試乗
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3列シート7人乗りの快速電気自動車[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]


TEXT:西川 淳 PHOTO:小河原 認
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メルセデス流の最新コクピットデザイン

コクピット周りはEQシリーズの上級モデルらしい仕立てとなった。フローティングスタイルのインストルメントパネルにそれを支えるなだらかなセンターコンソール、ダッシュボード周りと見事に繋がったドアトリムなど、モダンラグジュアリーと呼ぶにふさわしい雰囲気だ。なかでも上級モデルらしいのはMBUXハイパースクリーンで、580グレードに標準、450にもオプションで装備できる。

これはセンターに17.7インチの有機ELメディアディスプレイを置き、その両脇にそれぞれ12.3インチのコクピットディスプレイ(運転席用)と有機ELディスプレイ(助手席用)を配して、一枚のガラスで覆ったもの。すでにEQSセダンやEQEセダンで話題となったメルセデス・ベンツの最新コクピットデザインで、ディスプレイの大きさなど基本の構成はEQSセダンと同一だ。

800Nmの大トルク、107.8kWhの大容量

注目のパワートレインはどうか。450、580共に電動パワートレイン(eATS)を前後に搭載するe4WD(4MATIC)とした。前者のシステム総合性能は最高出力265kW(360ps)、最大トルク800Nmで、後者になると400kW(544ps)&858Nmにもなる。電気モーターは永久磁石同期型(PSM)。いずれもリアモーターの方が出力は大きく、通常走行時の主な駆動源となる。

また、前後アクスルに置かれたeATSを綿密に連携することがこの4WDシステムの美点である。最適な駆動力を連続的かつ瞬間的に分配するべく必要な前後トルクを個別に調整するわけだが、その計算頻度は毎分1万回にも及ぶという。

リチウムイオン・バッテリーは自社開発品でEQSセダンと同様に容量は大きく107.8kWh。6.0kWまでの交流普通充電と150kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応する。EQケアによって10年もしくは25万kmまで残容量70%の性能は保証されるという。また日本仕様には万が一の災害時などに有用な外部への給電機能も備わった。

ちなみに車両重量はいずれのグレードも3トンに近づいた。

メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV
全長:5,135mm
全幅:2,035mm
全高:1,725mm
ホイールベース:3,210mm
車両重量:2,900kg
前後重量配分:前1,400kg、後1,500kg
乗車定員:7名
交流電力量消費率:221Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:593km(WLTCモード)
最高出力:265kW(360ps)
最大トルク:800Nm(81.6kgm)
バッテリー総電力量:107.8kWh
モーター数:前1基、後1基
トランスミッション:電動パワートレイン eATS
駆動方式:AWD
フロントサスペンション:4リンク式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後275/45R21
最小回転半径:5.1m
荷室容量:195〜2,200L
車両本体価格:1,542万円

 

>>>次回は充電性能や街乗りした印象について語ります

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