シャオミYU7がテスラ・モデルYを追い抜くか
さらに、ハイエンドADASについて、全グレード標準でLiDARと演算能力700TOPSに到達するNvidia Drive Thorプロセッサーを搭載することで、シティNOAや高度駐車機能に対応可能です。衝突安全性も、高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合は90%を超え、とくに最大2200MPaもの超高張力鋼を採用することで、ボディのねじり剛性も4万7610Nmに到達しており、車両強度を確保しています。
また、モデルYをはじめとする競合車種のスペックについて、とくに最上級パフォーマンスグレードをそれぞれ比較していきましょう。航続距離はYU7 Maxで760kmを確保してトップクラス。さらに充電性能も最大500kWに対応し、充電時間も12分間と最速クラスを実現。もっとも充電性能の低いモデルYとは2.5倍以上充電が早い計算です。動力性能も最高出力は508kW、最大トルクも866Nmを実現することで、0-100km/h加速も3.23秒と、競合を凌ぐパフォーマンス性能を実現しています。
収納スペースはクーペスタイルであることで678リットルとまずまずですが、そのぶん電動開閉機能付きの141リットルもの巨大なフロントトランクを採用。最小回転半径は5.7mと、中大型SUVとしては優れた取りまわしを実現するものの、たとえばLS6では4WSを採用することで最小回転半径は5.09メートルを実現しており、さらに取りまわしに優れた車種も存在します。
そして肝心の値段設定について、これは7月の正式発売時におけるローンチイベントで発表されるものの、SU7の値段設定などを複合的に勘案すると、おそらくYU7のエントリーグレードは24.59万元程度からスタートするものと推測可能です。Maxグレードも30.99万元、もしくは31.99万元からとなるのではないかと推測可能でしょう。
また、標準装備内容について、とくにYU7のエントリーグレードには、
・19インチタイヤ
・16.1インチ3Kディスプレイと1.1mに及ぶHyperVision、6.68インチのリヤスクリーン
・USB Cポートが全部で4つ、最大67Wに対応
・最大50Wの空冷式のワイヤレス充電
・ナッパレザーシートはレッグレストを含めた12方向電動調整、4方向ランバーサポート、ゼログラビティシートに対応。シートヒーター、シートクーラー、シートマッサージを完備
・リヤシートも最大135度の電動背もたれ調整が可能。これはモデルYの120度と比較しても調整幅が大きい
・アンビエントライトは256色
・NVidia Drive ThorプロセッサーとLiDAR
・V2L機能も最大6.6kWに対応
・エアサスは搭載されないものの、電子制御ダンパーを標準搭載
などが用意されます。
このような装備内容を網羅したエントリーグレードが、96.3kWhのLFPバッテリーを搭載して航続距離は835kmを実現しており、日本円で500万円程度で購入できる可能性が出てきているのです。中国のネットが大盛り上がりする理由がわかるはずです。
このようにして、シャオミが発表してきた2車種目のYU7は、SU7を上まわる超強力なEV性能とともに、SU7をはるかに上まわる豪華装備内容を実現することによって、2025年の中国市場における最注目EVであることが判明しました。とくに直接の競合であるテスラ・モデルYは、中国におけるベストセラー車であり、この数年間中国市場を支配してきていたものの、セダンの王者だったモデル3は、SU7の発売によってすでに販売台数でSU7に負け越している状況です。はたしてモデルYが、今後も中国市場トップという王座を死守するのか。それともYU7が販売台数で追い抜くことになるのかに注目です。
また、シャオミは2027年中にも海外市場に進出する方針を表明済みです。現在日本国内でもスマホやIoT家電でプレゼンスを高めているシャオミが、日本国内にもYU7をはじめとするEVを展開することはあるのかを含めて最新情報に注目です。