郊外に住む人はメリットだらけ
<V2Hで電気を賢く使う>
EVの魅力は「走ること」だけにとどまらない。近年注目を集めているのがV2H(Vehicle to Home)である。これはEVのバッテリーに蓄えた電力を自宅に給電できる仕組みで、いわばクルマを巨大な蓄電池として活用する発想だ。たとえば60kWh仕様の日産リーフであれば、一般家庭の約4日分の電力をまかなえるとされている。また、太陽光発電を設置している家庭であれば、日中に発電した余剰電力をEVに充電し、夜間にその電力を家庭で使用することで電気代を大幅に削減できる。

V2Hのもうひとつの大きなメリットが災害時の備えである。地方郊外では台風や豪雪、地震などで停電が発生した場合、復旧するまでの時間も長くなりがちだ。V2Hがあれば、EVが移動式の大容量蓄電池として機能し、冷蔵庫やエアコン、照明、スマートフォンの充電など、生活に必要な電力を数日間供給できる。
もちろんV2H機器の導入には数十万〜100万円超の初期費用がかかるが、国や自治体の補助金制度を活用すれば負担を大幅に軽減できる。2026年現在も経済産業省のCEV補助金やV2H補助金が継続されており、自治体独自の上乗せ補助を設けている地域も多い。
<郊外だからこそ活きるEVライフ>
都市部では駐車場代が高く、充電設備の設置が難しいマンション住まいも多い。しかし、郊外の戸建て住宅であれば自宅に駐車スペースがあり、200V電源の設置も比較的容易である。太陽光発電パネルを屋根に載せるスペースも確保しやすく、V2Hとの組み合わせで自家発電・自家消費のエネルギー自給型ライフスタイルを実現できる。ガソリンスタンドの減少は一見するとマイナスの現象だが、視点を変えればEVシフトを促進する機会でもある。

自宅で充電できるEVは、給油難民のリスクから解放されるだけでなく、電気代の節約、災害時の安心、環境負荷の低減と、多くのメリットをもたらす。ガソリンスタンドが減り続ける地方郊外だからこそ、EVと自宅充電、V2Hを組み合わせた新しいカーライフが有力な選択肢になりつつある。これからマイカーの買い替えを検討している郊外居住者は、EVという選択肢を真剣に考える価値があるだろう。
















































