#ミニキャブ・ミーブ
TEXT:加納 亨介
EV販売に進出するヤマダデンキ、アフターサービスはどうなっている?

7月4日からヤマダデンキがEV(電気自動車)の販売を始めた。車種は三菱自動車の軽乗用車「ekクロスEV」と軽商用車「ミニキャブ・ミーブ」で、法人向けリース販売の形態をとる。当初は神奈川県と埼玉県の5店舗のみだが、将来的に取扱店舗を拡大するとしている。 「ヤマダ車検」とは? 気になるのはアフターサービスだ。一般論としてEVはICE(内燃機関、ガソリン車やディーゼル車)ほどには手がかからないとされるが、EVとてクルマである。家電と異なり定期的な点検/車検は欠かせない。にもかかわらずヤマダデンキは、販売する三菱製EVについて三菱自動車のディーラー網を原則として頼らないという。 なぜなら「ヤマダ車検」の名で自前の自動車整備工場ネットワークを持っているからだ。「ヤマダ車検」は、ヤマダデンキと日本自動車車体補修協会(JARWA)が協力して構築した独立系自動車整備工場のネットワークで、全国に約300社を組織している。三菱自動車の国内販売子会社である東日本三菱自動車販売との連携はあるようだが、実際の点検整備作業自体はこの300社が行う。 JARWAは“車体補修協会”の名の通り、クルマの補修溶接や板金に関する最新の技術と知識を会員間で共有する一般社団法人で、整備工場約1800社のほか、国内自動車メーカー8社や溶接機メーカーも加入しており、行政公官庁との繋がりも深い一般社団法人だ。 そのJARWAには、さらに助っ人が存在する。協力するのは、ナルネットコミュニケーションズ。カーリース会社から車両のメインテナンスと管理を請け負う「メインテナンス受託管理」の大手だ。1978年の創立以来、全国のリース車両をくまなくメインテナンスするために整備工場ネットワークの構築を続け、現在は約1万1,500拠点を組織している。 ヤマダ車検(JARWA)の300社とナルネットコミュニケーションズの1万1,500拠点が、ヤマダデンキの販売したEVの面倒を見る構図だ。これら整備工場のすべてがEV整備のノウハウを持つとは限らないが、分母としては小さくない。 三菱自動車とヤマダデンキはこれまでもEV販売に関する協業実績があり、2010年にヤマダデンキの一部店舗でEV「アイ・ミーブ」の新車販売を開始していた。EVが今ほど一般的ではなかったせいかこの協業は3年ほどで中止となったが、当時と現在とでは市場環境が大きく違う。ekクロスEVの兄弟車である日産サクラが発売から1年ほどで約4万台を売り上げるなどEVは普及期に入ったとされ、ヤマダデンキは販売後の点検/車検などアフターサービスにも本腰を入れた再挑戦となる。 クルマ流通変革の契機となるか ヤマダデンキの傘下には、太陽光発電事業や住宅事業(旧エス・バイ・エル)、システムキッチンをはじめとする住宅機器事業(旧日立ハウステック)、家具事業(大塚家具)がある。そしてEVは「走る蓄電池」の一面を持つ。つまりヤマダデンキのEV販売進出は単なる新規事業ではなく、太陽光パネル付きオール電化住宅とEVという親和性の高い商品を同時に販売できる強みを持ったスタートといえ、旧来の自動車販売形態に変革を促す可能性がある。 ヤマダデンキが三菱自動車に加え他メーカーのEV販売に門戸を閉ざす理由は今のところ見当たらず、自前のメインテナンスネットワークを持たない新興EVメーカーが乗ってくる可能性もある。実際、JARWAにはアセンブルポイント、アパテックモーターズ、キーバスジャパン、HWエレクトロなどの国内新興勢がすでに加盟しており、ヤマダデンキと繋がりやすい環境にある。 全国におよそ1000店舗ほどもあるヤマダデンキのあの広い駐車場に、複数のEVメーカーの車両がズラッと展示される未来もそう遠くないのかもしれない。 [2023年7月4日からEVの取り扱いを開始したヤマダデンキ5店舗] テックランド横浜本店(神奈川県横浜市港南区下永谷5-2-1) テックランド横浜泉店(神奈川県横浜市泉区上飯田町 3937) 家電住まいる館 YAMADA 戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区汲沢2- 1-7) テックランド大宮宮前本店(埼玉県さいたま市西区宮前町 257) Tecc LIFE SELECT 春日部本店(埼玉県春日部市小渕字前田 259-3)  

TAG: #eKクロス EV #ナルネットコミュニケーショーンズ #ミニキャブ・ミーブ #ヤマダデンキ
TEXT:烏山 大輔
三菱とヤマダデンキが、「eKクロス EV」と「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売で協業

三菱自動車工業とヤマダデンキは、ヤマダデンキの神奈川県と埼玉県の計5店舗において、三菱自動車の軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売を7月4日から開始することを発表した。 三菱自動車とヤマダデンキは、これまでもEV販売に関する協業実績があり、2010年にはヤマダデンキの一部店舗でEV「アイ・ミーブ」の新車販売を行っていた。 今回の協業では、三菱自動車の国内販売子会社である東日本三菱自動車販売の営業地域で、法人向け自動車販売を手がけるヤマダデンキの5店舗において新車販売を開始し、今後は販売店舗を11店舗まで増やす計画だ。また、購入後のアフターサービスについては、東日本三菱と連携しヤマダデンキがパートナー(一般社団法人日本自動車車体補修協会)と構築している整備ネットワークが担当する。 三菱自動車は、軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の商品ラインナップが揃ったことを機に、ヤマダデンキと再び協業し、お客様にEVの活用提案と利便性の高いサービスを提供することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。 ヤマダデンキは、「創造と挑戦」の理念に基づき、電気自動車(EV)を「21世紀の新しい家電」と位置づける新たな発想とサービスの融合を実現すべく、これまでEV周辺事業であるバッテリーチャージング事業、スマートハウス事業、自動車整備事業(ヤマダ車検)など、次世代モビリティ・ビジネスの構築に取り組んできた。 三菱自動車と再び協業し、EVの取り扱いを開始することで、これまで培ったEV用充電器や太陽光発電システム、V2H(Vehicle to Home)の販売や設置工事請負事業、そして自動車整備などの周辺サービス事業をさらに拡大し、お客様に日本最大級の店舗ネットワークの強みを生かした「EVのワンストップサービス」を提供することで、社会と環境への貢献に資する新たな可能性を追求していく。 EVの取り扱いを開始するヤマダデンキ5店舗 テックランド横浜本店(神奈川県横浜市港南区下永谷5-2-1) テックランド横浜泉店(神奈川県横浜市泉区上飯田町 3937) 家電住まいる館 YAMADA 戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区汲沢2- 1-7) テックランド大宮宮前本店(埼玉県さいたま市西区宮前町 257) Tecc LIFE SELECT 春日部本店(埼玉県春日部市小渕字前田 259-3)

TAG: #eKクロス EV #ミニキャブ・ミーブ #ヤマダデンキ
TEXT:福田 雅敏
実質EV元年と感じた充実のEV展示とそのカスタマイズ……EV開発エンジニアのオートサロン探訪[その4(最終)]

世界最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2023」が1月13日から15日まで幕張メッセにて開催された。今回の「オートサロン」には、多数のEVも出展されると聞いた。そこでEV開発エンジニアであり本媒体のエグゼクティブアドバイザーである福田雅敏が現地に赴いた。その現場をレポートしたい。今回は「その4(最終)」をお送りする。 アウトドア志向を押し出した三菱 「ミニキャブ・ミーブ B-レジャースタイルⅡ」は、車載のバッテリーからの給電機能を活用したカスタムカー。アウトドアシーンに溶け込むアイボリーとモスグリーンの2トーンカラーとし、ボディサイドにはEVを象徴する電源プラグをモチーフとしたラッピングがなされている。 室内は荷台スペースをフルフラットとして居住性を高め、リモートワークに必要なデスクや座椅子、車中泊に必要なベッドキットを装備することで、プライベートな空間を演出している。 さらに、駆動用バッテリーから定格1500WのAC100V電源を取り出せる「ミーブ・パワーボックス」を使用し、リアゲートに取り付けたプロジェクターでのeスポーツ体験や、リモートワーク用パソコンの充電などを可能とするなど、ビジネス&レジャースタイルを提案していた。出先で楽しくなり電力を使いすぎて「電欠」にならないよう、電池残量のこまめな確認が必要だと感じた。 そして「eKクロスEV」をベースとした「eKクロスEV Smooth×Tough(スムーズ・バイ・ タフ)」も展示されていた。EVの静かかつ滑らか、そして力強い走りをそのままに、SUVテイストを一層高めたのが特徴。 ボディカラーは、マットグレーメタリックとブラックマイカの2トーンカラーとし、フロントグリルガードやオールテレーンタイヤを装着。さらに、リフトアップしたことで、オフローダースタイルとしている。 ただ残念なのは、ここまでSUVテイストを強めているのに、4WD仕様がないこと。雪の多い地域のSUVファンのためにも早期に4WD仕様を出してほしいものである。 「オートサロン」ならではのアフターメーカーによるEVカスタムカー見聞 「テスラアライアンス」のブースには4台のドレスアップされた「モデル3」とテスラ用のドレスアップキットなどが所狭しと展示されていた。 テスラ好きが集まったカスタムメーカー集団「テスラアライアンス」の関連企業は20社あまり。その中には普通充電器付貸ガレージなども紹介されていて「EVと住宅」というライフスタイルをどう快適かつ楽しく過ごすかを訴求していた。このブースの中に、KGモーターズの超小型EV「ミニマム・モビリティ・コンセプト」も展示されていた。 「ブリッツ」のブースでは、日産「アリア」をドレスアップした「ブリッツ・アリア」を展示。エアロパーツとホイールでドレスアップされていた。「ブリッツ・アリア」は、来場者の投票により決定する「東京国際カスタムカーコンテスト」SUV部門において優秀賞を受賞した。 先の「カー・オブ・ザ・イヤー」でもそうだが、このような賞典をEVが受賞するようになり、時代の移り変わりを実感した。 「トーヨータイヤ」のブースではアウディ「e-トロン・クワトロ・フーニトロン」を展示。1980年代の伝説ともいえる「スポーツ・クワトロS1」をオマージュした電動4輪駆動のレーシングEV。2モーターによる合計最大トルクは6000Nm(611.83kgm)を誇る。 本来であれば、世界的ラリードライバーであり、「ジムカーナ」シリーズの神業ドライブでもおなじみのケン・ブロック氏が来場するはずだった。が、1月2日午後、ユタ州においてスノーモビルの事故で亡くなり、それがかなわなくなった。享年55。非常に残念なことである。ご冥福をお祈りする。 「ボンドグループ&レザーコーポレーション」のブースには、「テックアート・タイカン4S」が展示されていた。エアロパーツをまとい車高が落とされた車体、大径ホイールでドレスアップされたもの。標準のホイールでは大きく感じたフロントブレーキキャリパーは、大径ホイールの影響で逆に小さく感じた。 総括:「オートサロン」は実質モーターショー、来年は走行性能にも手を加えた「チューニングEV」登場の予感 筆者にとって、コロナ禍では初のオートサロン見学。プレスデーに見学したが、当日は4万4000人の来場者があり、十分混んでいた。3日間の合計来場者は18万人あまり。出展社数341社、出展台数789台、ブース総数3904小間。特に出展車数は昨年より1割(77台)増しとなった。 今回は、主催者による「オートサロンテック2023」などEVを中心とした次世代自動車のテーマ館もあり、カスタムカーの祭典「オートサロン」でも新時代への流れを感じた。 自動車メーカーの多くがEVを展示していたこと、海外EVメーカーの出展や新型車の発表など、これまで「東京モーターショー」の場で行われてきたことが、「オートサロン」で行われるようになった。先日アメリカで「CES」が開催されたが、実質北米のモーターショーに変わったと言われている。「オートサロン」もそんな「CES」の流れと被るように思う。 2022年がEV元年と一部では言われているが、今回の「オートサロン」のEVの出展を見るに、実質は2023年がEV元年のように思えた。 ただ一部聞いたところによると、半導体不足などの納車の影響で、ベース車の入手ができない業者もあったようだ。展示台数がもっと多いであろうと思った日産「アリア」や「サクラ」、三菱「ekクロスEV」などがほとんど見かけなかったのは、その影響もあるのではないだろうか。 恐らく来年は、カスタムEVがさらに増えるだろう。今後はアフターメーカーも、EVの純正ECUの制御を解析しパワーアップした「チューニングEV」が出てくる予感がする。 <了>

TAG: #eKクロスEV #アウディ #アリア #タイカン #テスラ #ブリッツ #ポルシェ #ミニキャブ・ミーブ #モデル3 #三菱 #日産 #東京オートサロン2023 #福田雅敏
TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.29]

  ・三菱、「ミニキャブ・ミーブ」販売再開……243万1000円から 【THE 視点】三菱自動車は、ワンボックスタイプの軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の一般販売を11月24日より再開した。  「ミニキャブ・ミーブ」は国内唯一の軽商用EVで、2011年12月より配送業などを中心に販売。2021年3月末に一旦生産を終了したが、一部法人向けとして販売を続けていた。  今回の発表は、軽商用EVの需要の上昇を受けて決定したようだ。ベースとなる「ミニキャブ」のエンジン車は1999年登場という古いモデルで、現行の「ミニキャブ」はスズキから供給を受けている。自社製の軽商用車を存続させるためには、EVの「ミニキャブ・ミーブ」を復活させるのが近道と判断したもよう。バン型の商用EVはライバル不在ということも再販を後押ししたのだろう。いずれにせよ、再販を英断した三菱にエールを送りたい。  「ミニキャブ・ミーブ」のモーターの最高出力は30kW(41ps)。総電力量16kWhの駆動用バッテリーを搭載し、充電一回あたりの航続距離は133km(WLTCモード値)となっている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・日産、「セレナ」をフルモデルチェンジ……「e-POWER」は来春発売予定 ・キャタピラー、建設現場用超大型EVダンプ「793」の試験走行に成功……60km/hで走行可能 ・欧州カー・オブ・ザ・イヤー、日本製EVが最終候補に……「日産アリア」「スバル・ ソルテラ」「トヨタbZ4X」がノミネート ・BMW、ハンガリー工場に20億ユーロ投資……EV用バッテリー組み立て施設を建設 ・政府、税制調査会の総会を26日に開催……道路維持財源確保に向けEVへの課税が課題、首相は前日の予算委員会答弁で「具体的な検討はしていない」 ・ホンダ、自社製電動レーシングカートをお披露目……「ホンダ・サンクスデー2022」で角田裕毅、M.フェルスタッペンらプロドライバーがドライブ ・EVの保有率が増加、前年比3.7%増しの8.2%へ……KINTO調べ、購入検討車のトップは「日産リーフ」 ・HWエレクトロ、小型EVトラック「ELEMO」を活用したコネクテッドサービスを展開……ネットワーク上の情報をもとに迅速な配車が可能、災害支援にも期待 ・ドミノ・ピザ、米本国の配送車にEVを導入……「シボレー・ボルトEV」がのべ800台が数ヶ月以内に配車 ・テスラ、EVトラック「Semi」が航続距離500マイル達成……イーロン・マスク氏がTwitterに投稿 ・四国電力、電気料金を28%値上げ……来年4月から「規制料金」プランに適用すると経産省に申請

TAG: #THE視点 #デイリーEVヘッドライン #ミニキャブ・ミーブ #三菱 #福田雅敏

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