セールスメソッドの改革
2022年に再上陸を果たした「ヒョンデ」は、時代を見据え、以前とはアプローチのまったく異なる展開で、じっくり腰を据えて勝ちに来ているように思える。
ひとつはEVのアイオニック5とFCVのネッソのみでスタートし、未来を見据えた姿勢を提示していること。そしてアフターサービス拠点網は別として、正規ディーラー網を構築せずにオンライン販売を基本とすること。この時点でヒョンデが見つめている顧客層を窺い知ることができるだろう。カーシェアリングのエニカと提携して相当数のクルマを一般ユーザーに貸し出し、それを試乗機会としているところからも。つまり、急いでいないのだ。
もちろんヒョンデとして顧客と直接触れ合う場所も用意してあって、新横浜駅の徒歩圏内に居心地のいいカスタマーエクスペリエンスセンターを設け、クルマの現物チェックや購入相談はもちろん、試乗することも、急速充電やV2Lを体験することも、カフェを楽しみながらメインテナンス風景を眺めることも、しっかりした納車セレモニーも、すべてがワンストップで可能になるよう整えてある。
ヒョンデの2022年の新規登録台数は、アイオニック5のオーダー受付が開始された5月から11月までの数字で426台。「たったの?」と思われる人もいるだろうが、そうした販売方法を採ってることを考えると、これはむしろかなり好調であるといえるだろう。そして「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」の受賞、である。結果を急いでないのに、結果が出はじめている。
もちろんアイオニック5の出来映えがいいからというのが最も大きな要因であるのは間違いない。それは実車に触れ、試乗をしてみると明確に理解できることだろう。今回はほぼ序文のようなところで終わってしまうことになるが、僕もアイオニック5に様々なシーンで試乗することができているので、次から細かくお伝えしていきたいと思う。
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