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カワサキが市販間近のEVバイクを発表![EICMA(ミラノモーターサイクルショー)レポート:その1]


TEXT:小川 勤
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コミューター=スクーターの形じゃ面白くない

「EVをやるにしても最初からニンジャかZと決めていました。カワサキにスクーターやコミューターのイメージはありませんからね」と語るのは、カワサキの先進技術&カーボンニュートラルの総括部長である松田義基さん。

松田さんは世界最高峰のロードレースであるMotoGPを担当し、その後はニンジャZX-10Rなどのスーパースポーツも担当。カーボンニュートラルからもっとも離れたプロダクツを開発していた。僕はこれまでに何度か松田さんとお話しさせてもらっているが、松田さんはとにかくアイデアが豊富で牽引力のあるカワサキのキーパーソンである印象。現在も量産車すべてとジェットスキーなども担当している。

松田さんはMotoGP参戦が終了した2010年あたりからEVの開発をスタート。『やるならバイクのカタチ』そう決めて、バッテリーのレイアウトやモーターの使い方などEVバイクに必要な特許を次々と取得していった。

「2010年頃のEVはスクーターの形をしたものが大半でした。でもカワサキがやるなら本気でバイクの形の物を作ろうとスタート。そこからは市場ができてきたらいつでもGOできるように開発していました。今回展示しているものは、耐久試験も済ませ、普通のプロトタイプよりも完成度が高いです。従ってEVニンジャとEV Zの2台は、ほぼ市販の形になります。

なぜ開発中のモデルをこうして見せているのかというと、こういった先進的なものをぎりぎりまで内緒にしていて、発売直前に出すものではないと思ったんです。ガソリン車だったらメーカー同士が接戦をしているからギリギリまで隠しますが、EVやハイブリッドはどこもやっていないので、我々が手掛けていることを早めに発表した方がメリットがあるんです」と松田さん。

ちなみにEICMAでは多くのベンチャー企業がEVモデルを発表。形だけの物もたくさんあったが、日本メーカーがこうして市販品に近いモデルを発表した意味は大きく、欧州市場に大きなインパクトを与えていたのが観客の活気からも感じられた。

 

>>>EICMAレポートその2はこちら

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