みんなが乗るものこそ、大切にしたい安全性
安全な運行には、周囲の状況を把握することが必要であるが、車両が大きいため、死角が多くなってしまう。それらの問題を解決すべく、ミラーだけではなく、サイドミラーの視野範囲を映し出すMirrorCamシステムや車両下部を映し出すCornerEyeカメラを装備している。それによって、ドライバーはバスの前方とフロントエントランスドアの横を可能な限り見渡すことができるようになる。また、歩行者検知機能付サイドガード・アシストと、市バス初のアクティブブレーキアシストシステムであるプリベンティブブレーキアシストが装備されているため、もしもの時にもサポートをしてくれる。
気候保護戦略の一環として
ブレーメン路面電車会社は現在、約130台のトラムと約240台の低床ソロバス、連接バス、ミディバスで、1日に約25万人を輸送している。バスの路線ネットワークは、約40路線、総延長約480kmで構成されている。それらの市バスのうち、約100台はメルセデスの車両で、そのうち83台は連結バスだ。
メルセデスの車両を多く、取り入れる同社であるが、今回受注した電気自動車 eCitaro Gは、気候保護戦略の一環のようだ。同社は2025年までに、ブレーメンにおける営業成績の約50パーセントを、排出ガスを出さない地域輸送にするという目標を立てており、今回の車両導入がその大きな一歩となる見込みだ。
なお、日本では、日本バス協会が、2030年までに累計1万台のEV(電気自動車)バスを業界内で導入する目標を明らかにしている。電動化されたバスは、まだまだ、街で見かけることはないが、今後一気に展開されていくようだ。音の出ない静かなバスで、街がいっぱいになる未来は、そう遠くないのかもしれない。
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