コラム
share:

エンジン車の醍醐味チューニング! EVはそんな楽しみ方は不可能?


TEXT:山本晋也 PHOTO:TET 編集部
TAG:

先進安全機能に悪影響を及ぼす改造はご法度

OTAとはOver The Airの略称で、無線通信による車載制御プログラムのアップデートを自動的に行う機能。この普及において欠かせないのが外部からの侵入を防ぐセキュリティであり、そうしたセキュリティを突破して制御プログラムを書き換えることは困難になるだろう。仮にサードパーティ製チューニングプログラムへの書き換えができたとしても、OTAによって制御プログラムが書き換えされると上書きされて純正プログラムへ戻ってしまうことも考えられる。

一方、最近よく目にするSDV(ソフトウェア定義車両)においては、単純に基本機能をアップデートするだけでなく、ユーザーの好みに応じたカスタマイズも考慮している。たとえば、メーターデザインを有料販売するといったビジネスモデルが想定される。そうしたビジネスにおいて、オーナーの走りに合わせたパワー制御プログラムの販売を考慮しているメーカーもあるようだ。安全性を担保しつつ、カスタマイズが楽しめるような、ソフトウェア変更というのはあり得そうだ。

EVのイメージ

フットワーク系チューニングとしては、ブレーキパッドやローターの交換、ショックアブソーバーやスプリングなど、サスペンションの高性能化といったカスタマイズが知られている。

こうした要素についてはEVについても対応できそうだが、いくつか注意すべき課題はありそうだ。

ブレーキについていえば、高性能なEVになるほど駆動モーターによる回生ブレーキが強くなっており、従来のメカブレーキと協調制御が行われている。場合によってはブレーキパッド交換などでメカブレーキの性能を変えてしまうことで協調制御のバランスを崩してしまうことも考えられる。

とはいえ、ハイパフォーマンスEVはゆうに2トンを超えるような超重量級となっていることが多く、メカブレーキの性能アップはプラスに働くことも期待できる。このあたり、ケースバイケースなので車種ごとにノウハウをもつプロショップの知見を聞きながらチューニングを進めていくとよさそうだ。

EVのイメージ

サスペンションについては、先進安全機能とのマッチングを考慮することが重要だ。高性能なADAS(先進運転支援システム)になるほどセンサー位置が想定範囲からズレてしまうことに敏感だからだ。車高ダウンによって前方監視カメラの地上高が下がってしまうと検知範囲が狭くなってしまうため、先進安全機能が想定どおりに働かず、エラーが出てしまうこともある。エアロパーツの装着によりレーダーの性能が発揮できなくなるようなカスタマイズも同様だ。

これはEVに限らず、ADASを搭載しているクルマ全般にいえることだが、先進安全機能を支えるセンサーの機能を損ねたり、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)の性能に悪影響を及ぼしたりするような改造はご法度というのが現在のチューニングにおける常識といえるだろう。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
EVにレアメタルを使わない電池が普及するとレアメタルのリサイクルの採算が合わなくなる……そんな説の真偽を考える
レアメタルの資源不足を解決する手段! いま注目を集める「ナトリウムイオン電池」とは?
フェラーリよりもランボよりもポルシェよりも速い! たった13分で1万台が売れた中華SUV「Zeekr 9X」がヤバすぎる
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
ホンダはジャパンモビリティショー2025で「陸・海・空・宇宙」を制す!? 「FUN to Drive」な小型EVと「0シリーズ」の新型SUVを世界初公開
電動化時代でもAMGは超弩級マシンでブランドを牽引! ジャパンモビリティショー2025でメルセデス・ベンツが「コンセプトAMG GT XX」をアジア初披露
STIコンセプトとブランド第2弾となるふたつのEVを初披露! ジャパンモビリティショー2025のSUBARUブースは「Performance」と「Adventure」魅力を提案
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択