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ただ駐車すれば充電開始! 新型ポルシェ・カイエンが採用する非接触充電はなぜこれまで実用化されなかった?


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:Porsche/GM Authority
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安全性と利便性に優れる一方で電磁波影響が課題

送電側に電気が流れると磁場が生じる。その影響を受けて、受け側に電圧が生じ、電気が流れ、充電される。送電側に磁場が生じ、その影響が非接触で相手(充電)側に伝わるということは、同じことが周辺の電気機器に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、非接触式充電器が作動しはじめると、近くの自動ドアが勝手に開け閉めしてしまうといったことだ。

スマートフォンなど家庭電化製品で非接触式充電を行ってもそれほど周囲への悪影響がないのは、電圧も電流も低いからである。

ポルシェが市場導入しようとしている仕様は、11kWの出力であるという。それは1万1000Wということで、家庭電化製品で高出力とされるヘアドライヤーの1500Wの7倍以上になる。そのような大電力を使えば、磁場の影響が広く周囲へ及ぼされる可能性は否定できないのではないか。なおかつ、数台のEVが並んで充電をはじめれば、その台数分の電力の影響が周辺へ及ぶ可能性がある。

非接触式充電を採用する新型ポルシェ・カイエン

欧米では、自動ドアがあまり普及していない。大都市や高層ビルでも、多くは非力な人でも簡単に開け閉めできる手動式を使う。したがって、周辺への悪影響にそれほど関心がないかもしれない。一方、日本は公共施設のドアは多くが自動ドアで、その影響を無視しえない。そうした懸念が解消できないうちは日産も開発を途中で止めていた。

非接触式に関しては、それを路上で連続的に行うことで充電せずにEVが走り続けられるのではないかといった研究もある。また、非接触式であれば、CHAdeMOかCCSか、はたまたテスラ方式かといった充電口の方式の違いに悩むこともなくなる。

非接触式充電のイメージ

非接触式充電や送電を周辺への悪影響なしに利用できるなら、理想の方式となるだろう。そこで人々は研究を重ねるのだが、連続走行に使うには交通量によっては送電の電力が不足することもあり得るし、なかなか本格的な採用には至らずにいるのが実態ではないだろうか。

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