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オーディオマニアが音質のために心血を注ぐ「電気の質」! だったらEVの充電も「質のいい電気」のほうがいい?


TEXT:大内明彦 PHOTO:TET編集部/写真AC
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重要なのは電気の質ではなく規格

EVに充電する際、充電場所や設備によって違いが生じるのか? というテーマを編集部から投げかけられた。補足として、オーディオの場合は「マイ電柱」を確保している人もいるようだが、というものだ。

なるほど、と思ったが、オーディオの場合は電気に含まれるノイズ成分が問題視されるわけで、電力を蓄えるEVの充電とは本質的に意味が異なっている。問題視するとすれば充電効率となるわけだが、電力は電圧に電流を掛け合わせたものだから、充電ステーションに送られている電圧と電流が規格に合致したものであれば問題ないということになる。

高級オーディオのイメージ

そこで、ここはひとつEVの基本に立ち返ってみたいと思う。まずEVが搭載するバッテリーだが、当然ながら直流方式だ。一方、充電は交流電源で行うことになる。しかし、直流のバッテリーに直接交流電源をつなぐことはできない。交流電源で直流バッテリーを充電するのはどういったシステムが介在しているのか?

このためにあるのが充電器だ。これは普通充電、急速充電いずれの場合も同じだが、普通充電は交流100V(一般家庭電源)、交流200V(単相)で行うもので、充電器は車側に備えられている。充電するバッテリーの容量によって満充電までの所用時間は異なり、数時間から半日程度となる場合が一般的だ。

普通充電のイメージ

一方、急速充電は交流・三相200Vで行うので、80%充電の所要時間は30〜40分程度と見積もられている。充電器は充電ステーションの充電設備内に組み込まれている。この充電器内で交流200Vは直流に変換され(機材によって400V出力のものもある)クルマ側のバッテリーに充電を行っている。

さて、最初のところで触れた、EVの充電にもオーディオのような上質な電源があるのかという話になるが、充電の意味を考えると、充電電源に質が介在する必要はなく、規定どおりの充電電気であるか否か、だけが問題となってくる。それにもかかわらず、交流100V/200Vを繋いでいるのに(普通充電)、あるいは充電ステーション(三相200Vからの直流変換)で繋いでいるのに時間をかけても充電量が思うように増えない、というのは、どこかにトラブルがあると考えるべきだろう。

むしろ、急速充電で100%充電を行おうとしているのなら考え直す必要があるかもしれない。乱暴ないい方だが、短時間の急速充電は最低80%以上のバッテリー容量を確保するための充電方法だと考えておくべきだろう。

EV急速充電器

高電圧の急速充電は、概ね80%以上のバッテリー充電容量になると充電する電流を抑える制御となっているため、充電速度が一気に遅くなる特徴がある。もちろんバッテリーを保護するための措置で、満充電近くの充電速度は普通充電と同様のレベルになると考えてよいだろう。

急速充電は、ほぼ空になったバッテリーを30分の充電時間で80%程度に回復させる手段と理解しておきたい。実際、80%もあればかなりの距離を移動することができ、移動先で新たなスポットを見つけて再充電を行えばよい、と理解すべきだろう。

充電スポット検索

せっかくなので最後にオーディオ電源の質についても触れてみたいが、カーオーディオの場合はオルタネーターの発電ノイズがオーディオ電源に入り音質劣化の原因になると考えられている。ホームオーディオでいうマイ電柱とは、オーディオ電源用に専用の柱上トランスをもつ、という意味だろう。交流200Vをいったん直流に変換、そこから改めて交流100Vを作り出し、アンプに送り込むという方法を採っている人もいると聞く。幸か不幸かEVの充電電源にはこうしたこだわりは必要ないようだ。

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