先読み充放電まで採用した最新e-POWER
そんな第1世代初期のe-POWERと比べると、今回乗ったセレナ搭載の最新e-POWERは“まるで別物”であり、“まるでBEV”と表現できるほどだ。
e-POWERは、日本では「キックス」から第2世代となり、現行「ノート」に引き継がれた。ハードウエアではインバーターをエンジンと一体化させ、大きさで40%小型化・質量で33%軽量化した。また、「エンジンをかける頻度を極力抑えた」(e-POWER開発者)という、路面上状況など外乱が強い場合にエンジンをかけ、乗員に対するエンジン音の抵抗感を減らした。
さらに、最新e-POWERではエンジンサイズを1.2Lから1.4Lに拡大し、発電機としての出力を上げ、また相対的に回転数を下げることで燃費向上も実現している。
さらには、GPSなどを使い「ルート上の充放電を先読みする発電制御」を新たに採用した。
具体的には、走行ルートの先に下り坂を多い場合、これまではバッテリーが満充電の状態になっていたが、回生ブレーキが作動することを見越して、下り坂に入る前に積極的にバッテリーから放電してモーターを駆動させる。また、市街中心部などに近づいた場合、騒音への配慮から市街中心部で十分なBEV走行ができるよう、事前にバッテリーの充放電をコントロールする。
日産としては今後、e-POWERを北米や中国でも拡充させる計画で、国や地域の規制によって左右される次世代BEV普及に向けた“架け橋”としてe-POWERに対するさらなる期待がグローバルで高まりそうだ。
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