界の脱炭素化推進に期待 【THE 視点】本田技研工業は、EVの自立作業車(AWV)のプロトタイプを、カナダ・トロント・ピアソン空港でテストしたと発表した。AWVを使用することで、空港の人員不足を補いCO2の削減にも寄与できるなど、空港作業車の新たな姿を示す。 AWVは、汎用型の作業車となる。車両にはGPSをはじめセンサーやカメラなどが備わり、設定されたルートを自立的に動くことができる。汎用型となっているのも特徴で、フェンスや敷地内の点検作業/敷地内の芝刈り/異物除去/荷物の運搬/タグカーの牽引といった作業に対応できる。 実際にフェンスの点検作業では、設定された検査ルートをその通りに走行ができた。カメラやセンサーの感度も良好で、障害物や他の車両を正しく検知し、回避/減速/停止が問題なくできたようだ。輸送作業でも、指定した位置の数cmに位置を合わせて停止できたとのこと。 このAWVの諸元は、長さ2,900×幅1,200×高さ1,400mm程度で、重量は約400kg、最大牽引能力は750kgで航続距離は45kmと発表されている。 公開された写真を確認すると、ホンダの軽トラック「アクティ・トラック」のパーツが使用されていることが分かる。フロントフェイスはカメラやレーダーといった検知機器が搭載されているため専用設計となっているが、荷台部分は「アクティ・トラック」そのものので、特に荷台のあおりやテールランプは完全流用だ。 自動運転でハンドルも必要ないことから、「アクティ・トラック」をベースにEV化し自動運転対応にしたものと思われる。残念ながら生産終了となってしまった軽トラックだが、遠くカナダの地で元気に活躍していることは感慨深い。 空港も脱炭素化が課題となっている。航空機の燃料にバイオマスや廃油由来の燃料「SAF」が用いられることが決定しているが、地上車両も脱炭素化を進めなければならない。 地上車両の多くはディーゼルエンジンで動いているためSAFを流用することも可能であろうが、小型車両は電動化した方が効率が良いかもしれない。移動距離も限られていることから、バッテリー切れの心配も少なくて済む。それこそタグカーには、着脱・交換式バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」を活用できるはずだ。そこに自動運転技術も応用できれば人員不足の解消にもつながろう。 ホンダは、今後も開発を継続するためのパートナーを引き続き探しているという。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★三菱、ルノーグループのEV新会社に出資 ……ルノーグループが設立するEV&ソフトウェアの新会社アンペアへの出資を決定した。出資額は最大2億ユーロ(約320億円)。EVモデルの開発とラインアップの拡充を目指スト同時に、アンペアからのOEM供給も受ける予定。 ★★ステランティス、傘下ブランドに展開する商用EVバンを発表 ……傘下のブランドに展開する第2世代の商用EVバンを公開した。小型から大型までを用意し、大型の最高クラスには110kWhのバッテリーを搭載。最大420kmの航続距離となる。充電は最高出力150kWの急速充電に対応する。このEVバンは「フィアット・デュカト」「プジョー・E-パートナー」「ラム・プロマスターEV」などとして各ブランドから販売される。 ★★メルセデス・ベンツ、「EQA」と「EQB」の2024年型を欧州で発売 ……「EQA」は5万777.30ユーロ(約810万円)、「EQB」は5万3,514.30ユーロ(約850万円)から。購入後にワイヤレスで機能を強化することも可能だという。 ★伊藤忠・日立建機、欧州の建設現場の充電設備を整備へ ……建設現場向け可搬式充電設備事業について、伊藤忠商事/日立建機/Alfen B.V(オランダ)の3社は協業の覚書を締結した。EVの建設機械の販売や、可搬式充電設備のリユース・リサイクルといったビジネスモデルを検討していくという。 ★ジャガー・ランドローバー、EVのテストセンターを開設 ……イギリス・コヴェントリーのホイットリーにあるエンジニアリングセンターにEVのテストセンター「フューチャー・エナジー・ラボ」を開設した。次世代の「ランドローバー・ディフェンダー」「ディスカバリー」や、ジャガー用の電動ドライブユニットの開発を行なうという。 ★イベント「アバルト・デイ2023」の日程が発表 ……アバルトのオーナー向けイベント「アバルト・デイ2023」が11月18日(土)に開催される。場所はバイカーズパラダイス南箱根(静岡県田方郡函南町桑原1546-2)。EVのホットハッチ「アバルト500e」も展示されるとのこと。 ★「大阪・関西万博」仕様のEVバスが「JMS」に登場 ……EVモーターズ・ジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)に出展する。「大阪・関西万博」に導入するEVの大型路線バス「F8シリーズ2-シティバス」を万博のラッピングありで展示する。 ★ブレイズ、外国人留学生に電動キックボードの安全を啓発 ……愛知県中村警察署が開催した「愛知大学留学生等に対する電動キックボード講習会」(10月20日開催)に参画。ブレイズの電動キックボード「きっこボードEV」を貸与したという。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.25]

TAG: #THE視点 #はたらくEV #自動運転
福井県永平寺町の自動運転レベル4で使用するヤマハ製EV。筆者撮影
TEXT:桃田 健史
福井県永平寺町の自動運転レベル4・EVが、岸田総理の視察を受けて全国から再注目

国は自動運転で、運転席に人がいない実質的な完全自動運転である自動運転レベル4の社会実装に向けた動きを加速させている。2023年9月中旬には、国が自動運転レベル4で高速道路での専用道の設定に加えて、一般道でも自動運転専用道を設置を検討していることについて報道があったばかりだ。そうした自動運転レベル4で先進的な試みを行っている福井県永平寺町を取材した。 遊歩道「参ロード」を使って走行 永平寺町の自動運転レベル4・EVが走行するのは、曹洞宗の大本山永平寺に近い2kmのコース。 ここは以前、鉄道が走っていたが現在では町の遊歩道「参ロード(まいろーど)」になっている場所だ。 参ロードの地中に電気を通す配線を埋設し、そこで発生する磁力を車体側が検知しながら走行する、電磁誘導線を使った自動運転システムである。 こうした自動運転はすでに、全国各地のゴルフ場で普及しており、永平寺町で使う自動運転EVもそうしたヤマハ製の市販品をベースに改良されたものだ。 走行機能に係わる車両スペックを見てみる。 まず、EVとしての駆動システムは鉛蓄電池を採用して後輪を動かす。充電は200V電源から行っている。 走行する様子は、まさにゴルフ場の自動カートであり、実際に試乗していてもゴルフ場カートと大きな違いは感じない。

TAG: #ヤマハ #レベル4 #福井県永平寺町 #自動運転
HWエレクトロとメディロム・マザーラボが協業(photo=HWエレクトロ)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
運転者の体調急変時に自動運転……HWエレクトロとメディロムが緊急停車システムを共同開発[2023.08.25]

マザーラボのウェアラブル端末でドライバーの体調を常時モニタリング 運行管理側もバイタルデータをリアルタイムに把握可能 【THE 視点】HW エレクトロは8月17日、メディロム・マザーラボ(ヘルステック事業のメディロムの子会社)と事業提携を発表した。ドライバーの体調急変時の緊急自動運転(半自動運転)システムの共同開発を行なう。 HWエレクトロの独自のコネクテッドサービス「HWエレクトロ・プラットフォーム・サービス」と、マザーラボが開発する充電不要のスマートトラッカー「マザー・ブレスレット」が取得するバイタルデータを連携させることで、運転者のバイタルデータに異変を検知した際に自動運転に切り替え、周囲の車両にアラートを発信しながら路肩に自動停車するシステムを目指す。 運転者のバイタルデータを自動で取得する「マザー・ゲートウェイ」を「エレモ」シリーズに搭載し、運転者の走行中のバイタルデータが可視化できる状態も同時に構築する。バイタルデータを「HWエレクトロ・プラット・フォーム」上で表示することで、事業者・運行管理側もリアルタイムで運転者の健康状態を確認できるようになる。 昨今、ドライバーの高齢化に加えて人員不足による業務過多によって引き起こされる睡眠不足・健康上の理由による事故が問題視されており、データを元にした半自動運転のシステム共同開発の実施を通じ、交通事故抑制等の社会問題解決にも貢献していくという。 HWエレクトロのモデルは完全EVなので、電気回路を元にする自動運転システムとの相性は良い。車両に大きな改造を施さずに済むので、緊急自動運転システムの搭載も、内燃エンジン車に比べて容易にできるものと推測する。 Apple Watchなどもそうだが、時計を兼ねた小型デバイスの進化はものすごく、装着するだけで活動量の計測が自動で行われる。心電図の計測も可能になり、波形の異常を感知した際には自動で通報もしてくれる。 ユーザー側からすれば、普段の時計を装着していることと変わらないので、特殊な機器を体につけているとは感じない。マザーラボのデバイスも同様ではないだろうか。今回の発表・開発はCASE時代だからこそ可能なものだろう。 今回の取り組みは、ぜひ他の電動モビリティメーカーも見習ってほしい。例えばバスである。 現在、バスにはドライバーの体調変化が起きた緊急時に、「車両がドライバーに警告を発し、それでもドライバーに反応がなければ自動停車する機能」と、「乗客が異常を感じた際に操作する緊急停止ボタン」が装備されている。しかし、いずれも人間の操作を待つものなので、切羽詰まった緊急時の対応は遅くなる。ハンドル支援機能もないため、ガードレールなどへの接触も避けられないだろう。 しかしこのシステムであれば、二次的な接触事故も減らせるのではないだろうか。大勢の命を預かる車両にこそ、このシステムは欲しいものだ。 ともあれ、既存のプレイヤー同士がそれぞれの強みを生かして安心安全な技術が生まれるのは大変良い取り組みである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ボルボ、EVの小型SUV「EX30」を日本にて発表……300台限定のサブスクリプション車を導入[詳細はこちら<click>] ★★ボルボ、EVの新型MPV「EM90」を11月12日ワールドプレミア……第1弾のティザーを公開、7人乗りのミニバンか ★★ステランティス、アメリカ全土のディーラーにEV用充電器を設置……電装企業のAGIと契約、2,600ヵ所以上に導入 ★ジャガー・ランドローバー、イングランドのウェスト・ミドランズにて300人を新規雇用……EVのテストとメンテナンスのためのエンジニアを確保 ★ジャガー・ランドローバー、EVのバッテリーを活用した蓄電システムを開発……「I-ペイス」のバッテリーを活用、太陽光発電と風力発電に活用 ★空飛ぶクルマのASKA、空陸両用EV「A5」の実機を「モントレー・カー・ウィーク」に出展……公道を実装するデモも実施[詳細はこちら<click>] ★モーションとプラゴ、EV導入・運用プランニングサービスを開始……複数のEVを運用する地自体・事業者向けに ★ハウスプロデュース、事業者向けソーラーカーポートの設置相談受付を開始……EV用充電器との接続も可能 ★折りたたみ型EVバイクのシェアロ、宮崎市の大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」にレンタルステーションを設置……宿泊施設内に2ヵ所、計26台を導入 ★ドイツの電動モーター企業ディープドライブ、「ダブルローター・ラジアルフロー・セントラルモーター」を開発……軸を本体中央に通し直接駆動する小型・パワフルなユニット ★川崎市、電気の地産地消・余剰電力の活用を目指した企業「川崎未来エナジー株式会社」を設立……東急/東急パワーサプライ/NTTアノードエナジー/川崎信用金庫/セレサ川崎農業協同組合/きらぼし銀行/横浜銀行と共同設立、川崎市が51%の出資 ▶︎リコール◀︎「BYDアット3」、事故自動緊急通報装置に不具合……装置起動時に車両データが送信されない デイリーEVヘッドライン[2023.08.25]

TAG: #THE視点 #テクノロジー #自動運転
TEXT:烏山 大輔
電動モビリティシステム専門職大学が8月26日土曜日にオープンキャンパスを開催

電動モビリティシステム専門職大学は、電気自動車と自動運転に特化したカリキュラムで、日本のみならず世界で活躍できるエンジニアの輩出を目指す大学だ。学生は、卒業時に学士(専門職)の資格を得ることができる。 今回のオープンキャンパスでは、下記のように様々なプログラムが実施される。 模擬講義 同学ならではの、電池、自動運転、モーター・インバーターなどの各領域について、それぞれの担当教授から、どんなことが学べるのか講義内容の紹介がある。 研究室見学 リチウムイオン電池の研究・開発に必要な全ての機器を備える同学の研究室を特別開放。各分野のプロフェッショナルである講師に直接質問もできる。 イベント 電動ミニカート試乗体験会、3D CAD操作体験会、二輪走行ロボットの制御方法が学べるロボット探求学修を実施する。 講演会 自動運転のソフトウェアを開発するスタートアップ企業であるティアフォアのCEO兼CTOの加藤 真平氏による講演会を開催する。 この他にも入試説明会や個別相談会、キャンパスツアーも行われる。最寄りの赤湯駅からの無料送迎バスも用意されている。 日本でも2035年にガソリン車の販売が禁止され、ハイブリッド車やPHEV、BEV(バッテリー電気自動車)、FCEV(燃料電池車)などにシフトしていく。自動運転についても今年4月にレベル4が解禁になった。今後は無人バスの社会実装など、同学で習得できるスキルはこれからの世界で必要とされるものだ。 電動化や自動運転の分野のトップランナーである現役の講師陣から学べる意義はとても大きい。これからの電動モビリティを創造する側で活躍したいと志す人は、ぜひこのオープンキャンパスに行って、自分の夢に近づいて欲しい。

TAG: #専門職大学 #自動運転 #電気自動車
TEXT:TET 編集部
半導体開発のマクニカ、自動運転EVバス「ナビヤ」を吸収。新会社を立ち上げ、レベル4自動運転EVバスを世界へ

横浜市に本社を置く半導体等のトータル・ソリューションプロバイダー「マクニカ」は、仏本拠のエンジニアリング会社「GAUSSIN(ゴーサン)」と新会社を設立し、自動運転EVバスを専門とする仏「NAVYA(ナビヤ)」社の資産を受け継ぎ、グローバル展開を図ると発表した。 誤差数センチの高精度自律運転を実現 まず、ナビヤの概要を見ていこう。2014年にフランスで創業したスタートアップ企業であるナビヤは、公道走行可能な自動運転シャトルバスや空港で使われる自動運転トーイングトラクターなどを製作、販売し、既に20ヵ国以上で180台以上の導入実績を築いている。特に前者のシャトルバスは、我が国でも東京都の「羽田イノベーションシティ」内での無料循環バスや茨城県境町の生活路線バス等で導入されているから、そのファニーな外観に見覚えがある人もいるだろう。 ナビヤの現行ラインナップは、オペレーターが同乗する自動運転レベル3に対応した「ARMA(アルマ)」と、限定されたエリア内でオペレーターなしの自動運転レベル4を実現する「EVO(エヴォ)」の2種類。そのどちらもが、15人の乗客を乗せ、最高速度25km/hで約9時間(100km)の自動走行が可能となっており、例えばホテルやショッピングモールなど大規模施設内での移動や、公共交通機関へのアクセスが悪い地域における日常の足などが代表的な活用シーンとなる。 そのテクノロジーはハイテクの塊で、前後にひとつずつのカメラで周囲を認識するほか、赤外線を使った「LiDAR」により障害物を検知。また、EVOでは「GNSS」というシステムで車両位置を特定し、基準局の情報を共有することで誤差数センチの精度を実現している。 ということで、いかにも未来へ向けて大きく飛躍しそうなナビヤなのだが、残念ながら本年初頭に支払い停止宣言に追い込まれてしまった。詳細な背景は不明だが、自動運転は先行投資がかさむ先進技術分野だけに、事業に将来性はあっても金融機関の貸出し態度次第で資金ショートを起こしてしまうことはありうる。特に足下の金利上昇局面では資金繰りが苦しかったのかもしれない。 >>>次ページ レベル4自動運転EVバス、4年間で500台以上の販売を計画

TAG: #自動運転
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
EVカートを使用したレベル4の自動運転を認可……デイリーEVヘッドライン[2023.04.04]

国土交通省が国内で初めてレベル4を認可 2kmの区間を12km/hで走行 【THE 視点】国土交通省中部運輸局は、全国で初めて運転者を必要としない自動運転車(レベル4)を認可したと発表した。福井県永平寺町で移動サービスとして運行する車両について、道路運送車両法に基づき3月30日付けで全国初の認可となった。 この自動運転車両は運転者を必要としないが、走行エリアは限定される。自動運転を継続することが困難な状況(故障や天候の急変等)が生じた場合に安全に停止することが可能だ。 今回認可された車両は、ヤマハ発動機製の電動カートを国立研究開発法人産業技術総合研究所が改造し、自動運転機能を追加したもの。道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら12km/hで走行するが、限定領域内ということで今回の運行区間は約2kmにとどまる。 今後国内では、走行エリアが限定された自動運転シャトルバスなどが走り出す見通し。レベル4での運行状況を見ながら安全性を確認し、やがては場所・条件を問わずに、いつでもどこでも自動運転が可能でハンドルのない水準のレベル5「完全運転自動化」を目指すものと思われる。 海外では自動運転レベル4の車両が既に走っている国もあるので、ようやく日本もそれに追いついた感じだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヒョンデ、高性能EV「アイオニック5 N」の極寒テストを実施……ー30℃の北極でテスト、2023年7月デビュー予定[詳細はこちら<click>] ★★エネチェンジ、ルートインホテルにEV充電器を導入および更新……全国214店舗に最高出力6kWタイプの普通充電器「EV充電エネチェンジ」を設置 ★京急バス、小型電気バスを上大岡山地区(上大岡駅~大岡交番前・笹堀・岡村梅林入口・泉谷公園~岡村・泉谷循環)で運行……「BYD J6」を使用、六価クロム対策済み ★ウィル、成田空港第1・2ターミナル内で自動運転サービスを開始……1人乗りの電動パーソナルモビリティで計4台を稼働 ★日産、EVコンセプトモデル「マックスアウト」を中国で公開……「上海モーターショー2023」に出展[詳細はこちら<click>] ★トヨタとCJPT、タイでカーボンニュートラルを推進……タイのCharoen Pokphand Groupと基本合意しEVなどを提供へ ★GCストーリー、ソーラーカーポートの導入を法人向けに無償サポート……「ソーラーカーポートPPAモデル」を開始、EV用充電コンセントやV2Hの設置も相談可能

TAG: #THE視点 #国土交通省 #自動運転

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