試乗
share:

[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その2


TEXT:嶋田 智之 PHOTO:小河原 認
TAG:

「コンセプトカー感」の秘密

実はこのスタイリングには、お手本のようになった存在がある。1974年のトリノ・ショーで発表された、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手になるヒョンデの「ポニー・クーペ・コンセプト」。そして、それをもとに市販車に仕立て、韓国初の国産車となったポニーの4ドアファストバックセダンや3ドアハッチバック。そうした初期のヒョンデのクルマたちへのオマージュを込めつつ新時代のヒョンデをデザインした、というわけだ。

アイオニック5のスタイリングのもとになった2019年の「45コンセプト」のデザインスケッチを見ると、ポニー・クーペ・コンセプトをかなり意識していることがよくわかる。ジウジアーロは水平線を大切にしたデザインが多いことで知られているが、もちろんそこは共通。さらにポニー・クーペ・コンセプトの前後ピラーのシャープなスラントを、ひとつのモチーフとしてボディサイドのキャラクターラインに投影した。その45コンセプトを実用性の高い5ドアハッチバックにアレンジしたのがアイオニック5、といっていいだろう。それらはヒョンデの社内デザインによる。

実際に目にするアイオニック5は、かなり現実的な5ドアハッチバックである。が、不思議なコンセプトカー感が漂っているのがおもしろい。おそらくそれは折り紙細工のようにパキッとした線を活かした幾何学的な構成、必要なときには自動的にポップアップするが通常はまるでスムージングでもしたかのようなフラッシュサーフェス処理が施されているドアハンドル、やぶにらみ気味の眼力の強いヘッドランプの縁取りや1970年代のデジタルサイネージのようなテールランプなどにピクセルをモチーフにしたデザイン処理が施されて、どこかフツーじゃない雰囲気を漂わせているからだろう。

それには真横から見たときのちょっとした違和感のようなものも、ひとつの要素として加担していると思う。何しろ全長がほぼホイールベース、なのだ。タイヤが思い切り四隅に寄せられているのはフロアのバッテリー搭載スペースを確保する意味合いも大きいだろうが、何せホイールベースは3,000mmもある。ライバルたちとくらべて段トツに長い。これは相当に印象的だ。

アイオニック5のスタイリング、嫌いじゃない。僕は充電環境を自宅に持てないし、一発500〜600kmなんていう移動が日常的にあるからEVを愛車にすることは現段階ではできないのだが、アイオニック5には素直にかっこいいと感じさせられている。このスタイリングのまま縮尺を小さくしたスポーツハッチがあったら欲しいな、と思うほどだ。

Hyundai IONIQ5 Lounge AWD スペック

全長:4,635mm
全幅:1,890mm
全高:1,645mm
ホイールベース:3,000mm
車両重量:2,100kg
前後重量配分:前1,060kg、後1,040kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:142.4Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:577km(WLTCモード)
最高出力:225kW(305ps)/2,800-8,600rpm
最大トルク:605Nm(61.7kgm)/0-4,000rpm
バッテリー総電力量:72.6kWh
トランスミッション:1段固定式
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ソリッドディスク
タイヤサイズ:前255/45R20、後255/45R20
最小回転半径:5.99m
荷室容量:後527L、前24L
車両本体価格:5,890,000円

その3 「インテリア」に続く

 

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
電欠したから仲間のクルマに急速充電器まで引っ張ってもらう……は厳禁! EVが牽引できない理由とは?
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択