北欧ではEVが生活インフラ化している
北欧のノルウェーでは、電気自動車(EV)の普及が97%に達している。この数字は純粋にEVだけの普及率であり、プラグインハイブリッド車(PHEV)を加えても97.4%へ0.4%追加になるだけだ(2025年4月時点)。
北欧のなかでもノルウェーでここまでのEV普及が進んだ背景に、3つの要因が示されている。ひとつは地域的な事情。ふたつ目は電力事情。3つめが環境政策だ。
地域的な事情とは、エンジン車とEVで日常的な使い勝手に大きな違いがない点にある。ノルウェーは、国土の南端でも北海道より北の樺太よりさらに北に位置し、北端は北極圏となる。最低気温の平均値が0℃以上となるのは5〜10月の間で、11月以降4月までは零下まで下がる。ときにマイナス20℃ほどの場合もある。このため、エンジン車の時代から駐車場にはエンジンを電気で温める設備があり、これがEVの充電に適用できる。しかも欧州の家庭に届く電気の電圧は200V以上なので、自宅で行う基礎充電にそのまま使える。
日本でも家庭用の100Vのほかに200Vの電気も送電されていて、引き込みさえすれば使えるが、IHや広い部屋で200V空調を利用していなければわざわざ工事をする特別な電圧でもある。
200VでEVに充電することと200Vでエンジン車のエンジンを冬季に温めることで暮らし方がなんら変わらないのが、ノルウェーでのEVへのハードルを低くしている。
ちなみに、韓国や中国、東南アジアの多くの国々でも、家庭で使う電力は200V以上である。米国とカナダも100数十ボルトだが、100Vの日本は特殊であり、じつは日常的な電源として200Vは世界的な常識となっている。当然、クルマはもとよりバイクや公共交通なども含め、普通充電としての200Vは当たり前の充電基盤となりえる。
その上でノルウェーでは、集合住宅での基礎充電について「充電する権利」という考え方から、合理的な理由がなければ充電施設の設置を拒否できないことになっている。ここは、日本と真逆の国民意識だ。

















































