3億円・2,000psでも“普通に乗れる”という価値
ネヴェーラは、直線だけの超性能にとどまらず公道を走るGTカーとしての性能も持ち合わせていると言う。そのためか、いたずらに大径ホイールにせず、20インチにとどめたのも納得できる。わずかではあるが、リアにはボストンバックが2つ程度入るトランクルームが設けられていた。エンジン車では恐らくこのようなスペースはないだろう。
バッテリーは円筒型セルを採用し、独自の液冷液板設計の120kWhのパックとなっている。気になる充電事情だが、今回の個体はEU仕様なので「コンボ2」(CCS2)規格となっていたが、日本仕様は200Vの普通充電に加えて「CHAdeMO」に対応するとのこと。ただ、最高出力500kWの急速充電に対応し22kWのオンボードチャージャーを搭載しているため、リマックがライアンスを組んでいるポルシェの急速充電器を日本仕様でも使えることになるようだ。
このように、3億円・2,000psでも使いやすい工夫がなされている。性能も価格も驚異的だが、日常で使えるような機能性を持たせていることが「ネヴェーラ」の真髄のように感じる。エンジンに気を使わず音も静かなので住宅街でも普通に乗れてしまうのだ。従来のスーパースポーツカーにはない価値である。
ネヴェーラは、現在のところ年40台の生産能力となっていることから、150台が納車されるまでには4年程度掛かることになる。既に日本でも数台を受注しているようで、リマック本社も日本市場での手ごたえを感じているとのことであった。
2,000psと聞けばとんでもない野獣のようにイメージするが、実車は非常にエレガントかつハイパーカーらしいオーラを纏っていた。正真正銘新時代のハイパーカーと言えるだろう。エンジン車では到達できない世界を追求し続けてほしい。
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