試乗
share:

「アリア」が挑むのは電気自動車の激戦区 [日産アリア試乗記:その1]


TEXT:生方 聡 PHOTO:WEB CARTOP
TAG:

2種類のバッテリー、2種類の駆動方式

前後アクスル間の床下には、駆動用リチウムイオン・バッテリーが敷き詰められている。アリアには搭載するバッテリー容量により、B6とB9が用意され、その容量はB6が66kWh、B9では91kWhに増やされる。急速充電は最大130kWの高出力に対応している。リーフと異なり、バッテリーには水冷式の温度調節システムが搭載されており、気温が変化しても充電能力が確保されるというのも見逃せないポイントだ。

B6とB9のそれぞれに、2WD(FF)と「e-4ORCE」と呼ばれる4WDが設定されており、主要なスペックは次のとおりだ。

グレード 駆動方式 前モーター 後モーター 総出力 バッテリー容量 一充電走行距離
B6 2WD FF 160kW —— 160kW 66kWh 470km
B6 e-4ORCE 4WD 160kW 160kW 250kW 66kWh 460km
B9 2WD FF 178kW —— 178kW 91kWh 640km
B9 e-4ORCE 4WD 160kW 160kW 290kW 91kWh 540km

今回、試乗したのはエントリーグレードにあたるB6の2WD仕様で、フロントに搭載される交流同期モーターは最高出力160kW(218ps)、最大トルク300Nm(30.6kgm)の実力。WLTCモードにおける交流電力量消費率は166Wh/km、一充電走行距離は470kmを達成する。このクラスのEVとしては標準的な性能であり、さらに長い航続距離を望む人にはB9という選択肢が用意されているというわけだ。

なお、試乗車には、「プロパイロット 2.0」と呼ばれる運転支援システムが装着されており、一定の条件下で高速道路の同一車線内でハンズオフ(ステアリングホイールから手を離して走行すること)が可能である。アリアB6 2WDではプロパイロット 2.0はメーカーオプションであり、「BOSEプレミアムサウンドシステム」や特別塗装色などを含めると、メーカーオプションの価格は88万3300円、車両本体価格と合わせると627万3300円になる。

<つづく>

NISSAN ARIYA B6 2WD

全長:4,595mm
全幅:1,850mm
全高:1,665mm(プロパイロット2.0装着車)
ホイールベース:2,775mm
車両重量:1,960kg
前後重量配分:前1,050kg、後910kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:166Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:470km(WLTCモード)
最高出力:160kW(218ps)/5,950〜13,000rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/0〜4,392rpm
バッテリー総電力量:66kWh
モーター数:前1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:FF
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク
タイヤサイズ:235/55R19
最小回転半径:5.4m
荷室容量:466L
車体本体価格:5,390,000円




TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
70.5kWhの高電圧バッテリー搭載で一充電走行距離は591kmに延長! メルセデス・ベンツが新型EQAを発売
ファン待望のコンパクトモデルが「二刀流」で帰ってきた! アルファロメオ「ミラノ」改め「ジュニア」を名乗るHEV/BEVモデルを発表
日産がフォーミュラEサウンドをモチーフにしたサウンドトラック「エレクトリック・レガシィ」を公開
more
コラム
固体電池を早くも実用化! 中国のEVセダンは競争激化で「価格も航続距離も性能も」驚異的な世界に突入していた
日産が発表した中期経営戦略! 2026年に100万台の販売増加を打ち出した「The Arc」に立ちはだかるハードル
日産は電動車シフトに突き進む! 中期経営戦略「The Arc」の中身
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
全国約30カ所を巡る! BYDが展示&試乗イベント「Hello! BYD Caravan」を開催
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択