試乗
share:

このサイズでこの電費!? 予想を超える低電費に驚き! [メルセデス・ベンツEQE試乗記]


TEXT:生方 聡
TAG:

前回:無数のスリーポインテッド・スター、開かないボンネット!? [メルセデス・ベンツEQE試乗記]

215kWの電気モーター1基で車両重量2.4トンのボディを加速させるEQE 350+。その走りの実力と電費をチェックする。

力強さと上質さを両立

クルマに近づくと、ポケットに入ったリモコンキーに反応して、格納式のドアハンドルが自動的にせり出し、ドライバーを迎え入れてくれる。運転席に収まり、まずはブレーキを踏んでスタートボタンを一押し。最近はこのプロセスを必要としないEVが増えているが、このEQEはこれまでどおりのスタイルだ。走り出すまでにひと手間増えるが、少なくとも私はこの儀式があるほうが安心できる。

さっそく基本のコンフォートモードで走り出すことにする。発進はスムーズで穏やか。そこからアクセルペダルを軽く踏み込んでやると、素早く余裕あるトルクを発揮して、車両重量2.4トンのボディを軽々と加速して見せる。その際に過敏な動きはなく、常に上質さを保つのはメルセデスの伝統だろう。アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、過激なほどの加速はないものの、スピードはぐんぐん上がり、まわりのクルマを余裕で置き去りにするだけの速さを持ちあわせている。2輪駆動とはいえ、後輪でしっかりと大トルクを受け止めてくれるから、加速時の姿勢も安定しきっている。

スポーツモードに切り替えるとアクセルレスポンスが向上。一方、エコモードではアクセルペダルが重みを増し、モーターの反応が鈍くなる印象。そもそも扱いやすさを重視した特性を持つEQE 350+では、基本的にはコンフォートモードのままで運転するのが、その性格にぴったりだろう。

選べる回生ブレーキ

走行中にアクセルペダルを離したときに、モーターで充電しながら減速を行うのが“回生ブレーキ”。EQEではその特性を4パターンから選ぶことができる。切り替えはステアリングホイールのパドルを使い、標準の「D」(普通回生)はやや弱めであるのに対して、「D-」(強化回生)は強めになり、アクセルペダルの操作だけで加減速がほぼ可能だ。設定で“クリープ”をオフにすれば、アクセルオフでクルマを停止できるようになる。回生を行わない「D+」(回生なし)も選択が可能で、自分好みの設定が見つかるのがうれしい。

面白いのが「D Auto」(インテリジェント回生)で、先行車との距離や道路状況により自動的に回生ブレーキの強さをコントロールしてくれるというもの。比較的交通量の多い高速道路を走るときなどには重宝するが、先行車がいないと基本的には回生なしになるのは要注意。私のオススメは、通常はD-、高速はD Autoという選択である。

EQEの電費については驚くばかりだった。カタログを見ると、WLTCモードで176Wh/km、WLTC-Hモード(高速道路モード)で184Wh/km。これを1kWhあたりの距離で表すと、それぞれ5.7km/kWh、5.4km/kWhになる。一方、比較的空いた郊外の一般道では8.1km/kWh、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックを用いて高速道路を100km/hで巡航したときには6.9km/kWhを示した。これはコンパクトSUVタイプのEVを上回るほどの低電費であり、高効率のパワートレインやエアロダイナミクスに優れる背の低いボディが低電費に貢献しているのは容易に想像できる。

急速充電能力も高く、新東名の駿河湾沼津サービスエリアの150kW急速充電器では、前半15分に125kWを確認。30分間の充電でSOC(バッテリー充電率)は41%から88%になり、航続距離も279km増えるなど実に心強い。単に一充電走行距離が長いだけでなく、低電費と高い急速充電能力を兼ね備えるEQE 350+は、長距離ドライブに打ってつけの一台といえるだろう。

次回:ドライブに行きたくなる! ドライバーもゲストも満足の走り[メルセデス・ベンツEQE試乗記]

Mercedes-Benz EQE 350+

全長:4,970mm
全幅:1,905mm
全高:1,495mm
ホイールベース:3,120mm
車両重量:2,390kg
前後重量配分:前1,150kg、後1,240kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:176Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:624km
リアモーター最高出力:215kW(292ps)/3,559-15,913rpm
リアモーター最大トルク:565Nm/0-3,559rpm
バッテリー電力量:90.6kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:4リンク式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:255/45R19
最小回転半径:4.9m
荷室容量:430L
車体本体価格:12,510,000円
※AMGラインパッケージ、パノラマスライディングルーフ装着車

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ゲーミングPCでお馴染みの「MSI」がEV用充電器に参入ってナゼ? 設置とサポートを行う「パルコミュニケーションズ」に魅力を聞いた【後編】
ゲーミングPCでお馴染みの「MSI」がEV用充電器に参入ってナゼ? 狙いと魅力を直撃取材した【前編】
日本に何が起こった? BEVが売れない……ハズが2025年10月は電気自動車が売れまくっていた
more
ニュース
日本専用チューニングを施したヒョンデの新型FCEV「ネッソ」が発売開始! 価格は実質603万円から
5C超急速充電で300km6分の衝撃スペック! 日産が新型SUV「NX8」を中国市場に投入
4年連続EV販売トップの新色は「水面乃桜」! 日産サクラがマイナーチェンジで外観先行公開
more
コラム
「EVってぶっちゃけ楽しい?」 エンジンをぶんまわして走り続けてきたレーシングドライバーに直撃!
ホンダと日産の合併話のときにチラチラ見え隠れしていた台湾のホンハイ! EV事業の本格始動で何が起こる?
環境性能割の2年間停止で買いやすくなるのはエンジン車! エコカー普及の目的と矛盾するけどそれでいいのか日本政府
more
インタビュー
ゲーミングPCでお馴染みの「MSI」がEV用充電器に参入ってナゼ? 設置とサポートを行う「パルコミュニケーションズ」に魅力を聞いた【後編】
ゲーミングPCでお馴染みの「MSI」がEV用充電器に参入ってナゼ? 狙いと魅力を直撃取材した【前編】
「BMWの核はセダン」。「i5」での表現は、BEV世代のセダンの在り方を示している。
more
試乗
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
マイチェンで名前まで変わった「アウディQ8 e-tron」ってどんな車? [Q8 e-tron試乗記]
more
イベント
東京湾岸に140台超のEVが集結で大盛り上がり! 「NEW YEAR EV MEET 2026」の勢いがスゴすぎた
日本生まれの英国EVスポーツクーペや全幅1m切りの小型モビリティなどEVも元気! 会場で見つけた気になるEV一気見せ【東京オートサロン2026】
新型レクサスESがモデリスタ仕様で登場! ヒョンデはMIYAVIコラボで対照的なEV披露【東京オートサロン2026】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択