#セダン
TEXT:田中誠司
ピュアスポーツの伝統を受け継ぐ4シーター[ポルシェ・タイカン・ターボS試乗記]

タイカン最新ラインナップの概要 ポルシェ初の量産BEVである「タイカン」は2019年にワールドプレミア、日本では2020年に発売された。スペック表の通りなかなかの大型セダンだが、乗車定員は4名と割り切っている。ただしオプションで5人乗りを選ぶこともできる。 パワートレーンは大きく2種類に分けられる。1モーター後輪駆動と2モーター4輪駆動だ。前者を用いるのは素の「タイカン」のみで、最大出力300kW/408ps。これがエントリーモデル的な扱いになっている。後者は最高出力の違いで390kW/530psの「4S」、440kW/598psの「GTS」、500kW/680psの「ターボ」、560kW/761psの「ターボS」の4機種を揃える。 今回乗ったのはパワーレベルの最も高い「ターボS」。ポルシェジャパンの駐車場で対面すると、ポルシェの市販車ラインナップ中で最も高価かつパワフルなものに与えられてきたグレード名だけあって、外観もとても引き締まって見える。素のタイカンのホイールは19インチだがターボSは21インチ。オプションのボディ同色リムから覗く巨大なブレーキディスクは、標準でPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)となる。 インテリアは、タイプ997以降のポルシェの流儀に従って整然としたレイアウトだ。ダッシュボードの中央にはクロノグラフが備わり、助手席前のパネルにはタッチスクリーン(いずれもオプション)が配置されるなど、テクノロジーを前面に打ち出している。一方で、センターコンソールにはカップホルダーとして丸い2つの穴が開いており、そこだけがあまりにもアナログな光景でユーモラスであった。     スリムなシートはターボSの場合、標準で18way調節機構付きで、実はポルシェのシートが苦手な筆者でも、長時間のドライブでどこも痛くならなかった。リアシートは2名分と割り切っているおかげで、フロントシートに劣らないパーソナライズ感がある。 ラゲッジスペースは、位置は高いが床はフラットだ。ボディ形状からはあまり期待できそうもないと想像してしまうが、ヒンジの形状がよく考えられており、有効に使える体積は思ったより大きい。メジャーで計測してみると幅x奥行きx高さは90〜148x104x45cmだった。BEVだけにフロントにも“フランク”と呼ばれるラゲッジスペースがあり、こちらは55x30x36cmだった。 ターボSの車両本体価格は2468万円。これにボディ色アイスグレーメタリック39万6000円をはじめとする有償オプション28種544万4000円が加わり、試乗車は総額3012万4000円である。素のタイカン1286万円が破格にすら感じる。 強烈な加速 筆者は「タイカン4S」がデビューまもない頃に走らせたことがある。率直に言ってこの世のものとは思えないほど強烈な発進加速性能を持っていた。言い換えれば「これ以上もう何もいらない」という印象だったわけで、今回さらにハイパワーなターボSに乗っても、正直なところ公道上では加速性能に関してさほどの違いは感じられなかった。 カタログ上の0-100km/h加速は4Sの4秒フラットに対しターボSは2.8秒とかなり開きがあるが、いずれにしろ凄い領域なので胸のすくひまもない。テスラ・モデルSもそうだが0-100km/h加速2秒台というのは、もはやパワーユニットの性能というより路面の性能、つまり摩擦係数の問題になってくるのではないかと思える。 フィーリングとしては、かつて4Sを走らせた時に感じたような生々しい、電気自動車ならではのトルクの強烈さみたいなものを、むしろ最新モデルでは敢えて抑えているような印象を受けた。このことも、前述の格別な加速感を感じないことに一役買っているのかもしれない。 Porsche Taycan Turbo S 全長:4,963mm 全幅:1,966mm 全高:1,378mm ホイールベース:2,900mm 車両重量:2,380kg 前後重量配分:前1,170kg、後1,210kg 乗車定員:4名 交流電力量消費率:234-219Wh/km 一充電走行距離:454km 最高出力:560kW(761ps) 最大トルク:1050Nm(107.1kgm) バッテリー総電力量:93.4kWh モーター数:前1基、後1基 トランスミッション:2速 駆動方式:4WD フロントサスペンション:3チャンバーアダプティブエアサスペンション リアサスペンション:3チャンバーアダプティブエアサスペンション フロントブレーキ:ディスク(PCCB) リアブレーキ:ディスク(PCCB) タイヤサイズ:前265/35R21、後305/30R21 最小回転半径:5.6m 荷室容量:後366L 前84L 車体本体価格:24,680,000円

TAG: #スポーツカー #セダン #ポルシェ
TEXT:烏山 大輔
電気自動車である前にロールス・ロイスであること。[ロールス・ロイス・スペクター発表会 後編]

2030年までに全モデルBEV(バッテリー電気自動車)化を掲げるロールス・ロイスにおいて初となるBEVであるスペクターが日本に上陸した。前編に引き続き、空力やデザイン、音に関する後編をお届けする。 空力に貢献する「パンテオン・グリル」 エンジンを冷やす必要がなくなったパンテオン・グリルは、新たにクルマの周りに空気を流してエアフローを整える役目を持っている。そのために緩やかな角度に設計された。延べ830時間に及ぶデザイン・プロセスと風洞実験の成果により、スペクターはロールス・ロイス史上最も低いCd値0.25を達成している。 空力テストを踏まえて、スピリット・オブ・エクスタシーもこれまでよりも前傾姿勢をとっているが、エレガントでアイコニックでなければならないという要素も成立させている。 スペクターはブランド史上最もワイドなグリルとなっており、全幅も2,144mmと、ファントム(2,020mm)より124mmも広くなった。グリル横のスプリット・ヘッドライトは同じグループであるBMW 7シリーズの面影を感じる。 サイドビューではルーフのスレートラインが「エレガントなファストバックシルエット」を作り出している。それに追加してドアハンドルの高さのショルダーラインと下部の現代ヨットから着想を得た「ワフト・ライン」も加わる。この2つのラインはフロントに向かってテーパーする形とし、停止時でも前に走り出すようなイメージを与える。 テールライトの縦のラインはパンテオン・グリルと呼応するデザインを持っていて、ライトが消灯した際には完全にカラーレスになるのが特徴だ。あえてノーカラーとしている理由は、ほとんどのオーナーがボディカラーをビスポークするので、このテールライトであれば、ボディカラーと喧嘩をしないという大きなメリットがあるためだ。 BEVで更に高められたマジック・カーペット・ライド オール・アルミニウム製スペースフレーム「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用。アルミニウム押出材セクションと、バッテリーの車両構造への一体化により、ロールス・ロイスの従来モデルより30%高い剛性を達成している。またその構造により、約700kgのバッテリーは遮音材としても機能する。 102kWhの容量を持つバッテリーは8kWの普通充電の場合は約13時間、最大195kWの急速充電であればほぼ30分で満充電となる計算だ。 ドライバーの状況や路面状況に応じて的確に反応するプラナー・サスペンションはロールス・ロイスの特徴である「マジック・カーペット・ライド」をさらに強化している。

TAG: #スペクター #セダン #ロールス・ロイス
TEXT:烏山 大輔
これぞ最上級の電気自動車!ロールス・ロイスが「スペクター」を日本で初公開。価格は4,800万円から。[スペクター発表会 前編]

ロールス・ロイス・モーター・カーズは6月30日、ロールス・ロイス初となるBEV(バッテリー電気自動車)のスペクターを、日本で発表した。その詳細をお伝えする。 584ps、900Nm、0-100km/h加速は4.5秒のAWD 1906年にヘンリー・ロイスとチャールズ・ロールズによって創業されたロールス・ロイスに新たに完全な電気自動車である「スペクター」が加わった。 このモデルは電気モーターを強く支持していたヘンリーと、1900年という馬車からクルマへと移り始めた時代に「電気自動車は完全にノイズがなくクリーンである。常設の電気ステーションが整備されればとても便利になるはずだ。」と電気の未来を予言したチャールズの想いが実現したクルマでもある。 ロールス・ロイスはこれまでのICE(内燃機関)でもエンジンは黒子に徹して静粛性が高く、かつ圧倒的なトルクを発揮するモデルを生み出してきた。その静粛性と圧倒的なトルクという性格はBEVが最も得意とするところだ。 彼らが「ウルトラ・ラグジュアリー・エレクトリック・スーパー・クーペ」と呼ぶこの4人乗りのBEVは、2,890kgと決して軽くはないが、0-100km/h加速を4.5秒でこなす。前後の各1基のモーターは430kW(584ps)、900Nmの力をこのクルマに与える。AWDということでは、現状のロールス・ロイスのラインナップではカリナンに次ぐ2モデル目となる。 この加速性能は465kW(632ps)、870Nmを生み出すV12ツインターボエンジンを搭載するレイス ブラックバッジと全くの同値である。しかもガソリンエンジンモデルの方が460kg軽いことを踏まえれば、発進加速の良いモーターがこの結果をもたらしていると考えて良いだろう。 ただしあくまでスタートプライスはスペクターの方が700万円高い。しかし、ロールス・ロイスを注文する人はビスポーク(オーダーメイド)が前提で、内容によっては数百万円なんてあっと言う間に到達するので、オーナーは問題だとは思わないのかもしれない。

TAG: #スペクター #セダン #ロールス・ロイス
TEXT:TET 編集部
BYD、フランスにEVを5モデル投入。コンパクトから高級セダン、SUVまでラインナップ

中国最大の電気自動車(EV)メーカー、BYDは、新たに参入したフランス市場に5つのモデルを投入すると発表した。併せて年内に15から20のサービス拠点をオープンし、2025年には100店舗を目指す計画を明らかにした。 すでに欧州14ヵ国に参入済みのBYD 2022年に世界で186万台以上のEVを販売し、米テスラを猛追する勢いを見せたBYD。日本国内でもコンパクトSUVの「ATTO 3(アット3)」を440万円からという戦略的価格で販売し話題になった。 実はこのBYD、EVの普及が遅れる日本よりも先に欧州で知名度を高めており、既に英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、オーストリアなど欧州14ヵ国に参入を果たしている。そして今月、満を持してドイツ、英国と並ぶ自動車大国フランスで車両のデリバリーが始まり、間もなく一般販売も開始されるのだ。 当初、フランスで販売されるのは先述のアット3に加え、Eセグメントセダンの「漢(ハン)」、7人乗りEセグメントSUVの「唐(タン)」の3台とのこと。そして、Cセグメントハッチバックの「DOLPHIN(ドルフィン)」、Dセグメントセダンの「SEAL(シール)」がそれらに続くようだ。 ここでアット3以外の日本ではなじみの薄い4台を紹介しておこう。まず「ハン」はオーソドックスな3ボックススタイルのセダンで、次のタンと同じく歴代中国王朝の名に由来するシリーズの1台。運転手付きで乗っても馴染むフォーマルなルックスや、元々バッテリー専業メーカーだったBYDらしく、ブレードバッテリーという薄型電池を搭載していることが特徴だ。 「タン」は「レクサスRX」などと同等のボディサイズを持つミドルサイズクロスオーバー。3列シートのレイアウトで最大7人が乗れ、米国がメイン市場と見られるが、家族での長距離バカンスが定着している欧州でも商機があると踏んでいる模様。 >>>次ページ 今年中に日本でも発売予定のドルフィンとシール

TAG: #SUV #アット3 #セダン #新型車
TEXT:田中 誠司
「見た目以上に重厚な乗り心地」BMW伝統の後輪駆動スポーツセダン「i4」試乗記 その2

車重とボディサイズにふさわしい重厚なラグジュアリー・ライド サッシュレスの重いドアを開けてドライバー・シートに乗り込むと、ここからの風景もほとんどエンジン車と変わらない。湾曲した巨大なスクリーンが視覚的にかなりのボリュームを占めている。音楽やエアコンや外部機器接続の選択が中央の画面からできるようになっているのだが、BMWといえばドライビング・ポジションを低めに決めて運転に没入したいオールド・ファンの私には画面のあまりの大きさがちょっと目障りであることも否定しない。 全幅が1,850mmに達するボディにあってコクピットはかなりゆったりした印象で、自分がしばらく乗っていた先代6シリーズ・クーペのラグジュアリー感を思い出す。シンセティックなサウンドとともに起動し、しずしずと走り出しても思い出すのは6シリーズの重厚感だ。実際、車重は最終型の640iクーペより200kgも重い。幹線道路や高速道路の巡航スピードに乗ってしまえば、リアにエアスプリングを備えるこのi4は実にゆったりと上品に走る。電動パワートレインの静けさと相まって、どこまででも走れてしまいそうだ。

TAG: #i4 #セダン #試乗
TEXT:田中 誠司
「EVで味わうBMW伝統の後輪駆動スポーツセダン i4」試乗記 その1

エンジン車と同じフォルム、同じ駆動方式 BMW伝統の低いフォルムを備えたスポーツセダンで、ディーゼル/ガソリン車と同じフォルムの後輪駆動。こんな、ごく普通のスタイルでBEV(バッテリー電気自動車)バージョンの4シリーズが登場したと聞いて、「ああ、やっと電気自動車は自動車産業の中でスタンダードな存在になったのだな」と、安堵の混ざった感慨を覚えた。 2013年にBMWがはじめて量産電気自動車として「i3」を投入したとき、それは専用のオールアルミ・シャシーをカーボンFRPボディで包み、エネルギー消費を徹底的に抑えるためのパッケージングを与えたきわめて特殊なクルマだった。そのようにアイコニックであることが、当時マイナーもマイナーだったEVをマーケティング上成り立たせるためにも不可欠なのだった。 しかしさらに大幅に時代を遡ると、1972年ミュンヘン・オリンピックの折に大会オフィシャルカーとしてBMWが送り出した「BMW 1602 エレクトリック」は量産のBMWセダンと何も変わらない外観に、350kgの鉛バッテリーを搭載し、航続距離わずか60kmというプロトタイプだった。フルマラソンの先導がようやく果たせるか、というレンジである。時代は第一次オイルショックの直前、環境保護に対する注目も高まりつつある時期だった。BMWには「人々が自由に選べ、活用できるモビリティの選択肢を提供する」という強い意思が昔からある。BMWのユーザーは内燃機関と並んで公平に電気自動車を選べなければならない、という意図がこのプロトタイプには込められていたのだろう。

TAG: #i4 #セダン #試乗
TEXT:栁 蒼太
BMW新型電気自動車「i5」詳細&「5シリーズ」大幅アップデートに迫る

5月24日、BMWは8代目となる新型「5シリーズ」を発表した。すでにTHE EV TIMESでもニュースにて基本的な情報を投稿したが、本記事では本国の発表を元に、新型5シリーズの車両をさらに詳細に見ていきたい。 ボディの大型化+力強いフロント まずは、エクステリアに注目をしたい。先代モデルと比較すると、全長が97mm拡大して5,060mm、全幅が32mm拡大して1,900mm、全高が36mm拡大して1,515mmとなった。また、ホイールベースは20mm延長されて2,995mmとなり、全体的に大型化が進んだ。 フロント部は、ツイン・ヘッドライトとキドニー・グリルが特徴的だ。ほぼ垂直に配置されたライトは、ターン・インジケーターとデイタイム・ドライビング・ライトとしても機能し、前方に大きく張り出したキドニー・グリルは、フレーム部が光る 「Iconic Glow」(オプション装備)が採用されている。 シンプルな内装へ 続いて、コクピットに目を向ける。全体的に、入力をデジタル化したため、先代モデルと比較してボタンや操作部の数が大幅に削減されている。コクピット正面の「BMWカーブドディスプレイ」は、12.3インチのインフォメーションディスプレイと、フレームレスガラス仕上げの14.9インチのコントロールディスプレイによって、フルデジタルスクリーンを構成する。 ステアリングホイールの下部はフラット化されたり、コントロールパネルやセンターコンソールのセレクターレバーに触覚フィードバックが搭載されたりするなど、ドライバーが操る部分のパーツが一新されている。また、新型7シリーズにも採用された「BMWインタラクション・バー」をオプション装備で用意している。これは、ダッシュボードの横一杯に広がるバー部分が、シチュエーションに合わせてライティングを変化させる装備だ。 初のフル・ヴィーガン・インテリア 新型5シリーズの内外装の刷新はこれにとどまらない。ブランド初となるフル・ヴィーガン・インテリアを標準装備する。これは、シート、ダッシュボード、ドアパネル、そしてステアリングホイールにレザー調の素材である「Veganza」を採用したものだ。オプション装備として、複数のバイカラー・バリエーションのBMW Individual メリノ・レザー張りが用意されている。 トップモデルは i5 M60 xDriveを設定 モデル展開では、48Vのマイルドハイブリッドを備えるガソリンおよびディーゼル仕様やPHEV仕様も用意されるが、新型5シリーズ・セダンの最上位グレードは7シリーズ同様に第5世代のBMW eDriveテクノロジーを搭載したBEVで、「i5 M60 xDrive」が用意されている。 トップモデルのBMW i5 M60 xDriveは全輪駆動モデルで、最大442 kW/601hpの出力を誇る。Mスポーツ・ブーストまたはMローンチ・コントロール機能を作動させると、発生するシステム・トルクは最大820Nm(605lb-ft)になる。これにより、BMW i5 M60は0-100km/h加速3.8秒を記録する。最高速度はバッテリーシステムの都合上230 km/hに制限される。WLTP値は、455~516 km(282~320マイル)。 もうひとつのBEVラインナップである「BMW i5 eDrive40」はシングルモーターのFR(後輪駆動)で、最高出力250kW/340ps、最大トルク430Nm(317lb-ft)、0-100km/h加速は6.0秒、最高速は193km/hとなる。WLTP値は、497~582 km(309~361マイル)。 なお、両モデルともバッテリー容量は、81.2kWhだ。 効率的な電気モーターのシステムに加えて、最新版のアダプティブ・リキュペレーション(回生機能)、ヒートポンプ技術の組み合わせが、長い航続に貢献する。また、「MAX RANGE」機能によって、パワーと速度を制限し、快適機能を停止することで、航続距離を最大25%伸ばすことができる。 BMW i5のコンバインド・チャージング・ユニット(CCU)は、標準で最大11kW、オプションで最大22kWの出力でAC充電が可能だ。高電圧バッテリーは、最大205kWの出力で直流充電が可能で、約30分で10%から80%まで充電することができる。

TAG: #5シリーズ #i5 #セダン
TEXT:TET 編集部
ジャガー、EVの4ドアGTモデルを2023年後半に発表。さらなる新型車の予定も

ジャガー・ランドローバーグループ(JLR)は電動化の加速を中心とした経営変革プランを発表。そのなかで、ジャガー・ブランドのニューモデルとしてフル電動(BEV)の4ドアGTを、2024年から一部市場で発売すると明らかにした。 ジャガー史上最高の出力と最大700kmの航続距離を実現 往年のジャガーと言えば「XJ」に代表される流麗な大型4ドアサルーンがイメージリーダーだったが、そのXJも既に生産は終了し、今や売れ線は「F-PACE」、「E-PACE」などのSUV勢となっている。ではなぜ、XJの新世代モデルが登場していないかというと、それは電動化を進めるためとみられる。ジャガーの次期フラッグシップはBEVになることが既定路線というわけだ。 そうしたなか、今回の発表で明らかにされたのが、新たな電動4ドアGTの登場。ジャガーがあえて「4ドアサルーン」ではなく「4ドアGT」というフレーズを使っていることからも、新型車がコンベンショナルなセダンではなく、クーペライクなルーフラインを持つ流麗なデザインのモデルになると想像される。 そして、現行のジャガー4ドアモデルが「XE」、「XF」というミドルサイズのみであることから、新型4ドアGTは比較的大型のモデルになりそうだ。このモデルが新たなジャガーのフラッグシップになる可能性も否定できない。 JLRによると、新型4ドアGTはジャガー史上最高の出力と最大700kmの航続距離を備え、10万ポンド(約1670万円)を上回る価格設定になる予定。これまで、ジャガーはスーパーチャージドV8から600馬力を絞り出す「XE SV Project 8」といった超高性能モデルを送り出した経緯もあることから、新たなフラッグシップはそれを上回る出力を引っさげて登場する可能性もありそうだ。 >>>次ページ 他にも新型EVが2モデル登場予定

TAG: #XJ #セダン
TEXT:曽宮 岳大
セダンにFR+燃料電池仕様を設定。トヨタがクラウン「スポーツ」「セダン」「エステート」の新情報を公開

トヨタ自動車は4月12日、クラウンシリーズの新たなバリエーションとなる「スポーツ」「セダン」「エステート」の概要を発表した。これらは単に新たなボディバリエーションにとどまらず、「スポーツ」と「エステート」にはPHEV(プラグインハイブリッド)が、「セダン」にはなんとFCEV(燃料電池)が設定されることが明らかになった。 パワートレインは種類の異なる2本立てに 2022年7月に初披露され、同年9月に第1弾のクラウン・クロスオーバーが発売された16代目クラウン。初披露時に「クロスオーバー」のほか「スポーツ」「セダン」「エステート」が設定されることが明らかにされていたが、それ以上の情報については未公開だった。そしてクロスオーバーの発売から半年が経過したいま、ついに3モデルの発売時期や概要が発表された。 まずはパワートレインについて。現在発売されているクロスオーバーは、2種類のハイブリッド仕様が設定され、内燃機関のみのモデルは設定されておらず、今後登場するモデルについてもその方向性は変わらない。すなわち全モデルにハイブリッド仕様が設定され、それに加え、モデルによりその他のパワートレインも設定されることがこのたび明らかになった。 具体的には、「スポーツ」と「エステート」にはPHEVが、「セダン」には燃料電池が設定されるのがビッグニュース。ミライに続く、量産燃料電池乗用車の第2弾がクラウンセダンになるのだ。 なお、各モデルのボディサイズも発表となった。全長が短い方から「スポーツ」(4,710mm)、「クロスオーバー」と「エステート」(4,930mm)、「セダン」(5,030mm)の順となる。全幅は「クロスオーバー」の1,840mmに対して、「スポーツ」と「エステート」が1,880mm、「セダン」は1,890mmとなる。サイズについていえば、セダンが全長・全幅共に最も大きく、さらには唯一、燃料電池車が設定されることからも、トヨタの次世代を担うパーソナルフラッグシップとして企画されたことをうかがい知ることができる。 もうひとつ、注目すべきポイントがある。それは「セダン」の駆動方式だ。公開されたティザーサイトには、「セダン」はハイブリッド/FCEVともにFR、すなわち後輪駆動であることが明記されている。ちなみに既存のクロスオーバーは、FFベースのAWDとして登場しているが、セダンについては伝統のFR方式を採用することで、フラッグシップにふさわしい乗り味が追求されていることだろうか。 >>>次ページ 今年中に「スポーツ」と「セダン」のラインナップが完成

TAG: #エステート #クラウン #セダン

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