#VW
TEXT:小川フミオ
VWの新作「ID.GTIコンセプト」のデザインには、『伝説のDNA』が詰まっている!

「GTI」を、よりダイナミックでスポーティに、ピュアEVの世界へ。ID.GTIコンセプトにある伝統と革新を、アンドレアス・ミント氏に訊く。 電動GTIは、素晴らしい未来像を示す 2023年9月4日に発表された「フォルクスワーゲンID.GTIコンセプト」は、ゴルフやポロに設定されているアイコニックなスポーツモデル、GTIを電気自動車の時代に生まれ変わらせようというもの。 「私たちは、ID.GTIコンセプトによって、フォルクスワーゲンが作ったGTIの哲学が、この先にも、どれほど素晴らしい未来をもたらすかを示します」 そう語るのは、フォルクスワーゲン・ブランドのデザイン責任者を務めるアンドレアス・ミント氏。ベントレーのチーフデザイナーやアウディのエクステリアデザイン責任者という経歴をもつ。 2023年3月にハンブルグで発表されたコンパクトBEVのコンセプトモデル「ID.2 all」もミント氏の指揮下でデザイン開発された。 ハンブルグでのインタビューで、ホットモデルの可能性を示唆していたとおり、6カ月後に、このようなかたちでコンセプトが発表されたのだった。 「パワフルなID.2 allは、電動GTIの完璧なベースとなると確信しております。ID.2 allのスケッチを初めて紙に描いたとき、すでにGTIのイメージも思い浮かべていました」 ID.GTI(コンセプト)は、すぐれたデザインとテクノロジーを備えた、手頃な価格の量産モデルという位置付けだという。 「スポーティなアイコンモデル」(フォルクスワーゲン)をめざしており、そのために「力強いプロポーションと、四隅に配置されたホイールが明確に示す安定感」などを重要視したそうだ。 コンセプトとしているが、量産を視野にしている コンセプトというわりに、ボディディメンションなどは、はっきりした数値が発表されているのが興味ぶかい。 全長は4104mm、全幅は1840mm、全高は1499mm。ホイールベースは2600mmにおよぶ。オーバーハングは短くとられ、タイヤとホイールは、245/35R20と大きめだ。 デザインの説明にあたって、ミント氏は「伝統的でアイコニックなデザイン」を強調。レッドラインや、太いリアクォーターピラー、さらに初代GTIが装着していたスチールホイールのカバーをイメージして軽合金ホイールをデザインしたそうだ。 バンパーは、モータースポーツをイメージしたこのモデル独自のデザイン。中央に配置されたブラックのフロントスプリッターが目をひく。「IQ.ライト」と呼ばれるLEDマトリクスヘッドライトもスポーティな雰囲気だ。 雰囲気だけでなく、高性能のための機能も採用。たとえば、空力性能を最適化し、ブレーキ冷却のためにエアホイールハウジングにみちびき、そこからエアをきれいに外部に排出するためのエアカーテンをもつ。 インテリアは、初代GTIをアイコンに仕立てるのに大きく貢献したチェック柄のスポーツシート、くぼみのある衝撃吸収材を備えた3 本スポーク のステアリングホイール、そしてゴルフボールデザインのシフトレバーといった要素を組み合わせた。 ID.GTIコンセプトでは、ゴルフボールのデザインをセンターコンソールのマルチファンクション「GTIエクスペリエンス・コントロール」に“移植”するなど、部分的ではあるがオリジナルデザインの要素を継承。 スポーツシートには、とうぜんチェック柄を採用。パターンは伝統的に「Jacky(ジャッキー)」と呼ばれてきたが、今回は電気をひっかけて「Jack-e」と呼ぶそうだ。 ユニークなのは、10.9インチのデジタルディスプレイだ。表示を変えられるのが特徴で、「ビンテージモード」を選択すると、セカンドシリーズ以降の初代ゴルフGTIのメーターレイアウトを表示することも出来るそうだ。 発売は、2027年と言われている。デザインに力を入れるというフォルクスワーゲンの自信作ととらえられるID.GTIコンセプト、発売が楽しみだ。 <Vol.3へ続く>

TAG: #IAA #ID.GTI #VW
TEXT:小川フミオ
フォルクスワーゲン・アウディ・ポルシェの近未来を「IAAモビリティ」でチェック

フランクフルトからミュンヘンへ場所を移し、開催された「IAAモビリティショー(ドイツ国際モーターショー)」。ヨーロッパの将来がみられる会場で、近い未来のモデルをチェックしていく。 フォルクスワーゲンはID.GTIコンセプトに加えて、パサート・バリアントを発表 2023年9月にミュンヘンで開催された「IAAモビリティ」ショーの特徴を簡単にいうと、会場が2つあったこと。 ミュンヘンのメッセ会場と、市内(オデオンスプラッツなど)に、展示が設けられた。 フォルクスワーゲンは、メッセ会場に、「ID.GTIコンセプト」を置いた。 前日のフォルクスワーゲングループ・メディアナイトの報道の影響もあるのか、そこで初お披露目されたID.GTIコンセプトは、まわりから、一般の来場者が離れることがないほどの人気ぶり。 同様に、ミュンヘン中心部のオデオンスプラッツ(オデオン広場)には、オープンスペースと呼ばれる一般客が無料で入場できる会場を特設(そちらのほうがうんと広い)。そこでも展示を行った。 オープンスペースでは、新型「パサート・バリアント」も展示された。全長が5m近くまで拡大した新型は、ワゴンボディのみ。 セダン廃止の理由について「そちらはBEVのID.7がカバーする」とVWブランド技術開発担当取締役のカイ・グリューニッツ氏は説明してくれた。しかもセダン人気は低迷中だ、とつけ加えた。 新型パサートは、LEDライトストリップをフロントマスクに持ち、ID.シリーズとの共通点を強く感じさせた。ただし、プラグインハイブリッドを頂点に、ドライブトレインは内燃機関だ。 見どころは、EVOプラスという新しいプラットフォームを使っていること。

TAG: #VW #アウディ #ポルシェ
TEXT:小川フミオ
VW「ID. GTI Concept」をキャッチ!ピュアEVとなった「GTI」がIAAで初公開

VWが、IAA(ドイツ国際自動車ショー)で、コンパクトスポーツ「ID. GTI Concept」を発表した。現地を訪れた小川フミオが、初の電動GTIを深掘りしていく。 ピュアEVのGTI フォルクスワーゲン本社が、2023年9月3日に100パーセント電動化されたGTI「ID. GTI  Concept(アイディ. GTI コンセプト)」 を発表して話題を呼んでいる。 ミュンヘンで9月5日から9日まで開催の「IAAモビリティ」で公開されたID.GTIコンセプト。 「フォルクスワーゲンを象徴するGTIモデルを、未来の電気自動車にどのように組み込むのかについて、具体的なヒントを提供します」 フォルクスワーゲンは、プレス向けのリリースで上記のように記して、「ブランドとファンの方々にとって、GTIの新しい未来が開けている」ことを謳う。 2023年3月にハンブルグで発表された、小型BEV「ID.2 all」とプラットフォームを共用するID.GTIコンセプト。ゴルフやポロのGTIモデルの伝統にしたがい、前輪駆動方式を採用するという。 「ID.GTIコンセプトは、ターボチャージャーを備えたゴルフGTIと同等のパフォーマンスを発揮します。現行世代のスポーツカーと同じように、ビークルダイナミクスマネージャーによって電子制御されるフロントアクスル・ディファレンシャルロックを採用することで実現しています」 ゴルフGTIとゴルフGTIクラブスポーツで採用されたフロントアクスル・ディファレンシャルロックは、高性能の前輪駆動車のための技術。ID.GTIが発表されたあかつきには、このシステム採用の初のBEVとなる。ただし物理的なシステムになるか、モーターによる制御になるかは、現段階ではノーコメントとフォルクスワーゲン。 「I」はインテリジェンスに おもしろいのは、GTIの名称の分析。これまでGTIの「I」とはインジェクション(燃料噴射システム)を意味にしていた。これからは「インテリジェンスを意味する」とフォルクスワーゲンでは定義する。 このインテリジェンスとは「電気駆動モーターの設定をほぼ無限に変更できる」こととフォルクスワーゲン。 「GTIエクスペリエンス・コントロールスイッチを使用して、ドライバーはID.GTI(コンセプト)のパワートレインの特性を変化させることができる」システムも、インテリジェンスの範囲に含まれる。 ユニークなのは、駆動システム、サスペンション、ステアリング、サウンドに加え、歴代GTIモデルをシミュレートした変速ポイントに至るまで、さまざまな設定を調整できること。 そうしてなんと、歴代のアイコニックなGTIモデルまで疑似体験できるとか。フォルクスワーゲンが挙げるのは、1976年の初代GTI、86年のGTI2 16V、2001年のGTI4‘25 years of GTI’だ。「タイムマシン」なる表現も使われていてたいへん興味ぶかい。 「このモデルは、スポーティなアイコンで、先進的なテクノロジーを採用し、親しみやすいクルマであることに変わりはありませんが、電気自動車となり、完全なコネクテッド機能を備え、未来の世界に向けた新しい解釈が加えられています」 フォルクスワーゲン乗用ブランドのトマス・シェーファーCEOは上記のように語っている。 <Vol.2へ続く>

TAG: #IAA #ID.GTI #VW
TEXT:生方 聡
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

TAG: #ID.4 #VW
TEXT:生方 聡
続・お得な充電カードを探せ [ID.4をチャージせよ!:その17]

ID.4 プロ・ローンチエディションの無料充電特典がまもなく終わるということで、次に加入する充電カードを再検討してみることにしました。 e-Mobility PowerとZESP3を比較 私が愛用するID.4 プロ・ローンチエディションには、「フォルクスワーゲン充電カード 普通・急速充電器併用プラン」(以下VW充電カード)の月会費、「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」の月会費、さらにフォルクスワーゲンディーラーでの60分までの急速充電がすべて1年間無料になる特典がついています。 このうち、VW充電カードは「e-Mobility Power」(以下e-MP)ネットワークの充電ステーションがカードをかざすだけで利用できるだけに、自宅に充電器のない私には頼みの綱ともいえるサービスです。ただ、無料特典がなくなる2023年12月以降は、VW充電カードは割高なうえに、2024年12月末でVW充電カードのサービス自体が終了することに。そこで、e-MPネットワークが利用できる充電カードのプランを、最新の情報をもとに比較してみることにしました。 比較するのは、e-MPが自前で用意している「急速・普通併用プラン」と、2023年9月に値上げが実施される「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」。ここで注意しなければならないのが、ZESP3はこれまで日産車オーナー以外でも加入が可能でしたが、2023年9月からは日産車オーナーしか加入できなくなることです。

TAG: #ID.4 #VW
TEXT:生方 聡
超急速充電の実力は? 「Hypercharger」を試してみた! [ID.4をチャージせよ!:その16]

もうすぐ本格運用が始まるパワーエックスの蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」で、ひとあし先に愛車の「ID.4」を充電してみました。その速さに驚き! ※特別な許可を得て取材・撮影しています 90kWオーバーの超急速充電 先日のニュースで、パワーエックスの急速充電器「Hypercharger」がCHAdeMO 2.0.1認証を取得したことをお知らせしましたが、その後、「ID.4で試してみませんか?」というお誘いがあり、東京・青山にある試験運用中の施設を訪ねました。 駐車場の一郭につくられた充電ステーションは、スタイリッシュな充電設備を2台分の駐車枠で挟むように設置され、「Battery Capacity 358kWh」「Charging Speed 〜240kW」の文字が目に飛び込んで来ました。 充電ポートがあるディスペンサーユニットにはタッチパネルの類いはなく、操作はすべてスマートフォンのアプリで行います。利用前にスマホで予約を入れ、現地に到着したらスマホのQRコードをかざし、あとは画面に指示にしたがって充電プラグをID.4の急速充電ポートにセット。さっそく充電を開始します。 充電開始時点のSOC(バッテリー残量)は31%でしたが、気温が35℃を超える状況で、どこまで充電出力が上がるのか、少し心配でした。しかし、スマホの画面に表示された充電出力は90kW超え! 日本に導入されているID.4は最高94kWの急速充電に対応しており、ほぼ最高速で充電が行われているということになります。 その後も90kW充電は続き、約10分が過ぎ、SOCが50%を超えたあたりから80kW台〜70kW台〜60kW台と出力が落ちていきました。念のため80%で充電を止めましたが、30分弱でバッテリーの約半分の容量が充電できました。その優れたパフォーマンスに感激です!

TAG: #ID.4 #VW
TEXT:田中 誠司
あらためて、一泊二日の小旅行で学んだこと:フォルクスワーゲン「ID.4 Pro Launch Edition」

EVにちょうどいい距離を旅する フォルクスワーゲン「ID.4 Pro Launch Edition」で都内から銚子まで、一泊二日の小旅行をしませんか? という誘いがTET編集部に舞い込んだ。EV(電気自動車)専門媒体を対象にした小規模なイベントであるという。 銚子は昔から僕が気に入っている街だ。太平洋を一望できる展望公園、犬吠埼灯台、古めかしい町並み、銚子電鉄、醤油工場といった数々の観光名所にくわえて、いくつかの魅力的な寿司屋とカフェがある。 出発地から宿泊先まで単純な往復距離は260kmと、メーカーが公称する一充電走行距離が613kmにおよぶID.4 Pro Launch Editionにとっては造作ない範囲だ。 最近、長距離移動の際に意図してBEV(バッテリーEV)を利用させてもらうようにしているのだが、現地での寄り道や渋滞、途中での人の乗せ下ろし等、一充電走行距離が目的地までの往復距離より100kmくらい多くないと余裕を持って旅を楽しめない気がしている。 最近では道の駅や高速道路のSA・PAに急速充電器が増えたとはいえ、多くの場合30分に限られる充電時間では“注ぎ足し”程度の効果しかない。朝までに回復できるよう、普通充電器を用意してくれている宿泊施設も最近増えてはきたものの、それが備わるホテルはまだまだ数が限られる印象だ。 VWグループ車両ならPCAを利用できる! 旅の途中での充電に関して、もうひとつの選択肢が各メーカーが自動車ディーラーに用意する急速充電器だ。VWグループではPCA(プレミアム・チャージング・アライアンス)と称して、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェの各ディーラーが連携してそれぞれの充電器を共通で利用できる試みが2022年から始まった。このPCAの傘のもと、全国で急速充電器を利用できるディーラーは207拠点(2022年末時点)におよび、充電器総数は218であるという。 VWグループに属する車両のオーナーは、スマートフォンにPCAアプリをインストールし、月額会員か都度会員かを選んで利用者登録を行う。月額会員は月会費が1,800円、登録に2,000円を要するものの、150kWの急速充電が都度会員では1分あたり200円であるところを、1分あたり75円で利用できる。 われわれが立ち寄ったフォルクスワーゲン江戸川の急速充電器は90kWスペックだったので、月額会員は1分あたり45円、都度会員は1分あたり120円の利用費になる。充電の開始はアプリで充電器のQRコードを読み込んでケーブルを指すだけと簡単だ。個別に専用のカード等を用意しなくてもいい手軽さと安心感も好ましい。時間の都合からほんの少しだけ充電した際のペースは71kW。仮に30分充電したとすれば36kWを補充でき、今回の総電費が6.2km/kWhであったことから計算すると約226km分を蓄電できたことになる。 ひとくちに急速充電器と言っても、充電速度が思いのほか伸びないケースは多々あるし、そもそも充電器とクルマの相性か、まったく充電が始まらなかったり、途中で終わってしまうこともある。そこへ行くと、確実に90または150kWの充電器を用意してくれているPCAの取り組みはオーナーにとって大きな安心要素になるだろう。

TAG: #ID.4 #VW #試乗
TEXT:生方 聡
夏にご用心! 充電が厳しいのは冬だけじゃなかった [ID.4をチャージせよ!:その15]

ここ東京でも最高気温が30℃を超える日が続いていますが、この暑さがこたえているのは人間だけではなく、ウチのID.4にも猛暑の影響が出ています。 90kW急速充電は要注意 日本に導入されている「ID.4」は最高94kWの急速充電(CHAdeMO)に対応しています。実際、90kW急速充電器では74kW程度、150kW急速充電器では90kW強の電力で充電できることを確認しています。 ただし、はじめて過ごした冬には、90kW急速充電器を使っても、条件によっては充電電力が40kW止まりということも少なくなく、気温やバッテリー温度が急速充電に大きく影響していることがわかりました。一方、50kW急速充電器では、ほぼ40kW台で充電を行うことができ、90kW器に比べて気温の影響は受けにくいようでした。 春になると、90kW急速充電器で70kW台が安定して出るようになり、充電に対する不安はすっかり薄らいでいました。ところが、気温34℃という炎天下のもと、常磐自動車道の友部サービスエリア下りにある“マルチタイプ急速充電器”にID.4 Proをつないで充電を始めたところ、充電電力は40kW台前半から上がりませんでした。 このマルチタイプ急速充電器では、充電開始から15分までは「ブースト機能」が働き90kW、その後は50kWで急速充電ができます。いつもなら30分で30kWh近く充電できるのですが、この日は23.4kWhと少なめ。これだと、50kW急速充電器を使うのとあまり変わりません。

TAG: #ID.4 #VW
TEXT:生方 聡
夏の暑さに悲鳴! その対策は? [ID.4をチャージせよ!:その14]

ID.4 Proにはパノラマガラスルーフが標準装着されています。高い開放感が魅力ですが、日差しが強い時期には悩ましいことも。 予想以上に暑い フォルクスワーゲンID.4には、搭載するバッテリーの量が異なる2つのグレードが用意されています。52kWhの「ID.4 Lite」と77kWhの「ID.4 Pro」です。両者の違いはバッテリーの量だけでなく、ID.4 Proでは装備が充実しているのも見逃せないポイントです。 ID.4 Liteには設定のないパノラマガラスルーフが標準装着されるのもそのひとつ。このクルマには、ほぼルーフ全体を覆う大きなガラスルーフが備わり、開放的なキャビンをつくりあげています。ガラス部分の開閉はできないものの、とくに後席からの眺めは爽快で、ID.4 Proでのドライブをさらに楽しく演出してくれます。 ただ、これだけ大きなガラスルーフだと、日差しの強い時期の暑さが心配でした。そして悪い予感は的中! 春先以降、晴れた日の昼間は、覚悟していた以上に暑くなるのです。さいわい、直射日光を遮る電動サンシェードはついていますが、それを閉めても頭上には暑さが籠もりますし、せっかくの眺めも台無しです。また、これだけキャビンが広いとエアコンを入れても温度が下がるまでに時間がかかるうえに、ダッシュボードの低い位置にエアベントがあるID.4では、首から上の部分がなかなか冷えません。 ちなみに、このパノラマガラスルーフはUVカット機能を備えているので日焼けの心配はありません。そこで、熱をカットするフィルムをパノラマガラスルーフの内側に貼ることにしました。

TAG: #ID.4 #VW #カーフィルム #ガラスルーフ
TEXT:生方 聡
電気自動車のドライブ、寒い日は要注意!? [ID.4をチャージせよ!:その8]

「電気自動車は寒さに弱い」という話をよく耳にします。実際、ID.4ではどうなのか、電費や充電の速さ、エアコンの効きなどを振り返ります。 「EVは寒さに弱い」は本当だった! 「このまえID.4で雪山に行ったら、電欠しそうになった」 先日、同業のライターからそんな話を聞きました。バッテリー残量に余裕があると思っていたのに、実際はギリギリだったと。私も以前、フォルクスワーゲンeゴルフに乗っていたときに同じような経験をしました。しかも、なんとか辿り着いた急速充電ステーションではなかなか充電が進まず、“寒さはEVの敵”と思い知らされたのです。 「EVは寒さに弱い」というのは事実で、ウチのID.4 プロでも、気温が10℃を下まわるようになると平均電費の数字が明らかに下がってきます。一般道では、それまでは6〜7km/kWhを示していたものが、4〜5km/kWhと3〜4割低くなり、それにあわせて走行可能距離も短くなるわけですから、油断は大敵です。 では、実際どのくらい電費が下がるのか、高速道路で比較してみました。 気温[℃] 平均速度[km/h] 電費[km/kWh] エアコン 備考 13.0 94 6.4 ON 3.0 95 5.2 ON 4.0 97 5.9 OFF -1.0 98 5.1 ON スタッドレスタイヤ装着 上の表は高速道路の同じ区間(常磐自動車道 守谷SA〜友部SA)を、ACCを100km/hに設定して走ったときの電費です。ただし、リアルな世界でチェックした電費ですので、気温以外の状況を完全に揃えることはできず、あくまで傾向を把握するための数字とご理解ください。 気温が13℃のときの電費を基準とすると、気温が3℃に下がると2割弱も電費が悪化しました。その要因のひとつとしてエアコンの消費電力が増えることが考えられます。 それでは、エアコンをオフにし、シートヒーターだけでガマンするとどうなるでしょうか? 実際に試してみると電費低下は1割ほどにとどまりました。とはいえ、エアコンをガマンしても電費の悪化をゼロにすることはできません。これは気温の低下にともない、駆動用リチウムイオン・バッテリーの働きが鈍くなるからです。スタッドレスタイヤを装着すると、若干ではありますがさらに電費が低下しました。 気温が低いと充電にも影響が出ます。リチウムイオン電池の働きが鈍い状態で無理に急速充電を行うとバッテリーを傷める恐れがあり、それを防ぐために充電量を抑制することがあるのです。実際、いつも利用している50kW急速充電器で、ふだんなら40〜47kWで充電できるのが、気温が低く、バッテリー温度が低い状況では20kW台とほぼ半分の出力に落ちることもありました。 最新のEVのなかには、急速充電前にバッテリーを温める機能が備わるものもありますが、ID.4ではそういった機能は備わっていないため、バッテリーが冷えた状態でいきなり急速充電せず、ある程度走行したあと、バッテリーが温まっているうちに急速充電するよう心がけています。

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