インタビュー
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レンジローバーのBEVが間もなく誕生。ランドローバー新担当が語る「電動化の魅力」とは


TEXT:小川フミオ
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競合車のことは意識せず

ジャガー・ランドローバーの新グローバル戦略「Reimagine」のイメージ

この先2020年代中に6車種のランドローバーが電動化されるという。ただし、静粛性や走行性能など、電動車のいいところを、内燃機関のまま実現しているようなレンジローバーだけに、オーナーにとって電動化はどんなメリットがあると説得するのだろう。

「私にとって、ピュア電動化の大きな魅力は、給油所に行かなくてよくなることです」

インガム氏は即座に答えてくれた。

「場所によっては、給油のために列に並んだり、あえて言うなら、無駄な時間が多くあるので、その節約になります。多忙なレンジローバーのオーナーにとって、それだけでも大きなメリットだと思います」

インタビューの最後に、レンジローバーは電動化によって、競合にどのように差をつけていこうと考えているか。新しい担当としての考えを聞きたいと思った。

2023年4月に、ジャガー・ランドローバーは、今後5年間で150億英ポンド(1英ポンド=172円として約2兆5759億円)を、車両開発、AIを含めたデジタル技術開発、それに人的資源に投下すると発表。

はたして、レンジローバーは何を見ていくことになるのだろうか。

「デザインとかラグジュアリー性とかいろいろあるでしょうが、レンジローバーでは、市場でライバルになる競合車のことは意識していないのです」

それには私も少々驚きました、とインガム氏はつけ加えた。

「私の前の会社では、競合のことばかり話していましたが(笑) 自信をもってプロダクトを作っているんです。電動化に際しても、それは変わらないんです」

レンジローバーのグローバルマネージングディレクター、ジェラルディン・インガム氏

ジェラルディン・インガム(Geraldine Ingham氏)プロフィール

2023年4月〜ジャガー・ランドローバー:レンジローバー担当グローバルマネージングディレクター
2020年−2023年 Meta(Facebook)自動車部門グローバル・ディレクター(ロンドン)
2017年−2020年 フォルクスワーゲンUK:マーケティング・ディレクター(ミルトン・ケインズ)
2014年−2017年 日産フランス:マーケティング・ディレクター(パリ)
2011年−2014年 日産ヨーロッパ:スモールカー・プロダクト責任者(ジュネーブ)
2002年−2011年 日産自動車:プロダクト、セールス、プランニング&ファイナンス・マネージャー(英国)
1993年−2002年 ルノー・フランス:チーフ・バイヤー、プラットフォーム・エコノミスト(パリ)
1990年−1993年 日産UK:購買担当グラジュエート・コントローラー(英国)
INSTEAD Franceで国際マーケティングのエグゼクティブプログラムを専攻
アストン大学(英国バーミンガム)でビジネスおよびフランス語を専攻

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