#デザイン
TEXT:曽宮 岳大
ランチア、本格的なブランド再生に向け、名門復活の狼煙を上げる

「デルタ・インテグラーレ」や「ストラトス」「037ラリー」など、世界ラリー選手権(WRC)での活躍の姿が思い浮かぶランチア。現在はコンパクトカーの「イプシロン」をイタリア国内で展開するのみと活動の幅を絞っているが、昨春にはブランド再興に向けた向こう10年の中長期プランを発表。さらにこのたび新しいコンセプトモデルを示唆するティザーを公開するなど、活発な動きを見せている。そこで登場が予定されている新型車を中心に“今後のランチア”に注目してみたい。 新型イプシロンやデルタも……登場が予定される3モデル このたび発表されたのは、コンセプトモデルのリアビューが映った1枚の画像のみ。情報は限られているが、4月15日に予定されるプレス発表会で実車の初披露を予定している。公開された画像に写った丸型のテールランプは、往年の「ストラトス」を彷彿とさせるもの。一体このコンセプトカーは何を意味するのか。 これまでの発表内容を整理すると、ランチアは2022年春に、欧州市場への再参入を明らかにするとともに、2024年以降は2年に1台ずつニューモデルを投入すると発表した。また2026年以降に登場するモデルは電気自動車(EV)のみとなり、2028年以降はEVのみを販売するとランチアのルカ・ナポリターノCEOは明言している。 またニューモデルについて、2024年に全長4m前後の電気自動車の「ニューイプシロン」を、2026年に全長4.6m前後の新しいフラッグシップを、そして2028年に全長4.4m前後の新型「デルタ」を投入することまでが発表済みだ。 こうした背景を踏まえながらティザー画像を眺めて見ると、そのスポーツクーペと思われるボディスタイルは、Bセグメントをカバーする次期「イプシロン」ではないだろう。またデルタも先代モデルではサイズこそ大型化したとはいえ、ハッチバックスタイルを踏襲しており、写真のイメージには合致しない。となると、このコンセプトカーは2026年に登場予定の新しいフラッグシップか、それ以外の車種ということになりそうだ。

TAG: #デザイン
TEXT:生方 聡
「アリア」のデザインに見る電気自動車らしさ [日産アリア試乗記:その2]

EV専用プラットフォームを用いるアリアには、これまでのクルマとは異なるデザインが採り入れられている。アリアを魅力的に彩るエクステリアとインテリアとは? クリーンさが際だつエクステリア かぎられたサイズのボディに、広い室内空間の確保と大容量バッテリーの搭載を両立させるため、EVの多くが背の高いSUVスタイルを採用している。アリアもその一例であるが、さらにEV専用プラットフォームを採用することで、パッケージの効率を高めている。 エンジンに比べてコンパクトなモーターを搭載するEVのアリアは、フロントオーバーハングを切り詰めることで、広い居住空間を確保した。また、エンジンルームの冷却が不要になるため、フロントマスクからラジエターグリルが省かれ、代わりに“シールド”と呼ばれるブラックのパネルを手に入れた。 さらに、クーペのようなルーフラインや張りのあるボディパネル、くっきりと浮かび上がるウェストラインなどにより、アリアのエクステリアは力強い印象に仕上げられている。強い個性を放ちながらクリーンさが際だつアリアは、“日産の新しい扉を開く”のにまさにふさわしいデザインの持ち主といえる。 居心地の良い室内 アリアのインテリアも実に個性的だ。運転席に座り、まず目を奪われたのがダッシュボードを横切るブラックの木目調パネル。その中央部分には空調のスイッチが浮かび上がり、面白いなと思う反面、操作性はどうなのかと少し不安になる。しかし、運転席から見やすく、手が届きやすい位置にあるため、使いにくいのではないかという心配はすぐに解消された。 ドライバーの前には2つの大型ディスプレイが配置されるが、直線的ではなく、S字状に連結されているのがユニークだ。ダッシュボード中央部のタッチパネルがドライバーに近づくぶん、操作性に優れるのがうれしいところだ。 モダンですっきりとしたデザインやソフトパッドにステッチが施されたダッシュボードなどにより、アリアのコックピットは上質さが感じられるとともに、居心地の良い空間に仕上がっている。

TAG: #アリア #デザイン

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