#三菱商事
TEXT:桃田 健史
ホンダがエネマネで三菱商事とタッグ組む背景、EV需要拡大で必然となる新体系事業とはなにか?

ホンダと三菱商事はエネルギーマネージメント事業に関して協業することを発表した。EV搭載電池のリユースや、V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)等で新しいビジネスの将来性についてホンダ実証実験をもとに考察する。 電池リースは必然 ホンダと三菱商事は2023年10月12日、「EV普及を見据えた新事業創出に向けた覚書を締結」したと発表した。 具体的には、ホンダが2024年から順次発売予定の軽EVに搭載されるバッテリーのモニタリング機能を高度化するなどして、バッテリーのリサイクルを含めたバッテリーのライフタイムにおけるマネージメント事業を行う。 ホンダは2040年までにグローバルで製造販売する全ての四輪車をEV・FCEV化するとしており、電池のリユース事業を早期に構築する必要がある。 そのため、自動車販売事業やエネルギー関連事業をグローバルで展開する三菱商事と連携することは、ユーザーの視点からも十分理解できるといえるだろう。 他の事例では、日産が住友商事と電池リユース関連事業をすでに展開している。 エネマネで、ホンダ独自の実証で十分な知見あり もうひとつの事業が、V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)を通じたエネルギーマネージメント事業だ。 ホンダは2012年から自社でエネルギーマネージメントに関する実証試験を行ってきた。 埼玉大学近くに、ホンダ・スマート・ホーム・システム(HSHS)を設置し、ホンダ(本田技研工業または本田技術研究所)の従業員家族が一戸建て住宅で生活しながら、EVを活用したエネルギーマネージメントのデータを集約する方法だ。 さいたま市と2011年5月に締結した「E-KIZUNA Project」をきっかけに始まったもので、EVは「フィットEV」で始まり、現在は「Honda e」を使用している。 これまで三つの期間で、年間電気代、年間CO2削減量、そして家エネルギー率(※)という3つの指標でデータを比較した。 ※家エネルギー率:家全体の電力需要に対する、EVなどを含めた家のエネルギーマネージメント領域が負担する電力量の比率 現在は第四期となっており、可搬式バッテリーのモバイル・パワー・パック(MPP)によるエネルギー・ストレージ・システム(ESS)も活用している。 こうしたHSHSの知見を、かまぼこの老舗「鈴廣(すずひろ)」本社(神奈川県小田原市)の実証試験に活かしている。 鈴廣はホンダと連携する以前から、太陽光発電と地中熱による換気システムをBEMS(ビルディング・エネルギー・マネージメント・システム)を採用しており、2022年2月からホンダと連携した実証試験を実施している。「Honda e」5台と、ニチコン製のEVパワーステーションを導入した。 課題はマネタイズ このように、EV用蓄電池リユースやEVを活用したエネルギーマネージメントについて、 ホンダは三菱商事と事業化に向けて、各種の実証実験を進化させていくことになるだろう。 その上で、どのようなサービス事業をどのような価格設定で行うのか? 三菱商事では現在、三菱商事エネルギーがガソリンスタンド事業等でエンドユーザー向けの事業開発を行っており、こうした知見を下にB2B(事業者間)やB2G(行政向け事業)などでホンダと連携した新たなる事業展開が期待される。

TAG: #V2G #ホンダ #三菱商事

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
コレクターズアイテムになること間違いなし! 「FIAT × ルパン三世」のクリスマスコラボプレゼントを実施中
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択