EV専用タイヤが備える3つの性能
EV専用タイヤが求められる性能は、大きく3つに整理できる。まず耐摩耗性能だ。重い車体と強いトルクに耐えられるよう、トレッドのゴムコンパウンドと内部構造が強化されており、摩耗の進行を抑えることが求められる。
次に低転がり抵抗だ。タイヤが転がる際に生じる抵抗は消費電力に直結するため、ここを改善することがそのまま航続距離の延長につながる。各タイヤメーカーのEV専用製品は、いずれも低転がり抵抗を中核的な性能として開発されている。

そして静粛性だ。EVはエンジン音がないぶん、タイヤが路面と接触することで生じるロードノイズがそのままキャビンに伝わりやすい。専用タイヤはトレッドパターンの最適化や内部の吸音材によってこの問題に対処し、EVならではの静粛な乗り心地を維持する設計になっている。
タイヤ選びが航続距離と環境に影響する
航続距離はEVを選ぶうえでもっとも気になる要素のひとつだ。カタログ値はあくまで一定の測定条件下での数値であり、実走行では気温、走行速度、エアコンの使用などが影響する。そこに加えて、タイヤの転がり抵抗も重要な変数になる。EV専用ではない転がり抵抗の大きいタイヤを装着した場合、電費が悪化し、航続距離の低下につながる可能性がある。

さらに見落とされがちな視点がある。タイヤの摩耗粉による環境問題だ。国立環境研究所をはじめとする研究機関の調査では、タイヤ由来のマイクロプラスチックが国内各地の河川や湖沼で検出されている。EVはICE車と違い走行中に排気ガスを出さないが、タイヤの摩耗粉は依然として発生する。耐摩耗性の高いEV専用タイヤを使うことは、摩耗粉の発生を抑える効果も期待できる。
EVは専用設計のタイヤと組み合わせることで初めて、その本来のポテンシャルが最大限に引き出される。タイヤ交換の際にはあなた自身も納得する快適なEV環境を得るため、多少コストが張ったとしてもEV対応タイヤやEV専用タイヤを候補に加える価値は十分にある。




















































