完全電動のキャンピングカーの発表は国内初で今後普及の予感 アイドリングによる振動がなく空調完備で快適な車中泊が可能に 【THE 視点】キャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングサービスのほか、車両製造事業などを展開するカーステイは8月9日、HWエレクトロとEVキャンピングカーを開発し、先行予約を開始した。価格は1,150万円(税込)〜を予定し、1年間で20台の販売を目指す。 今回発表された「ムーン T-01」は、HWエレクトロの中型EVバン「エレモ-L」をベースに開発。「エレモ-L」が持つ広い荷室空間を活用し、大型家電やベッドを架装した本格的なキャンピングカーに仕上げた。 電力系統も独自の工夫を凝らした。走行用のメインバッテリー(最大容量43.5kWh)はもちろん備えるが、ルーフに大型のソーラーパネル(370W)を搭載し、200Aのサブバッテリーに充電が可能だ。 その電源にて電子レンジ・冷蔵庫・エアコン・IH調理器といった生活機器を動かす。もちろん100Vのコンセントも備えているため、あらゆる電子機器の充電・稼働ができる。乗車定員は2人で、車載のベッドはセミダブルまでの拡張に対応可能という。 EV車両としての特徴は、走行用のバッテリーを8時間で満充電にでき、通常のEVなので公共の充電器の利用が可能。航続距離は270kmで最高速度は90km/h、車高が2,045mmなので立体・地下駐車場の利用ができる。サブバッテリーは外部給電にて7時間で満充電になる。 「エレモ-L」は、今年の「東京オートサロン」にて実車の展示があり、筆者も間近で車両を確認している。車体サイズは、全長5,457×全幅1,850×全高2,045で荷室フロアの長さは2,890mmとなっている。 車体サイズは「トヨタ・ハイエース」のスーパーロングに近い。ただ、荷室はがらんどうで数値以上に広く感じた。会場では移動オフィスのようなカスタム車両が展示されていたが、キャンピングカーとしても活用可能だと思っていた。もしかしたら、その時点で開発が行なわれていたのかもしれない。 EVキャンピングカーは、電気がないところでも十分な電力を取れることがメリットになる。この車両の場合は、370Wの太陽光発電機能があるのも頼もしい。しかしこの車体サイズに最大容量43.5kWhのメインバッテリーだと少ないようにも思う。キャンピングカーとして活用するためには、近場にEV用充電器があるか確認する必要がある。この太陽光発電でメインバッテリーを充電できるよう、改良してはいかがだろうか。 電力の問題はさておき、アイドリングせずに車内の電源を入れておけるのは大変なメリットだ。熱帯夜などでは空調を動かしておけるので、安眠度が高まるだろう。車中泊とキャンプブームの昨今、このようなクリーンで静かなEVキャンピングカーは注目度が増すと思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★東京都、都有施設の公共EV用充電器を有料化……料金の支払いは電子決済、10月2日(月)から ★★ダイハツ、商用EVバンのコンセプトカー「ヴィジョン-F」を公開へ……「ガイキンド インドネシア国際オートショー2023」<8月10日〜20日>に出展 ★★アキュラ、新型EV「ZDX」を8月17日に初公開……「モントレー・カー・ウィーク」<米カリフォルニア/8月17日〜20日>にて、発売は2024年初頭[詳細はこちら<click>] ★★BMW、「i5」を含めた新型「5シリーズ」向けの純正アクセサリーを秋に発売……カーボンの外装などラインナップ予定 ★★オペル、SUVの新型EVを9月5日に発表……「IAAモビリティ」<ドイツ・ミュンヘン/9月5日〜10日>にて、新世代のインテリア装備など注目 ★★キャデラック、フルサイズSUVの新型EV「エスカレードIQ」を発表……シリーズ初の完全電動車[詳細はこちら<click>] ★ボグゾール、英国内のEV用充電器不足を解消するイニシアチブを開始……英国の地方自治体の69%が路上充電器を未設置、ブランドの完全電動化を見据えて行動 ★ヤマハ発動機、船舶向けの電動推進システム「ハルモ」の実証実験を開始……徳島市と連携し「ひょうたん島周遊船」を電動化 ★ボルボ、SUVのEV「EX90」を改良(本国発表)……RWDと5人乗りバージョンを追加 ★メルセデス・ベンツ、完全無人の自動駐車場に「EQEサルーン」や「EQSサルーン」が対応……ドイツのシュトゥットガルト空港にて ★レクサス、SUVのEV「RZ」のカスタマイズカー「RZスポーツ・コンセプト」を「モントレー・カー・ウィーク2023」に出展……「東京オートサロン2023」にて公開された車両 ★EVモーターズ・ジャパン、大阪市高速電気軌道に大型EVバス「F8シリーズ2-シティ・バス 10.5m」を納入……大阪シティバス56号・59号系統にて運行 ★自動配送ロボット開発のハコボット、大阪のネジ商社サンコーインダストリーから資金調達……屋外走行可能な「ハコベース」の開発・実証実験に充当、サンコーインダストリーは世界最高齢の総務部員(ギネス認定)が在籍する企業 ★ブイキューブ、法人向けにEV用充電器導入サービスを開始……助成金を活用し無料の導入プランも用意 ★ミツバ、「Ene-1 Suzuka Challenge」<鈴鹿サーキット/7月30日開催>のKV-Moto部門で9連覇を達成……単三乾電池40本を搭載したEVバイクで鈴鹿のフルコースを30分間走行し距離を競うレース デイリーEVヘッドライン[2023.08.16]