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テスラ・モデルYのマイナーチェンジがかなりスゴイ! ライバルEVとの比較でお買い得度を探ってみた


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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アリアやbZ4Xなどのライバル車と比較!

次にEV性能について、まずRWDで変更されたのがバッテリー容量です。62.5kWhとわずかにLFPバッテリーが増量されたことによって、航続距離は日本基準で547kmを達成。ロングレンジAWDもCd値が0.22へと改良されるなどで635kmを達成しています。

また、充電性能はパワートレインに大きな変更がないことから旧型と変化はありません。さらに、動力性能について、RWDグレードには最高出力220kW、最大トルク440Nmの「3D6」モーターを搭載。これによって0-100km/h加速は5.9秒と俊敏になりました。ロングレンジAWDでは旧型とまったく同様のモーターが継続採用されているものの、Launch Seriesでは加速ブーストとして0-100km/h加速が4.3秒と俊敏になっています。

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車両サイズについては、全長が40mm拡大されたものの、全幅と全高に変更はありません。最低地上高は167mmと、旧型よりも5mmローダウンしています。

そして値段設定について、RWDは595万円、ロングレンジAWDは683.9万円からのスタートと、旧型と比較しても値上がった格好です。テスラは装備内容の多くを標準搭載しているので追加費用はほとんど必要ないものの、新型から標準外装色がステルスグレーに変更されており、人気のパールホワイトであったり、新色のグレイシアブルーをチョイスする場合は18.9万円のオプションです。

とはいえ、まず購入可能なLaunch Seriesは約25.1万円のオプションとなるはずの20インチHelix 2.0ホイール、さらに日本円で20万円級の加速ブースト機能が標準設定となっていることから、実質的な値上がり幅はわずかと推測可能でしょう。よって、今後に追加設定される見込みの通常グレードは、概ね40万円ほど値下げした値段設定で発売されるものと考えられます。

テスラ・モデルYのバッヂ

次に、新型モデルYの日本国内での競合車種となる日産アリア、BYDシーライオン7、ヒョンデIONIQ 5、トヨタbZ4Xなどと比較してどれほどの競争力を実現しているのかを比較していきましょう。

まず初めにEV性能について、モデルYは日本基準で547kmという航続距離を確保しており、アリアB6を凌駕。一方で、IONIQ 5は703km、bZ4Xも567kmを確保。充電性能もIONIQ 5が800Vシステムに対応していることで圧倒するものの、経路充電においてはいまだに800Vシステムに対応する超急速充電器は存在しないことから、やはりスーパーチャージャーネットワークが全国に普及していることを踏まえれば、モデルYの充電性能は高いといえそうです。さらに、動力性能についても競合をリードしています。とくにモデルYはLFPバッテリーを搭載しているにもかかわらず、アリアB6と同等の車両重量であり、軽量化が相当進んでいる模様です。

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最後に値段設定はIONIQ 5と比較するとやや割高に感じるものの、Launch Seriesであるという点、およびスーパーチャージャーネットワークを利用できる点を考慮に入れれば、IONIQ 5と同等以上のコスト競争力であると感じます。少なくともアリアとは比較にならないレベルでしょう。

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さらに、EVのコスパを詳細に分析するために、標準装備内容も比較しましょう。新型モデルY Launch Seriesの装備は以下のとおりです。

・20インチHelix 2.0ホイール
・15.4インチセンターディスプレイと後席用8インチディスプレイ
・トランク開閉はメモリー機能付き電動調整とハンズフリー対応
・シートベンチレーションが追加
・後席シートも電動の背もたれ調整
・ステアリングも電動調整とヒーター
・256色のアンビエントライト
・ワンペダルドライブ
・ヒートポンプと自動バッテリープレコンディショニング機能
・窓ガラスも全面2重ガラス化
・ガラスルーフ
・スピーカーの数はRWDで9スピーカー

これらの装備内容を競合と比較すると、テスラは既存メーカーがオプション設定にしている装備内容の多くを標準設定していることがわかります。その意味において、今回のLaunch Seriesでもコスト競争力が高いといえます。もちろん、40万円ほど安価に通常グレードが追加設定されたときはに、日本国内でもっとも完成度の高い電動SUVとして、2025年シーズンも日本国内でもっともおすすめできるEVになることは間違いありません。

テスラ・モデルYの走り

果たして新型モデルY“ジュニパー”がリアルワールドにおいてどれほどの進化を遂げているのか、実車における検証も進めていきたいと思います。

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