#EVトラブル
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
水を使わずEV火災を鎮火できる「ファイヤーブランケット」が発売……デイリーEVヘッドライン[2023.03.06]

消防車両132台分の消火能力 有害物質のまん延も防止 【THE 視点】ヨネ株式会社は、Bridgehill AS(本社:ノルウェー)と代理店契約を結び、同社製の消火用品「ファイヤーブランケット」を4月1日より発売する。Bridgehill AS社との代理店契約は日本初となる。 「ファイヤーブランケット」は、1,500℃の燃焼温度にも耐える炭素系素材「グラファイト」を採用。ガソリン・ディーゼル車の火災はもちろん、1,000℃を超える高熱を発しながら長時間燃え続けるEV火災やリチウムイオン・バッテリー火災にも十分耐えられる性能を持つという。 使用方法は、「ファイヤーブランケット」で火災車両を覆うだけ。これにより火や煙、有毒ガスをブランケットの内側に閉じ込めることができ、エンジン車の火災であれば、20分ほどで鎮火に至るという。 従来の水・泡消火薬剤による消火方法では、放水中に有害物質を含む煙と消火に要した汚染水が大量に発生する。しかしこの製品は水を一切使わず煙も発生させないため、従来と比較して非常に環境にやさしい消火方法となる。しかも何台もの消防車を稼働させずに済むので、消防活動の大幅な効率化が実現できる。 何よりリチウムイオン・バッテリーへの対応品であることが大きなトピック。筆者の理解では、リチウムイオン・バッテリーは酸素を遮断しても電池の熱暴走により酸素が発生し、バッテリーのエネルギーを使い切るまで消えないと認識している。 そのため、消火するには熱を下げるために水をかける方法しかない(実現は難しいが水の中に沈めるのが最良)と思っていた。しかしこのブランケットがあれば、水を使わず鎮火までの時間短縮も期待でき、まわりへの延焼も防ぐことができる。 アメリカでの例だが、2021年4月テキサス州で発生した「テスラ・モデルS」の車両火災の消火に要した水量は約10万6,000L。消防車(1台あたりの水タンク容量800L)に換算すると、132台分に匹敵する計算だ。この台数分をブランケット1枚でカバーすることが可能になる。 今後EVが普及したら、各消防署やロードサービスなどにもこのブランケットを常備することをお勧めしたい。価格は70万円とのことだが、繰り返し使用できるため費用削減にも貢献するだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★新東名「浜松SA」「駿河湾沼津SA」にて最高出力150kW級のEV用急速充電器が稼働開始……e-モビリティ・パワーが設置、国内の高速道路では初[詳細はこちら<click>] ★★フォード、米国内でのEV生産を増強……「マスタング・マッハ-E」の生産を時間あたりほぼ2倍に[詳細はこちら<click>] ★シダックスグループ、スクールバスと送迎バスに燃料電池バス(FCEVバス)を導入……都内にて「トヨタ・ソラ」を5台を追加導入、スクールバスにFCEVバスは日本初 ★フォルクスワーゲン、2022年のEVの納入数が57万2,100台……前年比26%増[詳細はこちら<click>] ★ビンファスト、SUV「VF8 シティ・エディション」を米国に納入……北米市場に正式に参入 ★テスラ、メキシコに次世代車両用の大規模工場を新設 ★日立グローバルライフソリューションズ、BYD製のEVフォークリフトを導入……3月から多賀事業所で稼働、ほぼ全台のフォークリフトをEVに ★パワー半導体開発のフロスフィア、次世代EVの省エネ・小型化に寄与する「アンペア級・1700V耐圧のGaO®SBD(※)」の開発に成功……世界初、パワーエレクトロニクスの高性能化に期待 ※SBD:ショットキー・バリア・ダイオード ★スイスのEV系企業が「水素・燃料電池展」(東京ビッグサイト(東京都江東区)/3月15日(水)〜17日(金))に出展……ABBなど9企業 ★レクシヴ、EVシェアリング「eemo」のフランチャイズ店を拡大……入間ガス(埼玉県入間市)など全国に5ヵ所、日産「リーフ」「サクラ」を使用 ★電動オフロードバイクのサーロン、「ストーム・ビー」&「ウルトラ・ビー」の早期予約が日本で開始……公道走行が可能な本格オフロードバイク、正規輸入代理店のコハクジャパンから

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