#スポーツバック
TEXT:中谷明彦
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ

「S」の称号を冠したアウディの新EV アウディが新たに投入したS6スポーツバックe-tronは、同社の電動化戦略の頂点に位置づけられるモデルである。「S」の称号は従来より、アウディが高性能と精密な走りを象徴するために与えてきたもの。その名をBEV(バッテリー電気自動車)が冠することは、単なるEV化ではなく、電動化時代における「スポーツ」の定義を再構築する意図の表れともいえる。 外観はアウディ伝統の美しいプロポーションに、極めて高い空力性能を融合させたものとなっている。空気抵抗係数(Cd値)は0.21という好数値を実現。これは市販車としてトップクラスの数値であり、電費性能の向上や風切音の低減に直結している。 フロントグリルは段差の少ない面構成で整流効果を高め、起伏の少ないサイドラインは滑らかにリヤへと流れる。ハッチバック形状のテールゲートは、ルーフから緩やかに傾斜し、後方の気流分離を最小限に抑えている。 ボディサイズは全長4930mm、全幅1925mm、全高1470mm。ワイド&ローのスタンスが生み出す低重心感は、視覚的にも高性能モデルとしての存在感を強調しているようだ。 S6スポーツバックe-tronの駆動系は、前後に独立したモーターを配するデュアルモーター4WDとして構成されている。前軸に140kW/275Nm、後軸に280kW/580Nmを発生させ、システム総出力は405kW(約550馬力/ロンチコントロール起動時)に達する。0-100km/h加速は3.9秒、最高速度は240km/hと公表され、ガソリンエンジン車のSシリーズに匹敵する動力性能が与えられている。 動力源となるバッテリーは、フロア下に搭載される100kWhの大容量ユニットで、航続距離はWLTCモードで726km。CHAdeMO方式による135kW急速充電に対応し、一般家庭での200V充電環境でも満充電にでき、十分な実用性を備える。 発進からの加速は極めて滑らかで、モーター駆動特有の即応性と静粛性が際立つ。トルクの立ち上がりにタイムラグがなく、どの速度域からでも力強い加速を示す。 一方で、走行フィールには明確な特徴がある。高出力モーターと重量級バッテリーを支えるため、サスペンションは全体的に硬質な設定となっている。路面の段差を明確に伝える傾向があり、スポーツモデルとしての車両姿勢安定性を優先したチューニングとしているのだ。

TAG: #スポーツバック #輸入車

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