試乗
share:

906万円は高い? 安い? [メルセデス・ベンツEQB試乗記:その4]


TEXT:生方 聡 PHOTO:WEB CARTOP, 生方 聡
TAG:

改善してほしいのは?

EQB 350 4MATICの電費は、WLTCモードで163Wh/km、WLTC-Hモード(高速道路モード)で172Wh/km。これを1kWhあたりの距離で表すと、それぞれ6.1km/kWh、5.8km/kWhになる。アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックを用いて実際に高速道路を100km/hで巡航したときの電費は5.3km/kWhとカタログ値には届かなかったが、比較的空いた一般道では7km/kWhを上回ることもあり、SUVスタイルのボディとパワフルなモーターが特徴のEQB 350 4MATICでは、速度の上昇が電費に大きく影響しているのがわかる。

試乗の途中では90kW級の急速充電器を利用したが、バッテリー残量が低い状態では70kW以上の出力が確認できた。メルセデス・ベンツ日本によれば、EQAで80kW以上の充電実績もあるというから、この充電性能は経路充電が必要な場面では実に心強い。

ひとつ気になったのが、コクピットディスプレイと呼ばれる液晶メーターに表示されるバッテリー残量。残量を示すバーと走行可能距離は表示されるが、残り何%という数字はない。ダッシュボード中央のメディアディスプレイでエナジーフロー表示を選べば確認できるとはいえ、やはり常に見ることができるメーターパネルに表示がほしい。

ただ、どうしても改善してほしいのはこのくらいで、EQB 350 4MATICの仕上がりはさすがメルセデスといえる完成度だ。このセグメントのEVとしては高額なモデルだが、それにふさわしい価値が感じられる一台である。

Mercedes-Benz EQB 350 4MATIC

全長:4,685mm
全幅:1,835mm
全高:1,705mm
ホイールベース:2,830mm
車両重量:2,180kg
前後重量配分:前1,070g、後1,110kg
乗車定員:7名
交流電力量消費率:163Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:468km
システム最高出力:215kW(292ps)
システム最大トルク:520Nm
フロントモーター最高出力:143kW/5,800-7,600rpm
フロントモーター最大トルク:370Nm/0-3,600rpm
リアモーター最高出力:72kW/4,500-14,100rpm
リアモーター最大トルク:150Nm/0-4,500rpm
バッテリー電力量(NET):66.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:4WD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ディスク
タイヤサイズ:235/45R20
最小回転半径:5.5m
荷室容量:110L
車体本体価格:9,060,000円



TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
ミラーとタイヤとホイールをとことん突き詰めたら600kmオーバー! アウディEV史上最長の航続距離を実現するパッケージが登場
イケイケのBYDの次なる一手は認定中古車市場への進出! 「BYD CERTIFIED」開始でEV購入のハードルがダダ下がり
ホンダの「H」マークが様変わり! 新たなEVシリーズを2024年末以降に発売予定
more
コラム
テスラが日本で全車30万円一律値下げ! 補助金が制限されるもお買い得度ではモデルYが圧倒!!
イケイケだったテスラに何があった? イーロンマスクが1.5万人規模のリストラを発表!
固体電池を早くも実用化! 中国のEVセダンは競争激化で「価格も航続距離も性能も」驚異的な世界に突入していた
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択