2024年7月
TEXT:TET 編集部
欧州市場に日産のNISMOモデルが復活! まずは「アリア NISMO」の導入から

激戦区の欧州市場にアリア NISMO導入 ヨーロッパ諸国で日産ブランドの販売を担う欧州日産自動車が、2024年6月から日本市場で発売を開始した「アリア NISMO(ニスモ)」を、近日中に欧州市場での販売を開始すると明らかにした。 今年で40周年を迎える日産のスポーツブランド「NISMO」の電気自動車としては、アリア NISMOが欧州市場に導入される初めてのEVモデルになると同時に、しばし途絶えていた欧州市場でのNISMOロードカーの販売が復活することも意味している。 アリア NISMOはベースモデルのアリアe-4ORCEに、NISMO専用の加速チューニングを施し、圧倒的な動力性能をさらに引き上げた、EV NISMOのフラグシップモデルだ。NISMOの性能コンセプトである「より速く、気持ち良く、安心して走れる車」に基づき、空力性能の高さと高次元のハンドリング性能で、走りの上質感を磨き上げている。 エクステリアデザインでもNISMOのデザインアイコンが随所にちりばめられ、日本的なデザインアプローチと相まって、ベースモデルからさらなるハイパフォーマンス化がなされていることを主張している。 欧州日産のマーケティング&セールス部門 専務執行役員のマイラ・ゴンザレス氏は欧州市場への導入にあたり、以下のようにコメントしている。 「NISMOブランドが欧州市場に戻ってきました。このエキサイティングなブランドを新しいモデルとともに欧州市場に再び導入します。ラインアップの電動化を推進するなかで、お客さまやNISMOファンに上質で魅力的なモデルを提供し続けることが重要です」 「日産アリア NISMOは、NISMO専用チューニングが生み出す高次元のハンドリング性能と爽快な旋回性、そして伸びのある加速性能が非常に高くバランスされているだけでなく、日常使いでも非常に快適なモデルです。その印象的なデザインと風格のあるプレゼンスは街中でひと際目を引くことでしょう」 フォーミュラE世界選手権で活躍を続ける日産およびNISMO。モータースポーツシーンでの活躍がブランド形成に効果を発揮する欧州だけに、今シーズン飛躍的に競争力を高めた勢いをそのままに、アリア NISMOを高セールスにつなげ、欧州でNISMOブランド復活の狼煙を上げられるか注目だ。なお、販売はベースモデルのアリアが販売されているすべての欧州市場が対象になるという。

TAG: #NISMO #アリア #日産
TEXT:高橋 優
日本のEVシフトは2024年に入り低迷気味! 軽のサクラ&eKを除けば海外勢の健闘が目立つ

日本のEV販売は減少している 日本国内における最直近6月のEV販売動向が判明。EV販売台数、EVシェア率ともに前年比マイナス成長という、日本国内のEVシフト停滞模様について解説します。 まずこのグラフは、2018年以降の、バッテリーEVとプラグインハイブリッド車の合計販売台数を月間ベースで示したものです。2024年6月の販売台数は7620台と、5月よりも多くの販売台数を実現したものの、前年同月は1.3万台以上を実現。マイナス41.7%と、大幅なEV減速の兆候が見てとれます。 そして、新車販売全体に占めるバッテリーEVとPHEVの販売台数の合計の比率を示したグラフを見てみると、直近の6月は2.44%と、前年同月に記録した3.93%と比較しても、明確にシェア率が低下している状況です。さらにそのうえ、2022年6月は、EVシェア率が3.28%であったことから、2年前のEVシェア率と比較しても悪化してしまっているという、EVシフト後退模様が明らかになってきているわけです。 次に、バッテリーEVの販売動向を詳細に確認していきましょう。まず初めに、このグラフは普通車セグメントと軽自動車セグメントそれぞれのバッテリーEVの販売台数の変遷を示したものです。直近の6月は、バッテリーEV全体で5000台を割り込んでしまっており、前年同月比で37.2%ものマイナス成長。さらに2022年6月と比較しても9.3%ものマイナス成長です。 さらにこのグラフは、普通車セグメントを、日本メーカーと輸入車メーカーそれぞれにわけて示したものです。白で示されている輸入EVは、前年同月比で16.3%ものプラス成長を実現しています。 ところが問題は、ピンクで示されている日本メーカーのバッテリーEV販売台数です。その販売台数は885台と、前年同月比でマイナス56.4%という落ち込み具合を記録。このことからも、現在の日本国内のEVシフト後退のもっとも大きな要因は、日本メーカーの、とくに普通車セグメントの需要が大きく低下しているからといえそうです。 また、バッテリーEVの販売動向について、累計販売台数を年別に比較すると、2024年上半期において2.9万台ものバッテリーEVを発売したものの、2023年上半期では4.75万台を発売していたことから、2024年後半でどれだけ前年対比で盛り返すことができるのかにも注目です。 ちなみに、現在の日本のバッテリーEVの販売シェア率が世界の主要国と比較すると、日本は最直近の6月において1.59%という販売シェア率です。まだ6月の各国の販売データが更新されていないものの、5月のシェア率は、たとえばアメリカ市場は7%程度、タイ市場も10%弱、欧州全体は14%、そして世界最大の自動車大国中国市場は、史上最高水準の28.95%。つまり、中国国内で売れている新車のうち、すでに4台に1台以上がバッテリーEVという状況であり、いまだにバッテリーEVが60台に1台以下という日本とは、まるで違う世界線にいる様子も見て取れます。 それでは、この日本国内においてどのような電気自動車が人気であるのか、とくに懸念視されている、日本メーカーのEVの販売動向を確認していきましょう。

TAG: #日本 #販売台数
TEXT:TET 編集部
名古屋エリアに初登場したBMWのハイヤーはEVセダン! 名鉄タクシーグループが「BMW i5」を1台導入

スポーティかつエレガントな内外装のBMWハイヤー 愛知県の名古屋を拠点に、タクシー・ハイヤーを運行している名鉄タクシーグループの名鉄交通第三が、同グループの環境負荷軽減活動の一環として、2024年7月19日からBMWのEVセダン「i5 eDrive40 Excellence」1台をハイヤー車両として導入すると発表した。 名鉄タクシーグループは、環境負荷軽減活動の一環としてこれまでにも地域最大規模となる57台のEVをタクシーとして導入している。そして今回は環境負荷軽減に加え、訪日外国人を含む富裕層への営業強化ならびに環境問題に関心のある顧客への対応として、BMW i5 eDrive40 Excellenceが導入されることになった。 なお、名古屋の交通圏でタクシー・ハイヤーにBMWが選定されるのは今回が初めてになるという。 導入されるBMW i5 eDrive40 Excellenceは、2023年に販売が開始された高級EVセダンだ。BMWの象徴でもあるキドニーグリルをはじめ、スポーティかつエレガントな内外装のスタイリングを持つ。インテリアではラウンジ感を演出するドアパネルと一体化した形状の後部座席が、ワンランク上の快適性を実現している。ダッシュボードやシートなどには、本革に匹敵する高級感を持ち合わせた100%植物由来のヴィーガンレザーを使用しており、走行時のCO2排出ゼロだけでなく、内装でも環境への配慮を見せる。それでいながら広い車内空間や静寂性を備え、より快適な移動時間の提供が可能になるとは名鉄交通第三の弁だ。 名古屋を中心に、完全予約制のハイヤーとして運行を開始するBMW i5 eDrive40 Excellence。ビジネスシーンはもちろんのこと、中部国際空港と名古屋市中心部の往復や周遊観光利用など、ちょっと贅沢かつ快適な移動を望むなら予約を検討してみてはいかがだろうか。

TAG: #BMW #i5 eDrive40 #タクシー #ハイヤー
TEXT:TET 編集部
日本高圧電気とENEOSがEVトラックの未来を切り開く! 日本初のEV商用車向け充電ステーション実現のために「柱上設置型高圧受電設備」を開発

スペースが無い! 急速充電設備の要「キュービクル」を電信柱の上に設置して課題解決 愛知県の日本高圧電気は、ENEOSとの共同プロジェクトとして、日本初の「EVトラック対応の商用車向け共用充電ステーション」を設置し、東京都江東区のトラックステーションにて2024年7月から実証実験を開始したことを発表した。 ENEOSの抱える「スペース制約のため高圧受電設備の設置が困難」という課題に対し、配電機器メーカーの日本高圧電気は柱上高圧受電装置を提案。これにより、コンパクトかつ安全に高圧受電装置を設置することが可能になったという。 通常、急速充電設備を設置するには高圧受電設備(キュービクル)を用いるのが一般的だが、サービスステーションやトラックステーションのような場所では、安全性担保の観点から地面に高圧受電設備を置くことに多くの制約がある。また、トラックの出入りをスムーズにするため広いスペースを確保しなければならず、従来のキュービクルでは場所の確保が困難であるという課題があったそうだ。 その課題解決に向けて提案されたのが「柱上設置型高圧受電設備」で、いわゆる電信柱の上に高圧受電設備の機能を集約して取り付ける方式だ。これを採用することにより地上設備の設置面積を大幅に削減し、狭小な場所での運用を可能にしたという。 日本高圧電気は、「柱上受電という新しい受電の形を通じて、従来の設置スペースの制約を超え、より多くの場所で高圧受電設備を導入できるようになります。これにより、EVの普及が進み、クリーンエネルギーの利用拡大に寄与することが期待されます。日本高圧電気は、今後もクリーンエネルギーのさらなる利用促進に貢献したいと考えています。」と今回の取り組みについてコメントしている。

TAG: #ENEOS #EVトラック #充電ステーション #日本高圧電気
TEXT:TET 編集部
定額サブスクは法人ユーザーにもメリット大! KINTOがトヨタのPHEV4車種の取り扱いを開始

クラウンスポーツ、プリウス、ハリアー、NXの4車種を設定 自動車のサブスクリプションサービスを展開するKINTOは、多様化する顧客ニーズへさらにきめ細かく対応するため、2024年8月上旬からトヨタが販売しているプラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いを開始する。 KINTOのサブスクリプションサービスは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月額利用料を支払い、車両を利用する仕組みだ。自動車販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きを行うことができ、契約満了の際に車両の状態が基準を満たせば、原状回復費用を支払うことなく車両の返却のみで済む「手軽さ」が特徴のサービスになっている。 契約にあたってはふたつのプランが設けられており、「初期費用フリープラン」の場合、まとまった資金の用意が不要で、3・5・7年のなかから契約期間を選ぶことができる。一方、「解約金フリープラン」の場合は所定の申込金を支払うことで、3年の契約期間中の中途解約にかかる費用の支払いが不要となるプランだ。借主が個人なのか法人なのか、直近の3年でクルマの使用環境が変化する可能性が多いのか少ないのかによって、プランを検討すればいい。 これまでKINTOではガソリン車のほか、ハイブリッド車(HEV)およびバッテリーEV(BEV)を取扱ってきた。しかし多様化する顧客ニーズに対し、さらにきめ細かく対応するためにはラインアップを一段と強化する必要があると考え、この一環としてプラグインハイブリッド車(PHEV)を新しく加えることを決めたという。 対象はトヨタブランドのクラウンスポーツ、プリウス、ハリアーの3車種と、レクサスブランドのNXの計4車種となるが、今後トヨタが新たに発売するPHEVも順次追加していく予定だとしている。4車種の取り扱いは2024年8月上旬より開始し、月額などの情報は取り扱い開始日からKINTOのWEBサイトで公開される予定だ。 CEV補助金を申請するならプラン選びは要注意 なお、PHEVの4車種をKINTOで契約し、クリーンエネルギー自動車を購入した際に交付される「CEV補助金」を使う場合には、当該車両を4年保有することが国で義務付けているため、トヨタブランドについては、「初期費用フリープラン」の5年または7年のいずれかを選択のうえで、顧客自身で補助金の申請をする必要がある。一方で、レクサスブランドについては、KINTO側で契約期間が3年と定められていることから、CEV補助金の交付条件から外れ、補助金を申請することができないので注意が必要だ。 余談ではあるが、KINTOで扱われるトヨタのEV専用モデル「bZ4X」は、2024年8月以降はそれまで契約期間が10年しか選べなかったものが、PHEVと同様に3・5・7年から選択できるように改善がなされる。むろんCEV補助金を申請する場合は、5・7年の契約が必須となるのも、PHEVと同様だ。 法人顧客がKINTOで得られるメリットとは? KINTOのサービスは、個人ユーザーだけでなく、PHEVのカーリースを検討中の法人や個人事業主の顧客のニーズにも対応しているという。主に経理面でメリットがあり、諸費用を一括した月額を支払う仕組みだから支出管理がシンプルになると同時に、カーリースと同様、月額を経費計上して損金扱いすることで、スムーズな会計処理につながるのだ。ただし、顧客の財務状況や車両の使用方法によって、メリット・デメリットが異なるため、契約にあたっては会計士や税理士に事前確認するようKINTOは呼びかけている。 さらに、法人ユーザーについては、社用車として利用する際の保険の補償対象を、役員や直接雇用関係にある職員とその家族まで広範囲に設定しているほか、人員に増減が発生しても契約内容をそのまま継続できるなど、メリットが豊富だという。顧客ごとに専任の担当者が付き、申込みの相談から利用中のサポートまでを担う「KINTOカスタマーセンター 法人サポートデスク」も設けられているなど、きめ細かなサービスが展開されている。 KINTOというと、サービス開始当初の宣伝イメージから、まとまったお金を用意しにくい若者が定額サブスクによって新車を無理なく乗れる新サービス、というイメージを抱きがちだが、実際には、今回触れている通り法人・個人事業主が経理上のメリットを享受できるサービスでもある。 PHEVの追加で既存のトヨタ、レクサス、スバル各ブランドのラインアップにも厚みが増す。この機会にKINTOを再考してみてはいかがだろうか。

TAG: #KINTO #PHEV #サブスク
TEXT:高橋 優
BYDがじわり進出もまだ日本のエンジン車が有利! EVシフトが進む「日本車天国」タイの動向

タイは日本の7倍EVシフトが進んでいる 2024年5月最新の、新興国タイ市場のEV普及動向が判明。すでに新車販売の10台に1台がバッテリーEVという、新興国のEVシフトのスピード感を解説します。 今回取り上げたいのが、東南アジア地域のEV普及動向です。長年、日本メーカーが圧倒的なシェアを築いてきていた、いわゆる日本の庭です。なかでもタイ市場は、日本メーカーの車両生産工場が集結していることから、東南アジアオセアニア地域における自動車生産のハブとなります。 ところが現在、中国の自動車メーカーたちがこぞって参入を表明し、EVを一気に投入することによって、EVといえば中国製というイメージが定着しつつある状況です。いずれにしても、EVシフトの流れが今後も加速していった場合、日本の庭が中国の庭へと変貌を遂げてしまうのではないかという懸念から、その動向が非常に注目されているわけです。 それでは、東南アジアのタイ市場の2024年5月におけるEV普及動向、人気のEVランキングについて見ていきましょう。 まず初めに、5月のバッテリーEVの登録台数は5474台と、前年同月と比較してもほとんど販売台数を伸ばすことができていない、EVシフト停滞の兆候が確認されてしまっている状況です。じつはタイ市場は、2024年シーズンからEVに対する税制優遇措置が変更されたことを受けて、その変更までに車両の購入を完了させようと購入ラッシュが発生。よって2023年12月と2024年1月の登録台数が急上昇していたものの、その反動もあってか、2月以降は落ち着いてしまっているのです。 次にこのグラフは、新車登録台数全体に占めるバッテリーEVのシェア率の変遷を示したものです。12月は20%の大台を突破。つまり、タイで登録された乗用車の5台に1台以上がバッテリーEVという、EV先進国並みの普及率にまで達していたものの、5月単体では9.84%と、シェア率を落としています。 それでも新興国であるタイで、10台に1台がバッテリーEVであるとイメージしてみると、EV購入ラッシュのあととしては、順調にEVシフトが進んでいるともいえそうです。 また、このタイ国内のバッテリーEVシェア率が、世界と比較してどれほどなのかを比較しましょう。タイ市場は10%弱というシェア率に留まっているものの、黄色で示された世界平均を少し下まわる程度で推移。いずれにしても、新興国であり、いまだに充電インフラの整備の過渡期である現状を踏まえれば、順調にEVシフトが進み始めている様子が見て取れます。ちなみに日本市場は1.44%だったことから、タイは日本よりも7倍EVシフトが進んでいる状況です。 それでは、このタイ国内でどのようなEVが人気であるのかを確認しましょう。まず初めに、BYDのコンパクトSUVであるATTO 3がトップにランクインしています。じつはATTO 3については、ドルフィンの登場によって若干のカニバライズもあってか、2024年に突入して以降、登録台数を伸ばすことができていませんでした。ところが3月末にも、全グレードにおいて最大20万バーツ、日本円に換算して85万円級の大幅値下げを断行していたという背景が存在します。よって5月以降に登録台数に反映され始めているわけです。

TAG: #タイ #東南アジア
TEXT:TET 編集部
EV用充電器を潮風から守れ! 耐塩害ボックス付き充電器をアウディジャパンがまさかの自社開発

本気でEVの充電環境を考え自社開発 アウディは、EVの利便性を向上させるために独特なアプローチを行っているブランドだ。 インポーターのアウディ ジャパンは、現在独自に8kW普通充電器の設置を全国で進めており、6月末時点で103か所202基の設置が完了している。また、急速充電器としては、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのBEVオーナーを対象に提供する、最大150kWの急速充電ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」を国内ディーラー網で展開し、さらに都市部のユーザー向け蓄電池型超急速EV充電施設「Audi charging hub(アウディチャージングハブ)」の運営も行うなど、各地のニーズと環境に準じた充電ネットワークの拡充を行っている。 そんなアウディ ジャパンがEVの利便性向上の次なる一手として発表したのが、海辺に設置する電気自動車(EV)用充電器を塩害から守るボックス付き充電器だ。しかもなんと自社開発だというから恐れ入る。 この耐塩害ボックス付き充電器が設置されたのは鹿児島県屋久島の「THE HOTEL YAKUSHIMA Ocean & Forest」というホテルの一角だ。アウディは2023年7月に、屋久島町とアウディ正規ディーラーを運営するファーレン九州の3者間で包括連携協定を結んでおり、その一環で島内の4か所に7基の8kW普通充電器を寄贈している。 そのうちの1か所である「THE HOTEL YAKUSHIMA」には普通充電器が2基設置されているものの、雄大な東シナ海を望む海岸沿いに建つホテルだけに、EV充電器の設置には塩害を防ぐ対策が必要だった。何せ潮風に含まれる塩分は、電気機器を腐食し劣化させてしまう恐れがあり、機器の不具合の原因となりかねないからだ。 そこでアウディ ジャパンは充電器の設置を拡大するだけでなく、各地域の自然と共存できるような設備を整えることが、EVを普及させる上でも大事なことであるとしており、専門家のアドバイスやガイドラインを参照して、自社で「EV充電器用耐塩害ボックス」を開発してしまったのだ。 ボックスには、SUS(304)というニッケルを多く含んだ耐食性に優れたステンレス鋼板が採用されている。また、塩害を防ぐ強力な特殊塗料を塗布し、潮風の塩分から充電器を守る工夫を施している。海岸沿いの屋外駐車場という立地条件から、吹き付ける強風にも耐えられるよう、充電器をアンカーボルトで強固に固定する対策も行っている。 一方で、充電の利便性を損なわないよう、ボックス中央部に開口部を設けて充電ケーブルを通し、ボックスの扉を閉めたままでの充電を可能にしている。開口部にはブラシを付けることで、充電時のケーブルの動きにも対応できるよう工夫がされている。 同ホテルでは、先の包括連携協定の一環として、アウディの電気自動車「e-tron」のレンタカーサービスを運営しており、今回耐塩害ボックス付き充電器を設置したことで、屋久島での電気自動車の利便性のさらなる向上が期待できるとしている。 アウディ ジャパンはEVを販売するだけでなく、購入後の利便性や常日頃目にする細部のディテールにまで気を配り、地域性や環境を考慮したブランディングがなされている。それはまさに「ブランドは1日にして成らず」を地で行く地道な活動だ。

TAG: #アウディ #充電器 #普通充電
TEXT:TET 編集部
ミニキャブEVを日本郵便から3000台の大量受注! 郵便配達を支え続けた11年の三菱の実績が実る

先代「ミニキャブミーブ」の納入実績は驚異の5000台以上 2024年7月8日、三菱自動車が日本郵便から集配用の車両として、同社のワンボックスタイプ軽商用電気自動車「ミニキャブEV」を3000台受注し、2024年秋から順次納入を開始すると発表した。 日本郵便には「ミニキャブEV」の先代モデルである「ミニキャブミーブ」を、2013年から5000台以上納入してきた実績がある。そのミニキャブミーブは、2023年12月に新型の「ミニキャブEV」に進化を遂げ、駆動用バッテリーは電池容量を旧型比で25%向上させたほか、モーターとインバーターを一体化構造にするなど、効率向上を図って航続距離を35%向上させている。 今回の新型ミニキャブEVの大量受注に至った背景には、これまで約11年にわたって従来型のミニキャブミーブを使用してきた実績と、それに基づいた性能向上が盛り込まれたモデルチェンジが為されていること、この2点が大きく影響しているはずだ。 何せ先代ミニキャブミーブは12年間で約1万3000台が製造され、そのうち5000台以上が日本郵便に納入されているのだから、三菱自動車が大口顧客にとって使いやすいクルマに仕上げ、再度受注を狙ってくるのは当然のことであろう。 「ミニキャブEV」は、ルート配送に十分な航続距離180km(WLTCモード)を実現している。大容量の荷室空間をもち、重い荷物を積載した場合でも、滑らかで力強いモータードライブでキビキビと走行することができる。 さらに、CO2を含めたガスをまったく排出しない環境性能だけでなく、閑静な住宅街での集配でも音を気にする必要のない静粛性の高さや業務時間内の給油の手間を省ける利便性などが、日本郵便では好評を博しているという。ラストワンマイルの課題解決に貢献するとともに、温室効果ガス排出量の削減を目指す日本郵便の環境マネジメントの推進にも寄与するという。 三菱自動車の加藤隆雄社長は、日本郵便へのミニキャブEV大量納入にあたって、次のようにコメントしている。 「現在、世界中で急速に進んでいる脱炭素社会にむけた取り組みへの対応を求められています。この度、日本郵便さまより新たに3000台のご契約をいただいたことは、長年ご使用されるなかで高い評価をいただけた結果と認識しており、大変ありがたく思います。今後も当社は、電動車の開発・生産・販売を行うだけでなく、電動車への共感を広げる活動を通じて普及活動に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えております」 日本郵便では集配用車両の電動化だけでなく、日頃、各家庭に郵便配達を行うバイクの電動化も急速に進めている。住宅街でひっきりなしにストップアンドゴーを繰り返すバイクの音は、少々耳障りに感じる面もあったが、電動化により劇的に騒音が改善されたと感じている。ルート配送の集配車両であっても、全国津々浦々に郵便局を構える日本郵便だけに、EVによる騒音低減は我々の住環境にとって非常に効果的でありがたい。 業界に先駆けEVの軽商用車を設定した三菱自動車と、それを今日も変わらず採用を続ける日本郵便の姿勢を評価したい。

TAG: #ミニキャブ・ミーブ #ミニキャブEV #三菱 #日本郵便 #軽商用EV
TEXT:高橋 優
人気の軽EVのライバルとなるか? 日本導入も確実なヒョンデの小型EV「インスター」の気になる中身

ただの格安EVじゃない! 韓国ヒョンデが新型EVとして、全長3825mmという、日本の軽自動車に近しいコンパクトなサイズ感を実現しながら、355kmというゆとりの航続距離を確保したインスターを発表した。2025年早々にも日本国内でも発売される可能性が濃厚という最新EVについて解説します。 ヒョンデが最新EVとして、インスターのワールドプレミアをしました。このインスターについては、全長が3825mmという非常にコンパクトなサイズ感であり、2021年から韓国国内で発売されていた、ガソリン車のキャスパーのEVバージョンとなります。 やはりコンパクトなEVというのは、ヒョンデの主要マーケットのひとつでもある欧州市場とインド市場などで重要なモデルとなります。セダンとしてIONIQ6をラインアップしながら、SUVとしてはIONIQ5、コナ、そして今回のインスターと、ミッドサイズからコンパクトまでをラインアップ。さらに2024年末ごろにも、3列目シートを備えた大型SUV、IONIQ7の導入も控えています。 いずれにしても、今回の最小EVであるインスターは、ヒョンデのEVの全方位戦略を補完する上で極めて重要なモデルと位置づけられるでしょう。 それでは、今回発表された小型EVであるインスターについて、気になるEV性能を一挙にまとめていきましょう。 まず初めに、全長3825mm、全幅1610mm、全高1575mm、ホイールベースが2580mmと、たとえば、トヨタ・ヤリスが全長3950mm、全幅1695mmなので、ヤリスよりもひとまわりコンパクトという、非常に小型なサイズ感である様子がイメージ可能です。 次に、搭載バッテリー容量は、エントリーグレードの42kWhとロングレンジグレードの49kWhの2種類をラインアップ。WLTPサイクルをベースにした、WLTCモードクラス3において最大355kmという航続距離を実現しています。 この電池容量は私の想像を超える大容量でした。というのも、このような小型EVについてはバッテリー容量を抑えてくるのが通例です。たとえば欧州でスマッシュヒットを記録していたDaciaのSpring Electricは、26.8kWhというバッテリー容量。中国国内のベストセラー車、BYD Seagullも、エントリーグレードは30.08kWh。やはり30kWh程度がひとつの基準となっています。 つまり、今回のインスターの商品設計は、ただの格安EVとして設計していないと見るべきなのです。 また、同時に注目するべきは、その充電性能です。最大120kW級の急速充電に対応することによって、充電残量80%までにかかる時間も30分程度を実現。さらに、オプション設定として、バッテリーヒーティングシステム、ヒートポンプシステムも搭載可能であることで、冬場におけるEV性能も担保可能です。 さらに、車内に200Vコンセントが搭載されていたり、充電ポートからも電力を取り出すことが可能という点も注目ポイントでしょう。 インテリアでも、50:50に分割可能な後席シートは完全にフルフラットに折りたたむことが可能。1列目のシートもフラットに折りたたむことが可能な設計によって、専用のマットレスを購入すれば、大人ふたりが宿泊可能な車中泊にも対応可能です。 つまり、ただの街乗り専用の小型EVのような使い方だけではなく、中長距離を走破可能な航続距離や充電性能を兼ね備えながら、小型EVとしては比較的大きなバッテリーサイズを搭載することによって、EVの使い方をさらに広げるモデルとなっているわけです。

TAG: #インスター #小型EV
TEXT:TET 編集部
アウディの電動SUV「Audi Q8 e-tron」を京都で2泊3日モニター試乗! そのほかの賞品も充実したキャンペーンが実施中

2泊3日でアウディe-tronを堪能できるキャンペーン アウディ ジャパンが、2024年7月28日まで「Audi Q8 e-tron Sustainable Drive in Kyoto」と題したキャンペーンを実施している。このキャンペーンは、アウディの電動SUV「Q8 e-tron」の力強さや機能性を2泊3日にわたって体感できる宿泊付きモニター試乗が1組2名ずつ、合計2組4名にプレゼントされるもの。モニター試乗当日は、アウディの専属インストラクターが、当選者の自宅や最寄りの駅、空港などにQ8 e-tronで迎えに来てくれ、操作方法や機能、特徴を説明してくれるという。 宿泊先は、京都・西本願寺の門前町に構える高級ホテル「デュシタニ京都」がアサインされる。日本の繊細な伝統文化と、デュシタニの祖国タイの優雅なホスピタリティが織り交ざった最高級のおもてなしを提供するデュシタニ京都の、スイートルーム「One Bedroom Suite」で優雅なひとときを過ごすことができる。 同ホテルには、アウディの電気自動車用8kW普通充電器が2基設置されているため、Q8 e-tronでの旅の間の充電に利用することができる。また、このキャンペーンでは宿泊付きモニター試乗のほかにも、ビジネスや週末の旅行に最適なサムソナイト製のAudi トロリーケースが賞品として10名分用意されている。 さらに、同期間にソーシャルメディアキャンペーンも開催されている。アウディジャパン公式FacebookとInstagramのフォロワーで、公式ページとキャンペーン投稿に「いいね」をした人のなかから、抽選でデュシタニ京都の1泊2日宿泊券が3組6名、Audiオリジナルロゴ入りポーチが10名にプレゼントされる。 なお、アウディは2023年10月からデュシタニ京都と、サステナブルなホテル体験を提供するためのコラボレーションを始めている。その一環としてアウディからデュシタニ京都に対し、アウディ純正の8kW普通充電器が2基贈られ「デスティネーションチャージング」として活用されている。 また、ホテルVIP宿泊客の送迎やホテルプランの送迎用に「アウディQ8 e-tron スポーツバック 55 クアトロ」を常駐させており、宿泊客の旅をアウディが誇るEVでサポートしている。 詳しいキャンペーン内容は以下のとおりだ。 ■ Audi Q8 e-tron Sustainable Drive in Kyoto キャンペーン <応募期間> 2024年6月24日(月)– 2024年7月28日(日) <賞品> アウディ Q8 e-tron 3日間宿泊券付きモニター試乗 (合計2組4名) ・モニター試乗実施期間: 2024年9月14日 (土) から2024年9月16日 (月) 、もしくは 9月21日 (土) から9月23日 (月) ※申込時に日程の選択が可能だが、当選者都合による日程の変更はできない。 ・宿泊施設:デュシタニ京都 […]

TAG: #Q8 e-tron #アウディ #キャンペーン #試乗モニター

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