#値下げ
TEXT:高橋 優
コスパで比較するとEVはヒョンデが圧倒! スズキやホンダの新EV登場でますます激化する日本の電気自動車市場

BYDがATTO 3とドルフィンの値下げを実施 BYDが2025年度にさらなる販売攻勢を仕かけるためにドルフィンとATTO 3の値下げを実施しました。補助金を含めた実質の値段設定も含めて、競合のEVなどと競争力を比較します。 まずBYDジャパンは2022年7月に日本市場に正式に参入を表明しながら、2023年1月にコンパクトSUV「ATTO 3」を発売。さらに9月中に2車種目のコンパクトEV「ドルフィン」を発売。また、2024年6月中に、ミッドサイズセダンの「シール」を発売。そして、2024年4月15日からはミッドサイズSUVの「シーライオン7」を発売しました。 その一方で、BYDジャパンは2025年に突入してから最初の2カ月間で215台の乗用車を発売したものの、前年同四半期では318台を販売しており、前年比32%以上のマイナス成長に留まっています。また、シールの1000台の初回限定モデルはいまだに売れ残っています。いずれにしても、販売増加のためにさらなる販売戦略の更新の必要性に迫られていたのです。 そして、このような背景においてBYDジャパンが新たに発表してきたのが、価格戦略のアップデートです。具体的にはATTO 3とドルフィンの値下げを実施しました。まず、現在450万円のATTO 3は32万円値下げされ、418万円となりました。さらに、ドルフィンロングレンジは33万円値下げされて、374万円を実現。そして363万円という通常グレードはラインアップから落ち、Baselineという新たなエントリーグレードを設定。このBaselineの値段設定は299.2万円となり、実質的に63.8万円もの値下げを行ってきた格好となります。 BYDジャパンは、今後の車種展開に備えて商品ポートフォリオを最適化すると説明しており、今後投入されるシーライオン7と新型PHEVモデルには、新たな価格基準で値段が設定されることから、さらなるコスパのよさを期待可能でしょう。 それでは今回の値下げによって、具体的にどれほどコスト競争力が高まったのかについて、とくに競合となる韓国ヒョンデのインスターやコナなどと比較検討したいと思います。 まず、ドルフィンロングレンジとATTO 3が該当するコンパクトセグメントの競合車種として、ヒョンデ・コナVoyageグレードと比較しましょう。 ドルフィンロングレンジは、日本WLTCモードで476kmを確保しながら85kWの急速充電に対応、2700mmというゆとりのホイールベースを確保して374万円で発売中です。ATTO 3も470kmの航続距離、85kW急速充電、そして418万円からという値段設定です。 その一方で、ヒョンデ・コナは625kmというゆとりの航続距離を確保しながら、466リットルというトランク容量と27リットルのボンネット内収納を確保。そして値段設定が452.1万円と、値段だけをみるとATTO 3比でわずかに割高に見えます。 ところがヒョンデは2025年度の補助金において67万円を適用可能となり、これにより実質の値段設定でATTO 3とまったく同等となります。それでいて航続距離が150km以上も長いことから、コナのコスト競争力の高さが際立つのです。

TAG: #値下げ #新車購入
TEXT:高橋 優
テスラが日本で全車30万円一律値下げ! 補助金が制限されるもお買い得度ではモデルYが圧倒!!

補助金額が減っても攻める姿勢を絶やさないテスラ テスラが日本国内において、モデル3とモデルYを中心に、全モデルの全グレード一律で30万円の大幅値下げを断行しました。 そもそも、この日本国内におけるテスラに関しては、2022年の9月からモデルYの正式納車をスタートしながら、さらに2023年8月中にもモデルSとモデルXのパラディウム世代の納車をスタート。そして、2023年12月中に、モデル3のモデルチェンジバージョンである、通称ハイランドの納車をスタートすることで、全4車種、最新の状態にアップグレードされ、一気に販売台数を伸ばそうとしてきていたわけです。 他方で、2024年シーズンに突入してからというもの、その販売台数は伸び悩んでいる状況であり、とくに第一四半期の販売台数を比較していくと、じつは2024年シーズンというのは、2年連続で販売台数がマイナス成長という厳しい状況であることが見て取れます。 いずれにしても、テスラが日本国内においてモデルチェンジを行なったとしても、販売台数で大きく苦戦しているわけです。 そして、そのテスラが日本国内において、需要喚起のためにさらなる値下げ措置に踏み切ってきたということで、具体的には、モデル3 RWDグレードが531.3万円、ロングレンジが621.9万円、モデルYのRWDグレードが533.7万円、ロングレンジが622.6万円、そしてパフォーマンスが697.9万円。 その上、モデルSとモデルXについても同様に値下げされ、テスラの全モデル、全グレード、一律で30万円もの値下げに踏み切った格好です。 他方で、テスラジャパンについては、4月からモデル3ロングレンジ以外のグレードに対して20万円もの購入サポートプログラムを展開していました。これは、モデル3ロングレンジグレードのみが85万円の補助金額上限の対象となったものの、それ以外のグレードが65万円という補助金額に制限されてしまったことを受けての対応だったことから、モデル3ロングレンジ以外については、4月以降と比較すると実質10万円という値下げ幅になります。 また、今回の値下げには関係ないものの、現在モデル3とモデルYの価格設定については、極めて接近している状況です。モデル3のRWDグレードについては、補助金を含めて466.3万円から購入可能なものの、モデルYのRWDグレードについても、補助金を含めて468.7万円から購入可能であり、その値段差はたったの2.4万円と極めて接近していることから、テスラ車をなるべく安く購入したいというような方については、もうこれは躊躇なくモデル3ではなくモデルY RWDグレードを購入するべきだと感じます。

TAG: #TESLA #モデルY #値下げ
TEXT:高橋 優
BYDのターゲットは内燃機関車! 最大125万円級の大幅値下げを全モデルで開始ってマジか

アップグレードして値下げするBYDの戦略 中国BYDが2024年モデルへの切り替えとともに、ほとんどすべての車種で最大125万円級の大幅値下げを行い、いよいよ、内燃機関車との値下げ戦争に終止符を打ってきました。とくに日本メーカーの収益源であったトヨタ・カムリやホンダ・アコードに大打撃を与えるであろう、新型Hanの存在、またトヨタRAV4やホンダCR-Vに大打撃を与えるであろうSong Plusなどのアップデート内容を中心として、中国EV値下げ戦争をリポートします。 今回取り上げていきたいのが、中国最大の自動車メーカーであり、世界最大のEVメーカーでもあるBYDの動向です。 すでにBYDについては、売れ筋モデルの大衆セダンQin Plusに対して、Honor Editionと名付けられた2024年モデルを投入し、内外装の装備内容をアップデートしながら、それでいてむしろ値段設定を一律で引き下げてくるといった大規模な値下げ戦略を断行していました。 とくに、PHEVバージョンであるQin Plus DM-iに関しては、EV航続距離55kmのエントリーグレードが7万9800元、日本円でおよそ166万円という、2023年モデルと比較しても一律で41万円以上もの値下げを行ってきていたわけです。 問題は、この大衆セダンセグメントにおいて強さを発揮していたのが、我々日本メーカーであるという事実です。 とくにこれまでは、日産シルフィ、トヨタ・カローラ、ホンダ・シビックなどという安価な内燃機関車が人気だったのですが、PHEVであれば、中国国内で車両を購入する際にかかってくる車両購入税が免除されるという税制優遇措置、およびガソリンよりも電気自動車のほうが安いという経済的なメリットによって、PHEVを選択肢に入れるユーザーが急増しているとのことです。 そして、今回のQin Plusの大幅値下げによって、いよいよ競合の内燃機関車と遜色のない値段設定になったというわけです。 このグラフは、大衆セダンセグメントの人気車種それぞれの値段設定、およびPHEVの場合はEV航続距離との相関関係を示したものになります。 このとおり、PHEVであるQin Plusについては、内燃機関車であるシルフィやカローラと同等の値段設定を実現していることから、同じ値段設定であれば、内燃機関車よりもPHEVを選ぶのは当然です。 そして、それ以上に注目するべきは、このシルフィやカローラなどの内燃機関車たちは、メーカー小売価格ではなく実際の販売ディーラーにおいて値引きが行われたあとの値段設定であるという点です。つまり、内燃機関車たちについては、これ以上値下げする余力が残されていないということを意味します。 2024年中旬からは、本格的にシルフィやカローラなどの日本メーカーの大衆セダン販売台数に大きな悪影響が出てくる可能性が濃厚なわけです。 そして、このBYDの2024年モデルであるHonor Editionが、それ以外のモデルに対しても続々とスタートしている状況です。 まず、2月末に発売がスタートしたのが、BYDのフラグシップセダンであるHan、およびフラグシップSUVであるTangです。とくにHanに関しては、2020年7月の登場以降、急速に販売台数を伸ばしており、月間3万台ペースという中国国内のトップセラーの一角に君臨しています。 他方で、2023年に突入すると、このHanに対抗するためにトヨタ・カムリやホンダ・アコード、フォルクスワーゲン・パサートなどの内燃機関車が、大幅値下げを展開していました。しかもBYDは、Hanとそこまで装備内容やEV性能に遜色がないプレミアムセダンのSealの発売により、HanとSealのカニバライズも発生してしまいました。 とくにHanのバッテリーEVモデルについては、PHEVとプラットフォームを共有しているために、2023年で重要な指標となっていた超急速充電に対応することができていないということ、またプレミアムセグメントにおけるさらなる重要指標である高速や市街地を含めた自動運転支援であるレベル2プラスに対応できていないということで、商品力のテコ入れが急務となっていたという背景が存在したわけです。 そして、今回のHonor Editionについては、BYDブランドのフラグシップモデルとして、内外装の質感とEV性能、ADAS性能のすべてにテコ入れしてきました。 まず、内外装の質感については、新色を追加設定しながら、スマホのワイヤレス充電を50Wへと急速充電化、シートヒーターやベンチレーションだけではなく、シートマッサージ機能も追加設定。EV性能についても620Vシステムにアップグレードすることによって、最大155kWの急速充電出力へと改善。 そして、目玉となるのがプレミアムセグメントにおける必須機能であるレベル2プラスのADAS機能です。 今回のHanのHonor Editionでは、BYDが出資しているHorizon Robotics製のJourney 5のADASプロセッサーを搭載。その演算能力は毎秒128兆回と、テスラのハードウェア3.0に匹敵する能力を有することで、高速道路上における、追い越しや分岐を含む自動運転に対応させる、いわゆるレベル2プラスにBYDブランドとしては初めて対応してきました。 すでに高級ブランドであるDenzaやYangwangについては対応済なものの、いよいよ大衆ブランドであるBYDでも、レベル2プラスの導入を始めてきた格好となります。

TAG: #中国 #値下げ #新車

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