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トヨタはEV「も」本気! ランクルやハイラックスも含めて新型EVが続々登場する!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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ランドクルーザーとハイラックスのEVも登場予定

次に、C-HR+よりもさらにひとまわり小さいコンパクトSUVセグメントに、アーバンクルーザーを投入しました。全長4285mm、全幅1800mm、全高1640mm、ホイールベースが2700mmという、コンパクトながら1ランク上のセグメントに匹敵するホイールベースを確保しています。このアーバンクルーザーはスズキのe VITARAとの兄弟車であり、インドで生産されて欧州に出荷されます。

トヨタ・アーバンクルーザーのフロントスタイリング

電池容量について、エントリーグレードには49kWh、ロングレンジには61kWhを搭載。よって、アーバンクルーザーの最長航続距離は400kmに到達する見込みです。また、搭載バッテリーは中国BYD製のLFPバッテリーです。電池コストを抑制することが可能となり、三元系を採用するC-HR+と比較しても安価な価格に期待できるでしょう。

表

また、アーバンクルーザーにはFWDだけでなくAWDグレードも設定されます。雪国においても実用性の高い大衆EVとなるポテンシャルを秘めており、e VITARAとともに日本導入も待望されます。

はたして、2025年秋から発売されるアーバンクルーザーが欧州でどれほどの値段設定で発売されるのか。競合となるBYDドルフィンは2.8万ユーロ、Atto 2も2.8万ユーロ程度から発売されており、3万ユーロを切れるかどうかに注目です。ちなみに日本国内におけるスズキe VITARAの値段設定もどうなるのか。仮に380万円からスタートすることができると、補助金を含めて実質300万円程度で購入することが可能となり、かなり有用な選択肢となり得るでしょう。

トヨタのEVのイメージ

そしてトヨタは、さらに2026年末までに追加で3車種のBEVを投入する方針も表明しました。とくに言及されているのはランドクルーザーのEVバージョンと、ハイラックスのEVバージョンです。また、トヨタはメルセデス・ベンツなどのように、EVならではの命名を取りやめて、すでにユーザーが馴染みのある車名から派生させていくという命名規則に方針転換。C-HR+とアーバンクルーザーはその命名規則を採用した格好です。これにより事実上、bZシリーズが廃止されることになった模様です。

さらに、高級ブランドのレクサスも欧州におけるEV戦略を発表しました。とくに注目したいのはRZのモデルチェンジバージョンの存在です。変更点として、初めてFスポーツグレードを採用し、550e Fスポーツという最上級グレードを設定しました。最高出力は300kWを実現しており、0-100km/h加速も5秒フラット程度を実現する見通しです。

レクサスRZのフロントスタイリング

そして、Fスポーツグレードのみ、仮想ギヤシフト機能であるインタラクティブ・マニュアルドライブを採用します。8速トランスミッションで構成され、パドルシフトによって出力をコントロールすることで擬似的なマニュアルドライブを再現。エンジン音なども含めて仮想ギヤシフトを再現可能です。この機能は韓国ヒョンデがIONIQ 5 Nにおいて導入した機能であることから、IONIQ 5 Nとの比較も楽しみです。

RZは550e Fスポーツとともに500eと350eもラインアップされ、全グレード77kWhバッテリー搭載と増量されます。さらに、パワートレインの改良によって、現行モデルと比較しても航続距離を最大100kmほど延長させることに成功しています。そして新型RZには、レクサス初となるステアバイワイヤーシステムが搭載されます。ロックトゥロックで200度を実現しており、ステアリングギヤ比をアクティブに調整することによって、正確な制御と簡単な取りまわしを両立することに成功。ステアリング形状を円形からヨーク型に変更され、ドライバーのさらなる視界確保に努めています。

表

レクサスは2025年秋から発売する予定のRZに加えて、今後12カ月以内に追加でふたつのBEVを欧州市場に投入する方針を表明しました。詳細は不明であるものの、現在噂されているのはフラグシップセダンであるLSのEVバージョンです。すでにドイツBBAもEQS、i7などとしてラインアップしており、フラグシップとして、800Vシステムの採用やステアバイワイヤーの採用などにも期待が集まります。

レクサスRZの内装

このように、トヨタはEVシフトが先行しながら、現在欧州メーカー勢のEVシフト後退戦略の隙を見て、ここぞとばかりに新型EVを矢継ぎ早に投入してきた格好です。トヨタが欧州市場においてプレゼンスをさらに高めていくことは間違いないでしょう。日本国内への新規EV投入にも期待しながらトヨタの最新EVシフト動向には今後も注目です。

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