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約44万円でテスラの「運転支援」追加オプションを購入! 果たして価格以上の効果はあったのか?【テスラ沼にはまった大学教授のEV生活・その10】


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:TESLA/琴條孝詩/TET編集部
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43.6万円のEAPの威力は!?

テスラは一般的なクルマと異なり、オプションが非常に少ない。だから購入時に迷うとすれば、ボディと内装カラー、ホイールとそのサイズ程度になる。しかし、それに加えて、「オートパイロットパッケージ」といわれる運転補助機能がある。これは、あとからネット経由のソフトウェア制限解除で追加できるので、購入時に迷うことはない。標準のままで注文すればよい。

ただ、Webに表示される追加オプションの機能「EAPとFSD」、いったいどちらを買えばいいのか? そもそもなにが違うのか? と考える人も多いだろう。簡単な説明はあるが、それだけではよくわからない。じつは最近になってEAPの機能を使いたくなり、購入1カ月後にポチッとEAPを追加してしまった筆者。今回は私の実体験をふまえて、その内容を説明しよう。

テスラ・モデルYのフロントマスク

<テスラの運転補助3段構え>

テスラの運転補助機能は、大きく3つにわかれている。

まず、すべての車両に標準で搭載されている「ベーシック オートパイロット」だ。これは、アクセルやブレーキを自動で調節して前走車との車間距離を保つ「トラフィック・アウェア・クルーズコントロール(TACC)」と、ステアリングを自動制御して車線中央を維持する「オートステアリング」のセットである。高速道路での長距離移動における疲労軽減には確かに効く。とはいえ、レーンを自分でチェンジするためには、ドライバーが手でウインカーを出す必要があり、「自動」の範囲はあくまで限定的だ。

その上位に位置するのが「EAP(Enhanced Auto Pilot=エンハンスド・オートパイロット)」である。オートレーンチェンジ(自動車線変更)、オートパーキング(自動駐車)、サモン(自動呼び出し)、そして高速道路の入口から出口までをナビゲートしながら自動走行する「ナビゲート・オン・オートステアリング」などが追加される。

そして、さらに上位が「FSD(Full-Self Driving=フル・セルフ・ドライビング)」だ。市街地での信号・一時停止認識、交差点の自動右左折、そして将来的な完全自動運転(監視付き)への対応など、SF映画で見るような機能が詰め込まれている。ただし、FSDは現時点では日本未導入である。将来への投資として購入することは一応できるものの、いつ解禁されるかは不透明なままだ。

米国で利用可能なテスラFSD

<「オートパイロット」から「オートステアリング」へ>

ところで、最近アメリカで「オートパイロット」という名称が「オートステアリング」に変更されたことをご存じだろうか。

これは2026年2月にテスラが実施したソフトウェアアップデート(バージョン2026.2.9)によるものだ。なぜ変更したのかといえば、アメリカ・カリフォルニア州の自動車管理局(DMV)が、「オートパイロット」および「フル・セルフ・ドライビング」という名称は、機能の実態を誤解させる虚偽広告に当たると判断し、販売許可への影響を示唆したからである。テスラはその圧力を受け、アメリカ向けの表示を改めた。強気な姿勢で知られるイーロン・マスク率いるテスラでも、規制当局の正式な行政処分にはさすがに逆らえなかったということか。

ただし、この名称変更はアメリカ国内の話であり、機能そのものはなにも変わっていない。日本でも一部の車種でソフトウェアアップデート(バージョン2026.2.9)があり、表記変更されている。今後、既存の車種もこのバージョンから表記が変わるようだ。

テスラのアップデートのイメージ

<EAPの価格という”勇気”>

さて、気になる価格の話をしておこう。

EAPは現在43万6000円、FSDは87万1000円(いずれも税込)だ。どちらも「それなりに勇気が必要な金額」というのが偽らざる感想である。しかも、繰り返しになるが、FSDはまだ日本では使えない。来たる日のために87万円超の装備をあらかじめ積んでおく余裕が私にはなかったことを、ここで正直に告白しておこう。

EAPだけでも約44万円。クルマの購入時に「どうしますか?」と聞かれて即答できる人は相当の決断力のもち主だ。私は判断をあとにまわして、まずは標準でモデルYを購入したが、今回、少々悩んだ末に購入を決めた。だが、果たしてその価値があったのかどうか——それが今回の本題である。

EAP・FSDの価格

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