外出先でのゼロエミッション充電を実現 ジャガー・ランドローバーは、エネルギー貯蔵システムの開発を手がけるスタートアップ企業であるAllye Energyと提携し、外出先でゼロエミッション充電を実現する斬新なバッテリーエネルギー貯蔵システム「BESS」を開発した。 1台のBESSには、「RANGE ROVER」および「RANGE ROVER SPORT」のプラグインハイブリッド(PHEV)に搭載されていたバッテリー・パック7台分を再利用している。 車両から取り外したバッテリーは、一切の加工を行うことなく、カスタマイズされたラックに差し込むだけで使用することができ、各BESSはフル充電の状態で英国の平均的な家庭の約1カ月分の消費電力に相当する、270 kWhのエネルギーを貯蔵することができる。 ジャガー・ランドローバーのエンジニアリング・チームは、今年後半に受注開始予定の「RANGE ROVER」初の電気自動車である「RANGE ROVER ELECTRIC」のテストでゼロエミッション充電を可能にするBESSを初採用。このBESSは一度に最大9台の「RANGE ROVER PHEV」をフル充電することが可能。 充電はジャガー・ランドローバーのPHEVモデルおよび電気自動車(EV)モデルに採用しているコンバインド充電システム(CCS)に対応しており、充電プラグを接続するだけで充電を開始する。さらにパワーロック・コネクター経由でのマルチ給電コネクターにも対応しており、固定サイトまたはオフグリッドサイトで、再生可能エネルギーを充電することができる。 BESSの重量は3.5 t未満でさまざまな場所に移動することも、固定して利用することも可能。販売店やジャガー・ランドローバーの拠点に設置することもでき、ジャガー・ランドローバーの顧客以外も利用できるように市販する予定だ。 最高水準で設計されたジャガー・ランドローバーのバッテリーは、EVの要件を下まわった低エネルギー状態でも70~80 %の容量が残っているため、エネルギー貯蔵システムで安全に再使用することができる。 真の循環型経済の実現に向けた取り組みの一環として、これらの二次利用が終了した後、ジャガー・ランドローバーは原材料を回収して再利用できるようにするという。