インタビュー
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スペクターの開発責任者が語るロールス・ロイスにとっての「電気化」とは


TEXT:小川 フミオ
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前回:ロールス・ロイスがBEVを手がけることとは。開発責任者が語る「スペクター」開発ストーリー

BEVを作るではなく、ロールスロイスを作る意識。スペクターの開発責任者のドクター・ミヒア・アヨウビ氏は語る。この理由を、自動車ジャーナリスト・小川フミオがインタビューを通して明らかにする。

それは1本の電話からはじまった

ーー最初に、ロールスロイスがBEVを作ると、トルステン・ミュラー=エトベシュCEOから連絡があったのですね。
「はい、それは電話で、夜中の2時でした。”ミヒア、BEVを作ろう”と。私は即座に応えました。”ロールスロイスを作るんですね”と。エンジニアたちやデザイナーたちのあいだで、このことはマントラのように唱えられているんですが、では、ロールスロイスって何を意味しているのか。作るがわからすると、ロールスロイスのプロダクトは、すばらしいデザインと、みごとな技術とクラフツマンシップが融合したものです」

ーーもういちど確認させてください。そこにはBEVであることが重要な要素だったですか。
「電気化をまっさきに強調する意味はないんです。電気化は、いってみれば、なんでもないのです。電気化されたドライブトレインは、たしかに現在最高レベルにあると自負しているものの、でも、スペクターという新型車を構成するたんなる部品にすぎないのです」

エモーショナルなものに

ーーV12気筒エンジンへの自然な置き換えなのですね。
「これまで私たちの顧客は、ロールスロイス車のV12の静粛性と、大きなトルクを使ってアクセルペダルを強く踏まなくても進んでいく独特な走りと、変速ショックが感じられず、1段のギアだけしか使っていないようなスムーズさを愛していました。電動化は時代の趨勢という部分もありますが、それより、私たちにとっては、当然の移行という側面が強いのです」

ーーついにこのときが来た、ということですか。
「私たちは長いあいだ、BEVを研究してきました。その過程で、たとえば102EXと名付けたコンセプトモデルを公開しました」

ーー4ドアセダンである「ファントム」をベースにした電動車として、2011年のジュネージ自動車ショーで公開されたモデルですね。エンジンルームに、モーター、インバーター、バッテリーを入れて、車体色は「アトランティッククローム」なる明るいブルーの車体色で、輝くスピリット・オブ・エクスタシーも印象的でした。
「いまを電気の時代というなら、このときにロールスロイスがBEVを出すなら、私たちにとって最初の量産BEVは、デザイン的にも、観たひとの気分を沸き立たせるようなエモーショナルなものであるべきです。そこでスペクターはクーペボディになりました。シルエットの美しさを実現するのは、デザインチームにとって、なかなかたいへんな作業だったようですが。サルーンやSUVを作るのも、私たちにとってはむずかしいことではありません」

Vol.3へ続く

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