ノルウェーの動向が未来の姿を予見する
そして、この販売ランキングトップ30で存在感を示してきているのが中国勢の存在です。シーライオン7を筆頭として、さらにMG4とS5 EV、Xpeng G6がランクイン。とくにファミリーSUVの需要の大きいノルウェー市場では、Xpeng G6だけでなくZeekr 7XやMG IM6などの中国製高性能EVの販売台数が増加する可能性が高いでしょう。フォルクスワーゲンID.4やトヨタbZ4X、日産アリアなどの既存メーカーと中国メーカーのどちらが選ばれるのか。電動SUVの販売対決の行方には注目です。
このグラフは自動車メーカー別の6月単体のBEV販売台数を、2024年と2025年それぞれで比較したものです。テスラが圧倒的なシェアを確立しながら、フォルクスワーゲンもID.7やID.Buzzの販売好調によって販売台数を増加。その一方で、EX90を導入したボルボは前年割れでした。とくにEX30の販売が急減していることが影響しています。さらにトヨタ、アウディ、ヒョンデ、日産なども前年比でマイナス成長ですが、どのブランドも新型EVの投入が控えていることから、2025年後半以降の巻き返しには期待可能でしょう。
また、BMW、フォード、BYD、ポールスター、シュコダなどは大きく販売拡大しており、とくにシーライオン7の販売好調によってBYDは第7位にランクインしています。さらにBYDは、最廉価モデルであるドルフィンサーフを投入すると、コストを重要視するユーザーの受け皿となり得る可能性があり、シェア拡大の余地が残されています。
ノルウェー市場のEV100%達成において鍵を握る存在が、ガソリン車と同等の車両コストを実現する大衆セグメントの存在です。ここに期待したいのがヒョンデ・インスターやBYDのエントリーEV、ドルフィンサーフの存在です。どちらもすでに発売中であり、納車が本格化する2025年後半以降にどれほど販売台数を伸ばして、トヨタ・ヤリスなどのガソリンコンパクトカーのシェアを奪うことができるのかに注目です。
いずれにしてもEV先進国家ノルウェーは、いよいよ内燃機関車の完全淘汰完了が秒読み段階に入ってきています。また、内燃機関車の販売が終了する2026年以降はEV同士の争いが本格化していきます。とくに急拡大を続けるBYDだけでなく、XpengやZeekr、MGなど、中国勢の投入する競争力の高いEVたちが、フォルクスワーゲンやトヨタ、ヒョンデといった日独韓レガシーメーカーのEVに真正面から勝負を挑んでいくことになるのです。
EV先進国家で幕をあける中国対レガシーメーカーのEV販売対決の行方は、2025年下半期以降、とくに注目するべき動向といえそうです。
高橋 優








































