センサーと自動化機能が招く洗車時のリスク
海外を旅行していると汚れたクルマが目に付いたことはないだろうか。じつは世界を見渡しても、日本人ほど洗車好きなドライバーが多い国は珍しいといわれる。もはやクルマを清潔に保つことへのこだわりは“日本独自の文化”とさえ感じられる。
欧米では自宅での洗車が条例で規制される地域もあるが、日本では街なかの多くのガソリンスタンドに門型洗車機が並び、気軽に愛車をきれいにできる環境が整っている。普通車はもちろん、軽自動車からSUVまで、大半のクルマは洗車機に通すだけで問題なくきれいになる。
しかし、最近多くなってきたテスラに関しては、気軽に洗車機が使えないケースが増えている。全国の一部スタンドやチェーン店の洗車機に掲示された「テスラ車は洗車できません」という張り紙を目にすることもある。フロントグリルをもたず、ドアハンドルもボディパネルと面一に収納されるフラッシュサーフェス化された造形は、空力抵抗係数の低減に寄与すると同時に、非常に滑らかでシンプルな美しさを体現している。そのテスラがなぜ洗車機に敬遠されるのか。
じつは、この「テスラ洗車禁止」問題にはいくつかの別個の理由が絡み合っている。単なる「輸入車だから」という話ではない。テスラというクルマの構造的・技術的な特徴が、日本の一般的な洗車機との間に摩擦を生んでいるのである。
テスラが自動洗車機で敬遠される最大の理由は、車両に搭載された高度なセンサー群と自動化機能が、洗車機の物理的動作と干渉しかねないためだ。テスラ車には、雨滴を検知して作動する自動ワイパーやタッチセンサーで開閉するチャージポート(充電口)のカバーなどが標準で装備されている。これらのセンサーは、日本のガソリンスタンドに広く普及している接触型のブラシ式自動洗車機に車両を入れたとき、洗車機の強力な水圧や回転する巨大なブラシの物理的な接触を誤検知するリスクが高い。
たとえば、洗車中にチャージポートのセンサーがブラシの接触などに反応してカバーが開いてしまった場合、回転ブラシに開いたカバーが巻き込まれ、ポートごと破壊されるといった深刻な損傷につながるかもしれない。加えて、高圧洗浄の水を雨と検知して自動ワイパーが突然作動し、洗車機の機器と絡まってワイパーアームが折損する危険性もある。こうした車両や洗車機双方の重大な破損事故およびそれに伴う損害賠償責任を回避するため、一部の店舗では利用を制限している。















































