#ケータハム
TEXT:斎藤充生
EVのチューニングカーに新車とトピックが目白押し! 東京オートサロン2025を彩ったEVたちを一挙公開

EV勢力拡大中の東京オートサロンから気になるトピックをお届け 東京オートサロン2025では、電気自動車(EV)の出展が例年にも増して目立った印象だ。ここまでいくつかのトピックを独立した記事としてお届けしてきたが、当記事ではそのほかの注目すべきEV関連トピックをまとめて紹介したい。 BBS:新素材を採用したEV・SUV向け新作ホイールを発表 高級ホイールとして確固たる地位を築いているBBSは、開発に10年を要したといわれる新素材「FORTEGA」を使用した新作の1ピース鍛造ホイール「FL」を発表。 高負荷・高荷重になりがちな重量級SUVやEVをターゲットとしたホイールで、早速ポルシェ・タイカン4 クロスツーリスモにフロント9.5J、リヤ11.5Jの21インチを装着して展示。 新素材のFORTEGAは、従来のアルミニウム合金と比較して高剛性を維持しながらも、約10%の重量軽減効果が得られる素材で、同じくBBSのハイスペック素材である「超超ジェラルミン」を上まわる剛性を確保したという。EVの電費を犠牲にすることなく、運動性能と乗り心地の向上に貢献することだろう。 オートバックスセブン:小型電動モビリティ取り扱いの動き オートバックスは、運転免許不要で乗れるパーソナルモビリティとして近年注目を集める小型電動モビリティ・特定小型原付の販売にも力を入れている。 現在は、世の中に数多とあるなかからオートバックスがセレクトした8メーカーの車両を取り扱う。店舗により扱いメーカー数は異なるようだが、各店舗では乗り方や交通ルールに関する研修を受けた専任スタッフが、事前に試乗も行ったうえで顧客の購入相談に乗ってくれるというから、安心感が高い。 また、これらを扱う全国35の店舗では、店頭で試乗することも可能なうえ、クルマに積めるかも確認させてもらえるなど、大型カー用品店ならではの強みを活かした販売スタイルが特徴だ。今後も専任スタッフが常駐する取扱店舗は拡大予定だという。 ヤマハ発動機:フォーミュラE GEN3 Evo「Lola T001」を本邦初公開 EVのフォーミュラマシンによって争われる「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」の2024/2025シーズンから参戦を開始したヤマハ発動機が、今シーズンから使用されている新型フォーミュラEマシンGEN3 Evoの「Lola T001」を国内初披露した。 F1より30%ほど速い0-100km/h加速性能を持つフォーミュラEで、ヤマハはモーター、インバーター、ギヤボックスを開発し、車体開発を行うLolaに対して供給を行っている。新型マシンはレース中のアタックモード効果が増大したことで、従来以上にカオスな展開を見せている今シーズンのフォーミュラEだが、会場で話をうかがったヤマハの担当者によれば、「(カオスな状態になるのは)十分想定していた範囲」とのこと。 5月には再び東京ビッグサイト周辺の公道を使用して2日間レースが行われる。日本のヤマハと日産にとっては凱旋レースとなり、白熱するレースの中で活躍が期待される。 ケータハム:プロジェクトV イギリスの名門スポーツカーブランド「ケータハム」は、現在日本のVTホールディングス傘下に入り、新たなEVクーペを開発中だ。 「プロジェクトV」と呼ばれるこの計画、日本の東京R&Dとプロトタイプ車両の開発・製作が進められており、ヤマハ発動機がパワートレインの主要部あたるeアクスルを供給し、車両の運動制御においても技術提供がされるなど、英国ブランドにあって日本企業の存在感が大きいプロジェクトとなっている。 2024年の東京オートサロン出展時とは異なる白色のボディが展示されたことに加え、EVの中核を成す台湾のシン・モビリティーが開発した液浸冷却バッテリーも展示され、プロジェクトが順調に進んでいることをうかがわせた。

TAG: #オートバックス #ケータハム #ヒョンデ #ヤマハ発動機 #東京オートサロン2025
TEXT:TET 編集部
ケータハム「プロジェクトV」のバッテリーは最新の冷却技術を採用! 優れた放熱性と安全性と高いエネルギー密度を持った「液浸冷却バッテリーパック」に超期待

採用するのは最先端バッテリー「液浸冷却バッテリーパック」 現在、日本のVTホールディングスの傘下にいる英国の老舗ライトウェイトスポーツカーメーカーのケータハムは、次世代のEVスポーツクーペ開発計画「プロジェクトV」を進めている。 「プロジェクトV」は、ライトウェイトスポーツ、シンプル、ファン・トゥ・ドライブという、ケータハムのドライビングプレジャーを最重視するDNAを受け継ぐEVスポーツクーペであるとケータハムは説明している。現在は量産・市販化に向けて、開発パートナー各社と、2025年の完成を目指してプロトタイプ車両の開発・製作が進行中だ。 そして2024年12月9日、今年10月にEVの主要コンポーネントである「eアクスル」の供給をヤマハ発動機から受けることを発表したのに続き、バッテリーに台湾のXing Mobility Inc.(シン・モビリティー)が開発した最先端の車載バッテリー冷却技術である「液浸冷却バッテリーパック」を採用することが、VTホールディングスから発表された。これによりプロジェクトVの主要部分が徐々に明らかになってきた。 シン・モビリティーが開発した液浸冷却バッテリー「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP)」は、優れた放熱性、安全性、そして高いエネルギー密度を特徴としたバッテリーパックなのだという。バッテリーのセルを誘電性の液体に浸す液浸冷却技術で、迅速かつ均一に放熱することで高い安全性を誇り、最大200Wh/kgというトップクラスのエネルギー密度を実現しているそうだ。 シン・モビリティーというまだまだ聞き馴染みのない会社ではあるが、テスラとパナソニックの元技術者によって2015年に設立された、台湾に生産工場を持つバッテリーパックメーカーであり、液浸冷却バッテリー技術においては世界的な先進企業なのだという。 日本との関係も浅からぬもので、チューニングパーツの製造開発の大手メーカーで、近年はEV用交換式バッテリーパックの開発およびその実証事業など、サステナブル商品にも力を注ぐエッチ・ケー・エスと、EV事業における戦略的協業を発表している。 ケータハムのプロジェクトVは、ただライトウェイトEVスポーツクーペを開発するという単純な話ではなさそうだ。こうした液浸冷却バッテリーにみられる最先端技術を取り入れた、非常に高度なスポーツクーペになるのかもしれない。2025年1月の東京オートサロンでは、再びプロトタイプが展示されるということなので、さらに開発が進展していることを期待したい。

TAG: #ケータハム #スポーツカー
TEXT:TET 編集部
ケータハムの次期スポーツカー「プロジェクトV」にヤマハが参画! パワートレインの主役となるeアクスルを独自開発

次期ケータハムのスポーツカーはヤマハとの共作 愛知県名古屋市に本社を構えるVTホールディングスと、静岡県磐田市に本社を構えるヤマハ発動機は、VTホールディングス傘下の英国スポーツカーメーカーCaterham EVo Limited(以下、ケータハム)が量産・市販化に向けて開発を進めている新型EVスポーツクーペ・プロジェクト(以下、プロジェクトV)に、ヤマハ発動機がパートナーとして参画し、協業を進めていくことを2024年10月2日に発表した。 ケータハムは、ライトウェイトスポーツカーとして人気が高かった「ロータス・セブン」の生産をロータス自身が止めるのに際し、そのセブンの生産権や生産に必要な治具などを買い取り、ケーターハム版のセブンを誕生させたことで有名なイギリスのスポーツカーメーカーだ。1970年代から基本的な構造は変えず、生産と進化を続けてきたものの、内燃機関を搭載することが将来的には難しくなることを見越して、新たなEVの開発が計画された。 そうして「プロジェクトV」と名づけられたEVの開発計画により誕生したコンセプトカーが、2023年7月の英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開された。日本でも2024年1月の東京オートサロンで展示が行われ、このイタルデザインの手による流麗なEVスポーツクーペの姿をご記憶の方も多いのではないだろうか。 「プロジェクトV」は、ライトウェイト、シンプル、ファン・トゥ・ドライブという、ケータハムのドライビングプレジャーを最重視するDNAを受け継ぐEVスポーツクーペだとVTホールディングスは述べている。現在、量産・市販化に向けてケータハムは東京R&Dとプロトタイプ車両の開発・製作を進めており、プロトタイプ車両の完成目標は2025年央頃と発表されている。 東京R&Dは、自動車の試作・設計、材料実験などを業務とする一方、2000年代には少量生産モデルのライトウェイトスポーツカー「VEMAC(ヴィーマック)」を誕生させたり、1980年代前半から電気自動車の自主研究に乗り出すなど、ケータハムが進める「プロジェクトV」のパートナーとしてこれ以上望み得ない強力なパートナー企業である。 一方、今回発表された協業パートナーのヤマハ発動機が果たす役割とは何か。それはEVのパワートレイン主要部に当たる「eアクスル」を独自に開発し、その試作品をケータハムと東京R&Dが開発・生産を進めるプロトタイプ車両向けに供給することだ。さらに、車両の運動制御においてもヤマハ発動機の技術・知見を提供し、”Caterham Powered by Yamaha Motor” を実現すると意気込む。 2023年7月の「プロジェクトV」計画発表時、パワートレインはリヤアクスルに搭載する200kW(272馬力)のシングルモーターと、55kWhリチウムイオン・バッテリーの組み合わせとされ、0-100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/hを目標に据えていることが明かされている。しかし、ヤマハ発動機と協業することにより、この目標値に変化が生じるのかは今回の発表で言及されていない。 2021年に日本のVTホールディングス傘下となり、変革を推し進めるケータハム。そこに日本が誇るモビリティ関連企業の東京R&Dとヤマハ発動機がジョイントすることで、どのようなシナジーが生み出されるのか、「プロジェクトV」の将来が楽しみでならない。

TAG: #VTホールディングス #ケータハム #スポーツカー #ヤマハ発動機 #東京R&D
TEXT:TET 編集部
スーパーセブンがEVに。ケータハムがサーキット走行も視野に入れたコンセプトカーを開発

英ケータハムは5月24日(現地時間)、純粋に走りを追求したオープン2シーター、ケータハム・セブンを電動化したコンセプトカー「EVセブン」を発表した。 サーキット走行を視野に入れたEVスポーツ イギリスのピュアスポーツブランド、ケータハム。今年創立50周年を迎えたライトウェイトスポーツ・メーカーは現在、電動化に向けた開発投資を積極的に進めているようだ。 今回、発表された「EVセブン」は外観こそ既存のセブンとほぼ同じだが、パワートレインにはエンジンに代わり、スウィンドン・パワートレイン社製E Axleの専用バージョンを採用。スペックは最高出力240bhp/9,000rpm、瞬間最大トルク250Nmで、0-60mph(約97km/h)加速のタイムはおよそ4.0秒と見込まれる。もちろん、軽量スポーツというセブンの美点は電動化されても不変で、車重はベースとなる市販のセブンからわずか70kg増(総重量700kg弱)に抑えられている。 ケータハムでは、公道でもサーキットでも使えることをセブンの必須要件としており、特にサーキットでは、20分間サーキットを走行、15分間で次の走行に十分なエネルギーを充電し、さらに20分間走行できるサイクルが追求されている。こうした急速な充放電に対応するため、EVセブンが採用しているのが液浸冷却式バッテリーで、長年の技術パートナーであるMOTUL(モチュール)が供給する誘電性流体を使用し、その流体をセルに直接接触させることで、最適な熱管理により充電速度の向上とバッテリー寿命の延長を実現しているという。 51kWhの液浸冷却式バッテリーは、エンジンルームとトランスミッション・トンネルに収納され、最大152kWのDC急速充電が可能。実用可能な容量は約40kWhとなるが、サーキットでの過酷な使用や急速充電でも劣化することはないという。液浸冷却は、電気自動車用としては最先端の技術で、膨大な熱量を発生するスーパーコンピューターの冷却などに使われてきた技術。EVセブンは見た目こそクラシカルな2シータースポーツだが、中身は最新テクノロジーの塊なのだ。 >>>次ページ 内燃機関モデルと同等の性能を追求

TAG: #ケータハム #コンセプトカー #スーパーセブン

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